甘えん坊日和
無事風邪から復帰した裕香が裕樹とオムライスをごちそうするので現在、朝霧家にいるみなもたち。
みなもはどこかそわそわしており、落ち着かない様子である。
なにもしないでいるのはしょうしょう落ち着かないのだろう。
「ほ、本当に気にしないでいいんだよ?」
「だめ、みなも姉ちゃんたちへのお礼なんだもの!」
みなもの言葉に裕香はぴしゃりと言った。
「みなも、裕香は言うと聞かないから諦めてくれ」
「裕樹さん、他人事だと思って」
苦笑しながらオムライスを作っている裕樹にみなもがむぅと頬をふくらませていた。
つぐぴょんとみなちゃんは嬉しそうに椅子に座っているようだ。
ゆーきはあくびし、ゆーかはちろちろと周りをみていおり、こばりもにこにこ笑顔で座っている。
裕香と裕樹の手作りオムライスがぷちたちは楽しみなのだろう。
「まあ、いいかな? みなちゃんたちも楽しそうだし」
と、独り言のようにつぶやいてキッチンの方へを視線を向けるみなも。
ほどなくしてオムライスをもってテーブルにならべる裕香と裕樹。
二人の特製オムライスである。
全員が席についていただきますと手を合わせて食べだす。
「「「あむあむ♪」」」
つぐぴょん・みなちゃん・こばりは嬉しそうに食べており、どこか満足そうだ。
「ないない!」
「ん? あーん、してほしいの? はい、あーん」
つぐぴょんに袖を引かれて、スプーンで口まで運んであげる裕香。
幸せそうに口を動かすのを見て笑顔になる。
「しかし、ぷちたちはみんな裕香が好きなんだな」
「うん、ぷちずは裕香ちゃんと仲良くするのも抱き着くの好きみたいだよ」
それを眺めている裕樹にみなもはうなずいて笑う。
膝にゆーかとゆーきを乗せて食べさせるみなも。
少しは懐いたのだろうか。
「子供ができたらこんな感じになんのかねぇ」
「ふえ!?」
ぽつりとつぶやく裕樹に顔を赤らめるみなも。
「ん?なんか変なこと言ったか?」
「う、ううん。 そうだよね、こうなんでもないように言うのが裕樹さんだもんね」
不思議そうな裕樹の視線にがっかりしたような複雑な気持ちでいるみなもであった。
「グルル」
「なんだよ、そのあきれた視線は」
ゆーきからの視線に裕樹は不思議そうに見つめる。
裕樹に似たぷちですらあきれたような視線を向けられるのも彼だからかも。
「みなも姉ちゃん、赤ちゃんできたら抱っこさせてね!」
「ま、まだ早いよ! いや、できたらうれしいけど。 まだ、高校生だしその」
裕香の満面の笑みにみなもは指をつんつんさせながら顔が赤くなっている。
「こら、裕香。 みなもを困らせるなよ」
「だって~」
たしなめられてぶーたれる裕香。
みなもはその様子を見て苦笑を浮かべるけど、不思議と悪い気はしない。
それはこの二人が大事だからだろう。