れてぃしあのバレンタイン
つぐみ・深紅・みなも・日菜・瑠奈・希・瑠美・ユウギ・ほのか・鈴・響・芹香たちはつぐみの家でチョコレートづくりをしていた。
渡す人物たちには内緒で作りたいと思うのが乙女心というもの。
つぐみん母の指導でなんとか納得できるものを仕上げることができた。
今から彼女たちはわたしに行くのだが、まるで戦場にいくみたいな雰囲気なのはなぜだろうか。
「ケイくん! こ、これチョコレート!」
そういってつぐみは待たせていた京里にすっと、チョコがはいった包みを渡す。
ちなみに中身はガトーショコラである。
恋人になってからのチョコづくりはかなり緊張していたつぐみん。
「ありがとう、つぐみ。 すごくうれしいよ」
「ガウウ!《つぐみ、頑張って作ってたよ!》」
《主、真剣であった》
京里は嬉しそうにその包みを受け取り、笑うとルイセとシルトはつぐみが頑張っていたことを告げていた。
のだが、京里にはあいにくなにを言っているのか理解はできないでいた。
「そ、そういうことは言わなくていいよ~!」
つぐみはルイセとシルトに顔を赤らめながら注意する。
まあ、それで京里はなんとなく理解し、笑っていた。
「ね、つぐみ。お礼したいんだけどいいかな?」
「ふみゅ? お礼? それってな・・・んん///」
京里に言われて小首をかしげるつぐみだが、抱き寄せられて甘いキス。
彼の服をにぎって必死に答えようとしているが、だんだん足腰が立たなくなってきていた。
ちなみに京里はそんなつぐみを支えている。
「・・・はっ・・・はっ・・・・ケイくんのばかぁ」
「ごめん、つい。 つぐみがあまりにもかわいいから」
息をみだしながら涙目で見つめるつぐみに京里はくすっと笑っていた。
そんなことが起きている頃、万里の方では・・・。
「万里、これ、受け取ってーな♪」
「なんで、俺なんだ?俺以外にもいるだろうに」
ユウギが笑顔でチョコを渡すと困惑している顔。
本当に鈍い万里にはユウギもちと困るけど、気に入っているのだからしょうがない。
「万里が好きやから♪」
そういって強引に万里にキスしてしまうユウギ。
舌をからめとり、くちゅくちゅとみだらな音が鳴り響く。
これで気づかない人はそうはいないだろうが、万里にはどうなんだろうか。
次の場所ではみなもが秀久に駆け寄り。
「おう、みなも」
「こ、これ。 チョコレートです。 その、こんなわたしと付き合ってくれてありがとうございます
それでこ、これからもよろしくお願いします、ね?」
振り返り、笑顔を見せる秀久にすっと、チョコを渡すみなも。
中身はチョコレートケーキである。
もじもじしながらもみなもはじっと秀久を見てそう話す。
「それはこっちのセリフ。 俺なんかと付き合ってくれてありがとうな」
「ひ、秀久くん」
そういって抱きしめられてみなもは幸せそうに彼の胸板にすりすりと甘えるのであった。
次の場所では・・・ほのかが澪次にチョコをわたしていた。
「この世界でもバレンタインあるんでしょ? 作ったわ」
「ありがとう、お礼に僕からも」
そうつっけんどんに言うほのかにくすり、と笑いながらチョコを交換しあう澪次とほのか。
みなもみたいに素直になれない自分がちょっと悔しいな~と思っているが。
それでも澪次のことは嫌いではない、むしろ好きの部類。
だから、一生懸命に作ったのだ。
そのころ赤羽のほうでは・・・。
「はい、日ごろの感謝と想いをこめて作りました!」
「あ、あぁ。 ありがとう、だが・・・・なぜ私に?」
鈴が笑顔で渡すとちょっとこまった反応をする赤羽であった。
きっかけがわからないというのもあるのだろう。
「こ、細かいことは気にしない!」
「いや、細かくはないのだが・・・」
慌てる鈴にあきれたように見つめる赤羽。
この二人もあるいみ前途多難?
その横で深紅が・・・。
「はい、炎心。 はっぴーばれんたいんや! いつまでもわっちの彼氏でいてな」
「ああ、了解した」
笑顔でチョコを渡す深紅に笑顔で受け取る炎心は彼女の頭を撫でて手のこうにキスする。
さまになるな~と思うのは作者だけではないはずだ。
一方響の方はというと。
「どこへ行く気だ」
「あり? ダーリンの方に行こうと思ってたのに逆にいってた?」
呆れたように腕をつかまれる響。
こてん、と首をかしげているあたり無意識なのだろう。
「まあ、いいや! はい、チョコレート! りゅーがが嫌だっていっても離れないからね!」
「はぁ、いつもいつも思うのだが嫌にならないのか? 受け取っておくが・・・・。
・・・・これは大きなクッキーで返した方がいいのか?」
受け取ったチョコの袋を見て天然発言する流牙に響は想いをこめたら大きくなっちったと笑うのであった。