みなもと秀久
「わんこさん♪」
「ちょ、会長! くっつきすぎ!」
「むぅ~!!」
生徒会長の霜月火供夜に抱き着かれて困っている顔をする秀久。
そんな秀久を見てみなもは頬を膨らませて唸っていたのだった。
こう目に見えて嫉妬する彼女は結構めずらしいのではないだろうか・・・。
普段はそんなふうに見えないように切ない感じでたえているのだろうけど。
今回ばかりは別にいいんではないかと思ったのか。
それとも誰かの影響によるものがあるのかもしれない。
「秀久くん! ちょっと、こっち!」
「え、は? みなもさん?」
怒りを隠さずにそう言いながら秀久の手を握って引っ張るとすたすたと歩き出す。
いきなりの幼馴染の行動に秀久はかなり困惑しているようだ。
「ふふふ、行ってらっしゃーい♪」
それを笑顔で見送る火供夜はわざとあんなことしたのが誰にも理解できる。
「会長、あんまり秀久をからかうのは」
「だって、わんこさん純粋すぎてかわいいんですもん♪」
澪次に注意されてもきゃっと笑いながら言う火供夜。
それにため息をもらすのはいつものことだ。
その間にみなもは秀久を学園の外に連れ出していた。
「み、みなもさん?」
「秀久くん! 美人な人やかわいい人にデレデレしすぎ! 確かにレイナちゃんや希林ちゃんはかわいいよ? 会長は美人だし、頬がゆるむのも仕方ないってわかるけど!
でもでも、わたしだって秀久くんのこと好きなんだからね!?
しょっちゅうそんなの見せられて我慢できるほどよいこじゃないんだから!!」
おずおずと声をかける秀久にみなもは一気にまくしたてるように言って秀久の頬をつねる。
「ひょ、いひゃい!いひゃい!」
「痛くしているんだから当然です! わたしだって焼きもちくらいやくんですから!!」
痛がる秀久にむすっとした表情のみなもはいまだに不機嫌そうである。
「今日という今日は許しません!」
「ひょ、ひゃんなこといわれへも」
みなもの不機嫌な様子に困った様子の秀久。
彼女だって怒るのはおかとちがいだということはわかっているわかっているけども。
やはり耐えられないときはあるので。
「罰として、今日はわたしのお買い物に付き合ってもらいます!」
「ちょ、え!?」
そう言うやいなや秀久の腕をつかんで豊満な胸を押し当てるようにしてひきずるように歩き出す。
「え、えいやあ!」
「おわあ、当たる当たる!」
ゲームセンターに入り、もぐらたたきをする二人。
はじめてなのに頑張って馴染もうとしているようなのがわかる。
「次はダンスゲームです!」
「こけるなよ」
秀久の手を引っ張りながら言うとちゃかす。
それにみなもがむすっとした表情を向けると視線をそらすはめに。
「こ、こうですね! えいえい!」
「あ、ちょ! ぶつかる!」
二人で踊るのだが、タイミングが合わずぶつかり、みなもにのしかかる秀久というラッキースケベなイベントが。
「きゃ、きゃああ!!」
「へぶ!?」
みなもの平手打ちをくらい、ぶっ倒れる秀久。
まあ、胸をわしづかんでそれに黒色のパンティも見ているのだがしょうがないといえばしょうがない。
「次はぷりくらです!」
「お、おう」
秀久は一日中みなもに腕にしがみつかれて歩き回るはめになっていた。
「その次はしゅーてぃんぐげーむです!」
「ちょ、難易度高くね!? げぶらぁ!?」
「秀久くん、よそみしちゃだめですよ~!?」
と、こんな感じでみなもは秀久を連れまわしていた。
洋服店では普段は選ばない系のを着て見せたりしていてそれを購入したりもするみなも。
そんな感じでいろいろな洋服店や水族館や遊園地などを渡り歩き、最後は喫茶店で休憩することに。
「つ、疲れた・・・・」
「そうですか? まだまだ連れまわしたいくらいです」
秀久がげんなりとしているとみなもは彼を見て小首をかしげる。
そしてケーキを一口食べて幸せそうに両手を頬にあてる。




