初詣 秀久ルート
秀久は神社の階段の前で紋付き袴姿でみなもを待っていた。
まだ、一月とはいえ冷えるので白い息もでてくる。
しゅうやんは秀久の頭の上で望遠鏡を構えて道行く人を見ているようだ。
「さみぃ・・・」
「秀久くん、お、お待たせしました!」
息をきらしながらカラコロと下駄を鳴らしながら駆け寄るみなも。
『『おおおお!?』』
歓声や黄色い声が上がる。
桃色と白を組み合わせた花柄の振り袖、花のついた簪にほんのり赤い唇。いつものサイドテールをまとめ、金色の輝きを放つ長い髪。いつもよりも光っている垂れ気味なルビーの目、朱を散らした頬、みなもは恥ずかしそうに秀久を見る。
「どう、ですか? 似合いますか?」
「あ、ああ・・・よく似合っている」
「わうわう」
「みぃ~♪」
みなもの言葉にどきまぎしながら答える秀久。
みなもの姿に見惚れているのは間違いないだろうことは一目瞭然というものだ。
しゅうやんもみなちゃんをほめており、みなちゃんは嬉しそうに抱き着いている。
「よかった。 うまく着付けできているか不安だったんです」
「そ、そうなのか・・・」
みなもの言葉にいつもより挙動不審な感じになる秀久。
「? さ、行きましょう! お参りしませんと」
「そうだな」
みなもに手をひかれて神社の階段を上る秀久。
鳥居をくぐり、手を清めて端をとおり、賽銭をいれてお願い事をする。
(みんなが無事に、一年間過ごせますように……
あ、あともう少し積極的になれますように!! れ、レイナちゃんみたいに?)←みなも
(父さんに追いつけますように……あと平和平和平和平和平和平和平和平和)←秀久
と、それぞれお願いごとをするのだが、秀久のは欲望な気がする。
それからおみくじをひくのだが。
「ひ、秀久くん。 きっといいことありますよ」
「そ、そうだよな」
みなもがフォローするように声をかけるとうなずく秀久。
おみくじを樹に巻き付けて、厄除けをするのだが、ここはさすがの不憫。
なにもないところで足を滑らせてみなもを巻き添えに転んでしまう。
ちなみにみなちゃんはしゅうやんが抱きしめて回避していたので巻き添えにはならなかった。
「いつつ・・・・ん? なんだこれ」
起き上がろうとしたさいにふにふにとやわらかいものを揉んでしまう秀久。
ひゃう!と声がもれたので視線を動かすと頬を赤らめながらも涙目まじりで秀久を見るみなもだった。
それに気づいてさあーと青ざめる秀久は慌てて起き上がると・・・。
「す、すまん! 悪気は全然ないんだ!」
「わ、わかってるよ。 秀久くんの不憫はいつどこでおきるかわかんないことくらい」
慌てて土下座する秀久にみなもは晴れ着をなおしながら顔は赤いままで言う。
「・・・・・ちょっと、そこの不憫わんこ」
「へ? ひいぃぃぃぃい!? あ、阿修羅がいる!!?」
竹をもった黒髪をまとめた青色の晴れ着で頭にかんざしをつけているほのかが秀久が振り向いた瞬間にいた。
怯えたように後ずさりする秀久にじりじりと近寄るほのか。
「ほ、ほのかちゃん。 秀久くんの不憫なことだから、そこまで怒ることじゃ」
「みなもは優しいのね、でもね・・・乙女の胸を触るなんてふしだらなスケベ男は成敗するべきなのよ」
「ちょ、ちょっとまってくれえぇぇえぇ!!」
いさめようとするがほのかは秀久を追いかけ、彼は逃げ出す。
そんなことがかなりの時間あり、ボロボロになった秀久に肩をかして秀久の家に入り、みなもは秀久の手当をするのだが、痛そうなために。
「ひ、秀久くん。 目をつむってください」
「へ?あ、あぁ」
言われたとおり目をとじる秀久の頬にやわらかな感覚が当たる。
思わず目をあけるとまじかにみなもの顔があり、少し恥ずかしそうにしながら離れた。
「これで、痛みがふっとんでくれたらうれしいです」
頬が赤いみなもの笑みに笑う。




