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年末イベ 秀久&みなも

夜の神社の境内で秀久はファーのついたパーカに黒いセーターをカジュアルのズボンをはいてみなもを待っている。トレードカラーのマフラーと腕時計をつけているようだ。


「遅いな・・・」

「わうう」


白い息をはきながらつぶやく秀久の足元でぷるぷると震えているしゅうやん。

彼も寒いのだろう。

それを見て抱き上げて肩に乗せていると。


「すみません、遅くなりました!」


ロングコートにニットの帽子をかぶっているみなもがぱたぱたと駆け寄る。

彼女の懐にはみなちゃんとスズがおり、おいていくのも彼女にはできなかったのだろう。

それにスズはみなもいうことを聞くから大丈夫であることも理解しているからだ。


「おせぇーよ。 カウントダウンが始まるだろ」


「あうう」


秀久に額をこづかれて涙目になるみなも。

時々、みなもの瞳の色に変化がしていることがある。

最初は赤なのに桃色に見えるように見えるのだ。


「あ、甘酒のみにいきません? あたたまりますよってひゃ////」


「これならもっと暖かいだろ?」


「ひ、秀久、くん////」


後ろからぎゅっと、抱きしめられて顔に赤みがます。

ススとみなちゃんはうとうとしているようである。

みなもが温くしているから二匹も温いのだろう。


「お、スズにしっぽリボンつけたのか?」


「はい、首輪もかわいいのでリボンもつけました。 嫌がるかな~って不安にはなりましたけど、おとなしくしてくれていました」


と、にこにこと嬉しそうに笑うみなも。

みなもの口から語られるのはいつもスズのことばかりなのでちょっと面白くない気分になる秀久。


「?秀久くん、どうかしま・・・・んっ」


気づいたら抱き寄せていてみなもの唇に己の唇を口づけていた。

舌がはいると舌をからめるようにし、すいあう。

最初はみなもも頑張っていたが、だんだん苦しくなってくるので秀久の胸板をたたく。

ふ、と緩めてくれたので息をはっと吐くと再び熱いキスを受けることに。

樹によりかかり、ちゅ、ちゅ、とキスをしあう二人。

もう、愛しいという欲情が止められないでいるようだ。

カウントダウンが終わるませ口づけをして、終わると口を放す。


「はぁ・・・はぁ・・・ひで、ひさ、くん」


「悪い。 あんまりにもかわいかったら」


恨めしそうに見つめるみなもに困ったように笑う秀久。


「今年もありがとうございました。 来年もよろしくお願いしますね」


「おお。こちらこそ今年もありがとうな。 来年もよろしく」


と、みなもと秀久はにっこりと笑いあう。


「みゃ~」


「そうだね、寒いから帰ろうか」


「泊まれば? 誰もいないんだろ?」


スズの声にうなずいていると秀久があっけらかんと告げる。

硬直するが、みなもはチャンスだと思って。


「は、はい!」


「そんなに緊張することじゃねーだろ」


そんな感じで歩き出すのだが、まだ雪が残っていたのか。

それでずべっとすべって前のめりになるみなも。


「ふえええ、びしゃびしゃです」


「・・・・っ」


雪まみれのみなもを見て生唾を飲み込む秀久。

服が透けているからというのもあるのだろう。

スズはぺろぺろとみなもの涙をなめていたようである。


「びゃー!」


「わうわう!」


泣いてるみなちゃんをしゅうやんは慰めているようだ。

こういうところも似ているの・・・・かも。

そんなところで除夜の鐘が響いて聞こえてきたのであった。

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