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つぐみんと京里くんの朝?

とっさの思いつき~♪

つぐみは懐かしい夢を見ていた。

それは中学を卒業するときの夢であった。

京里に言われて中学の屋上でつぐみは待っていた。

つぐみはじーとグラウンドを屋上から眺めていた、いろいろあったことを思い出しながら。

時には時計を気にしながらだが・・・。


『ごめん、つぐみ。遅くなって』


『ううん、それより用事ってなあに?』


そんなつぐみに声をかけてきたのは幼馴染の宮野京里である。

階段を駆け上がってきたのにもかかわらず息が乱れていないようである。

卒業式が終わったら話があるといわれて屋上でつぐみは彼を待っていたのだ。

話とはなんなのか気になるつぐみに対し、京里は緊張しているのがわかる。


『ケイくん、どうしたの?』


『ごめん、緊張しちゃったみたい。 大勝負だからかな』


彼が緊張する理由がわからず小首をかしげるつぐみに苦笑する京里。

まあつぐみだから仕方ないと思った彼は深呼吸をしてまっすぐつぐみをみすえた。


『つぐみ。 変化球じゃ通じないだろうから剛速球でいかせてもらうよ』


『ケイくん?』


真面目な彼を不思議そうに見つめるつぐみ。

そして彼は京里は覚悟をきめて、切り出した。


『つぐみ。 僕は君を一人の女の子として好きだ。 だから、僕を一人の男として見てほしいのと僕と恋人として付き合ってほしい』


『・・・・・???』


一瞬思考が追い付かず混乱しているつぐみだが、しだいに京里のいってることを理解し、顔がほてってきていた。

そこでやっと気づいたのだろう、彼の言葉の意味を。


『け、ケイくん。 あ、あたしなんかじゃ釣り合わないよ』


『それはつぐみが自信ないだけで、僕の告白を断る理由にはならないよ』


おろおろしているつぐみを見て話す京里。

彼の意思はとてつもなくかたいようであった。


『あたし、そんなにいいこじゃないよ? わがままだし』


『つぐみはわがままじゃないよ』


手を握りしめて話すつぐみをまっすぐ見つめる京里。

素直に彼の告白を受け取りたい自分と受け取れない自分がせめぎあっていたつぐみ。


『わがままだよ。 すごくわがままだよ』


と、つぐみが言った瞬間に時計が鳴り響き、夢から現実に戻ってきた。

つぐみの瞼がひらくと、笑顔の京里がいた。

その笑顔はとても優しいあたたかなものだった。


「おはよう、つぐみ」


「おはよう、ケイくん」


笑顔で言う京里に寝ぼけた様子で挨拶をかえすつぐみ。

そして、名残惜し気に布団から出てパジャマに手をかけてから、ふと我にかえり。

冷気にさらされたことで意識が覚醒し、なぜここに京里がいることに疑問を持ったのだ。


「な、ななななななんでケイくんがあたしの部屋にいるのおぉぉぉぉ!!?」


と、大きな声を朝からだしてしまった。


「つぐみの寝顔かわいかったよ♪」


「ふみゅう////!?」


が、それを気にしない様子でつぐみに追い打ちをかける京里。

爆弾発言につぐみの顔がみるみるうちに赤くなっていく。


「今日も朝ご飯の審査、お願いするね」


そう言いながらにこにこ笑顔でつぐみの部屋を出て行く京里。

扉がしまる音で我にかえり、猫パジャマから制服に着替え始めるのであった。

髪を櫛でキレイにといてサイドを団子のツーテールにして、準備完了。

ふと、写真たてに視線をうつし、指でなぞると小さく「お母さん・・・」と寂しそうにつぶやいた。

そして頬をぱちん、とたたいて意識を切りかえるのだが、痛かったのか涙目になりつつも、部屋を出て行くのであった。

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