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みなもと秀久

赤いマフラーをなびかせて先を歩くひとりの少年――上狼秀久。

そんな彼に手を引かれて嬉しそうに歩く気弱でお人好しな少女――涼宮みなも。

寒波がくるんじゃないかというくらいの寒さの中を二人は歩いている。

二人はきちんとコートを制服の上から着ており、マフラーも装備している。

白い息が空中で消えていく。


「ひ、ヒーくんじゃなくて秀久しゃん」

「ん? どうしたんだ?って、また噛んでるし」


みなもがぎゅっと手を握って声をかけると振り返る秀久。

その顔は不思議そうにしているのがわかるが。


「あ、あぅ///……ま、まだ慣れなくて」

「まあ、突然だしな」


そしてふとした違和感に苦笑する秀久に見惚れつつも頭をたれるみなも。

まあ、彼氏を呼び捨てするにはなかなか上手くいくものではないのかもしれないが。

それでも呼んでほしいのは進展したい為かもしれない。


「はぁ、呼べるように慣れてくれよ? それで、どうかしたのか?」

「あ、う、うん! あ、あのね……行きたい場所……あるの」


真剣に悩んでひそかに部屋で練習していることはくらいは秀久もわかっている。

まあ、タイミング悪い時に突入したのが原因かもしれないが。

そんなおとなしい彼女がねだりもしない彼女が顔をあげて秀久を見つめて告げる。


「そ、そうか! それはどこなんだ?」

「え、えっとね……この冬できたっていうお店なんだけど」


通行の邪魔になるので秀久は手を繋いだまま歩く。

本当は手袋なしでつなぎたいけどそこまでは迷惑ではと思いやめている。

みなもは手を引かれながら手を握り返して話はじめる。

実はこれあるひとからの入れ知恵だったりする。

もともとおねだりするのがみなもは得意ではないので一緒にいられる方が幸せな子である。

でも、相手の気持ちや考えも尊重したいところもある。

今回はおねだりしているカップルがいて、少しくらいならいいかなと思ったことが始まりだ。

まあ、どんなおねだりすればいいのかおねだりしたことがないので聞きまわってしまうことにはなったが。

それでも、秀久の嬉しそうな顔を見れてみなもは幸せな気分になっている。


「へ~、どんな店なんだ?」

「喫茶店でクレドっていうらしいよ! そこのスイーツが大人気なんだって!」


秀久がみなもの笑みに意識が向かいながらも尋ねるとみなもは笑顔で告げる。

もともとみなもも女の子だスイーツは好きな傾向であるが特に秀久の作るスイーツはもっと好きらしい。


「スイーツが、それは行ってみなないといけないな!」

「うん、だから……そこに行こう♪(え、えっと……こうしたらいいんだっけ?)」


秀久の笑顔を見てぎこちないが腕を絡ませるみなも。

恋人同士ならこれはあたりまえだとあるつてから聞いているためにみなもはそうしている。

まあ、とうの本人は密着するみなもの柔らかさと良い匂いに頭がくらくらしているのはいうまでもない。

必死に理性を言い聞かせていることはみなもはしらないだろう。


「お、おっし! 行くぞ!(た、耐えるんだ俺!)」

「う、うん!(あ、あれ? なんか変?)」


腕を組んだまま歩き出す二人を偶然みた通行人達はリア充めとぼやいていたそうな。

まあ、そのくらい二人の空間にはハートマークが浮かんでいたのかもしれない。

腕を組みながら秀久の様子を見るみなもは伝えられた情報と違うことに困惑し、秀久はというと耐えていた。


「うおわっ!」

「きゃ!?」


地面が凍っていたのかそれとも秀久の不憫が発動したのか秀久がすべり、それに巻き込まれるようになるが、それでもみなもは怪我させないように抱き込んで自分だけでダメージをうける。


「いたた、大丈夫か? みな・・・も?」

「ひゃん! あ、あの秀久しゃん/// そ、そこは優しく」


訪ねて腕を動かしたところふくよかな部分に手があたり、わしづかみでみなもが反応して恥ずかしそうに見つめるみなも。

なんともテンプレな事件である。

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