もう少し話すことあると思うけど、ジム(ロボじゃない)のことしか話していない
仕事仲間に阿蘇マラソンに出ないかと誘われた。なんと道程50キロ。「登山なら良いんですが」と断ろうとしたが強く誘ってくる。修三は言った。
「うーん、出るのは良いですよ。でも、頑張って走りますけど、リタイアするかもしれんですよ。そんな50キロも走ったことが無いんで。リタイアしても良いなら出ましょう」
登山なら3日で60キロ歩いたこともあるが、1日で50キロはどうだろう。
とりあえず休日、ジムのルームランナーで走ってみた。もともと会員だったが、今までは泳いだり筋トレするのが多かった。2キロで疲れてやめた。登るのと走るのは違う。
その後は体操をすることにした。ルームランナーの列の後ろに専用広場があり、修三はそこに一人用のマットを敷いた。腰や肩の曲げ伸ばしをした後、寝転がってふと横を見上げると、ルームランナーで走るお姉さんの悩ましい尻が躍動していた。簡単に言うと、寝転がってお姉さんの尻を見上げる男の情景が、完成した。
修三はとりあえず目をそらした。
それからそそくさとマットを片付け、その場を去る。去り際に周囲の様子を確認して、ほっと一息。いや誰か気付いたかもしれない、気を抜くな。ジムにあった擬似ゴルフゲームでモヤモヤ気分をボールにぶつける。ドライバーを思い切り振る。うおりゃあ!空振り。初めてやったが30分後には170ヤード飛ばせるようになった。漫画では300ヤード飛ばす奴もいるが、もうちょっと頑張ればいけるかもしれない。しかし自分のスイングのリプレイ画像を見て考え直す。格好悪い。
さらに翌月曜日、珍しく会社が早く終わったので博多駅上の大型書店にライトノベルのチェックに行く。本棚をチェックしているとオタクな高校生たちの会話が耳に入る。
「ゲ〇トも、ロウ〇イさえ見とけば良いな」
修三はニヤリとした。ノリノリで話している高校生の他愛無い会話は面白い。あまり共感はできないが面白い。良いネタ集めになるな。
地下鉄に乗って外に出て、そこで修三は陽介のスマホを鳴らした。
修三「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ(何故か息が荒い)」
陽介「あっはっはっはっは、カスが!ぺっ!」
「やあ、何してるんだい」
「少し前に帰ってきてゴロゴロしているよ」
「アニメ見ながら?」
「晩飯作っているところだよ」
「そうかところで、昨日ジムに行ってたんだけど」
「うん?」
「マット引いて体操とかしてたら、横の大きなルームランナーで走るお姉さんがいたんだけど。寝転がったまま何気なく見上げたらすごい間近にお姉さんの悩ましいヒップが躍動していたんだよ」
「はっは、痴漢だね♪」
「いや、本当に他意は無かったんだよ、本当に」
「それで?」
「いやそれだけだよ」
「なんだ追い出されたのかと思ったよ」
「んなことはされないよ、まあふとしたことが誤解を招くかもってことさ。気をつけようぜ」
「特に君はね」
「カス野郎が」
「はっはっは、今日は早いね。行く(スロットに)?」
「君が行くなら、考えてもいいかな」
「行くよ!行く!」
「嘘だな」
「たーい♪(イク〇ちゃん)」
「むきー!カス野郎が!」
「あっはっはっはっはっは」
「ふう、じゃあジョギング行くの?」
「うーん寒いからいいよ」
「そういや今体重幾らくらいなの?」
「、78くらいだな」
「ふう、もうそれは手遅れだな」
「大丈夫、まだまだいけるよ♪」
「元気だなー、何かいいことでもあったのかな?(ゴミいちゃん)」
「普通だよ!カスが!」
「にゃっはっはっは、ところで今俺忘れ物に気が付いた。会社に戻らんといかん。エヴ〇のマリのイラスト付きの小物入れを机の上に忘れてしまった」
「別に明日でいいんじゃないの」
「駄目だよ、何があっても回収しなければいかん」
今死ぬとしたら、同じ理由でパソコンだけは処分しておかなければならない。
「気にしない気にしない♪ひとやすみひとやすみ♪打ちに行こうぜえ」
「はあ、昨日負けたからもういいよ」
「あんたまだ金あるんでしょ!だったらしっかり打って(スロットを)、それから下ろしなさい!(ミサトさん)」
「あっはっはっはっは、カスが!」