無題詩22
この封筒の中に君の死が入っている。
君の死亡通知書。
戦禍でバラバラになって、
骨すら戻ってこない。
爆弾で吹き飛んで、
脳の欠片も帰ってこない。
君は本当に死んだのか?
君は本当に死んだのだ。
こんな紙切れだけじゃ、
悲しむことすらできないじゃないか!
墓参りすることすらできないじゃないか!
もう君の笑顔を見ることはできない。
もう君の声を聴くことができない。
誰のせいで?
原因は何だ?
理由は何だ?
君は「死亡」の二文字になってしまったのだ。
私は……。私は……。
私は呪詛しよう。
私は気を違えよう。
私は決して国を許さないだろう。
君をこんな目にあわせた下らぬこの国を許さない。
怒りで体が震える……。
怒りで心が震える……。
怒りで声が震える……。
「絶対に許さない……破壊してやる」
気がつくと頬に何かが流れていた――。