双子の旅
星座イラスト企画での
コロン様のイラストにインスパイアされて書きました。
いつからなのか二人にはもう思い出せませんが、
双子はずっと二人で暮らしていました。
面倒を見てくれるヌイグルミたちも入れれば四人ですが。
ヌイグルミたちは双子のために何でもしてくれます。
双子の家が散らからないように掃除を、
双子がいつも綺麗に過ごせるように洗濯を、
双子がひもじい思いをしないように炊事を、
淋しい時にはにぎやかな歌を、
眠れない時にはおとぎ話を、
退屈な時には地面に絵を描いてくれます。
いつからこうしていたのか二人にはもう思い出せません。
いつまでこうしているのか二人にはわかりません。
ある日の事です。
双子の一人が、
もう一人の瞳の中に知らない星座が映っているのを見つけました。
もう一人の双子も、
自分を見つめる瞳の中に知らない星座が映っているのを見つけました。
双子はいつも同じ環境の中で、
同じ星座を見ながら生きて来ました。
違う星座を見に行こう。
好奇心に背中を押された双子は同時に言いました。
背中を向けあって別の星座へと歩き出した双子は、
それぞれ振り向こうとして、
結局止めました。
どれほど離れても、
これまでずっと一緒だった事が無くなるわけではありません。
もう逢えなくなるのだとしても、
これまでずっと一緒だった事が無くなるわけではないのです。
きっと、
思い立った今旅を始めなければ、
二度と旅立てない、
そんな気がしました。
拡がる距離の中で、
ヌイグルミを抱えた双子は、
異なる景色を自分の知っている言葉に置き換えて記憶に刻みながら、
隣にいない片翼を想い、
明日は涙よりも鮮やかに輝くと信じて
前に進みます。
長い長い年月の果て、
成長を経て再会した双子は、
相変わらずヌイグルミが用意したお茶とお菓子を楽しみながら、
お互い自分しか知らない体験を話して笑顔を咲かせました。
いくつもの笑顔は輝いて星になり、
繋がって新たな星座になりました。




