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突然の大雨からの予想外

掲載日:2025/10/06

 灰色の空が今日ほど憎いと思った日はない、土砂降りの雨の中を俺は、家路に向かって駆け出していた。


 「最悪だよ! 天気予報で雨が降るなんて言ってなかったのに」


 そう愚痴をこぼしながら、家の鍵を開けて中に入る。 全身ずぶ濡れになってしまったことに、ため息が出る。 幸い寒気を感じるほどではなかったが。


 

 シャワーを浴びて、着替えた俺は自分の部屋でマンガを読んでいた。 そのとき玄関から騒がしい声が聞こえて来た。


 「最悪よ! 天気予報で雨が降るなんて言ってなかったのに」

 「本当にいいの、かよちゃん? 雨宿りさせてもらって」

 「全然問題ない英ちゃん。 ほら一緒にシャワー浴びよ」

 「ありがとう、助かります」


 この声は妹の香世と村上英子さんだな、二人も傘を用意してなくて土砂降りにあった様だな。 まあ俺には関係ないことだとマンガに集中していると、突然部屋のドアが開かれた。


 「おい、服貸せ」

 「なんだよ、突然入ってきて唐突に」

 「英ちゃんの着替えがないの」

 「着替えってお前の服を⋯⋯」

 「ねえ!なんか言った?」

 「いえ⋯⋯なんでもないです、すぐに用意させていただきます」

 「まったく、もう⋯⋯早くしてよね」


 妹は年齢に対して小柄だ、母もそうだからきっと遺伝なんだろう⋯⋯俺は妹に服を渡す。 妹はすぐに部屋から去っていった。 騒がし妹だまったく。


 するとすぐに、今度はドアをノックする音が聞こえて来た。 


 「どうかしましたか?」

 「あの、すみません、服をお借りしたお礼を言いたくて⋯⋯中に入ってもよろしいでしょうか」

 「えぇ構いませんよ、どうぞ」

 「ありがとうございます、では失礼します」


 村上さんが部屋の中に入ってきた、俺は彼女に挨拶をする。

 

 「どうも、こんにちは村上さん。 まったく、ついてないですね、通り雨に降られるなんて。 ところで、服は問題ありませんでしたか?」

 「はい、サイズぴったりです。 吉田さん、ありがとうございます」


 俺は村上さんを見る。 見られることに慣れていないのか、少し恥ずかしいそうだ⋯⋯村上さんが妹ならよかったのに⋯⋯


 「おい、何考えた」

 「え、居たの? 村上さんが妹ならよかったのにって考えてた」

 「ほう、奇遇だね、私も村上さんがお姉さんだったらよかったと思っていた所よ」

 「二人とも仲がいいんですね」

 『どこが』

 「息ぴったりですね」

 

 どこか嬉そうな村上さん、勘違いしないで欲しいものだが。


 「改めて、吉田さん、ありがとうございました」

 「私と英ちゃんの仲なら当然よ」

 「おい、今のは俺に対しての礼だろ」

 「そうなの英ちゃん!」

 「いえ、そんなことありません。 かよちゃんにも感謝してます。

 「そう、まったく紛らしいわよね。 こいつのことは、お前とか、おいで十分だからね」

 「なんだよ、俺には修也って名前があるんだよ」

 「えっとでは⋯⋯修也さん、ありがとうございます」

 

 そう笑顔で言う彼女に胸がドキドキした⋯⋯おい香世さっきから俺の脛を蹴るな、痛いから。



 その後、すぐに雨が止み、村上さんは帰って行った。 帰り際も俺に笑顔を見せてくれて、俺はとても嬉しかった。

 次の日、今日は休日なので、俺は部屋でまたマンガを読んでいると、インターホンが鳴る音がした。 今は家には俺しか居ない⋯⋯俺は玄関に向かった。 するとそこには、学生服姿の村上さんがいた。


 「すみません、部活の帰りのついでに、昨日の服を返しに来ました」

 「そうだったんですか。 後日、香世に渡していただければ、よかったのですが」

 「いえ、そんなことかよちゃんに悪いから⋯⋯それに修也さんに直接渡したかったから」


 彼女は紙袋を差し出す、その中にきっと渡した服が入っているのだが⋯⋯


 「あの、村上さん。 手を離していただけますか、もう既に掴んでいますので」

 「あ、すみません、惜しくて」

 「どうかしましたか」

 「あの、私、普段あんな格好しないので、いいなって思いまして」

 

 どうやら村上さんは普段スカートしか履いていないらしく、パンツスタイルは体操服だけらしい。


 「別にいいよ、俺ので気に入ったならあげるよ」

 「え!いいんですか⋯⋯でも修也さんに悪いです」

 「そんなことないから、なんなら他にもたくさんあるから好きなの持って帰って」

 「ありがとうございます、よろしくお願いします」


 そう言って俺は彼女を部屋へ招いた、服の場所を伝えて、俺は部屋を出る。 どのくらい経っただろうか。 村上さんが降りて来た。 彼女は昨日渡した服に着替えていた。

 

 「では、すみません、昨日貸していただいた服と、それからこちらを持って帰ってもよろしいですか」

 「いいよ、気にしないでね」

 「ありがとうございます、では失礼いたします」

 「おお、じゃあな」

 

 俺は部屋に戻り布団に寝込んだ⋯⋯彼女のことが頭から離れないこの悶々とした気分は香世がドアを蹴破ってくるまで続いた。


 

 

 部屋の中の布団に私は寝転がっていた、大胆過ぎたかな、無茶苦茶だったかな、バレてないかな⋯⋯実は部活ははなかったし、更に言うと昨日は、傘を持って登校していた。 なのにずぶ濡れになった理由。 それは⋯⋯

 

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