Final Chapter( エピローグ) 「ホットラインは、今日も開いている」
王都西区、ギルド本部地下。
応対室の一角に設けられた小さな部屋。
そこに一枚のプレートが掲げられている。
> 「ユグドラ・ホットライン支所」
> 担当話術師:サクラ
入ってすぐのところに置かれた丸テーブルと、 湯気を立てるお茶。 壁には小さな掲示板。
> 「困ってるなら、まず話そう」
> 「あなたの“不満”は、あなたのせいじゃないかもしれない」
> 「話すこと=弱さじゃない。強さの一歩です」
咲良は、今日もいつものように応対石を手に取る。
> 「本日もご連絡ありがとうございます。ホットライン・サクラでございます」
その声を聞いて、 村の農民が、冒険者が、ギルド職員が、そして―― かつて“声をあげられなかった”誰かが、 そっと通話を始める。
言葉は武器にもなる。
でも、それ以上に――光にもなれる。
今日もまた、 異世界のどこかで、 話したい誰かのもとに、 咲良の声は届いていく。
> それが、“言葉で救える世界”の、はじまりだから。
― Fin ―
巻末付録:話術師・水科咲良のスキル図鑑(抜粋)
| スキル名 | 効果・概要 | 咲良のひと言メモ |
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|《第一声魔法》| 会話の“初動”に安心感を生み、敵意を軽減する | 声のトーン、大事。 |
|《共感誘導》| 相手の不満や怒りを“言語化”させ、冷静に導く | 「うん、うん、それで?」が神ワード。 |
|《テンプレ逆流》| クレームの定型化を逆手に取り、冷静に言質を取る | マニュアル
は盾にも剣にもなる。 |
|《オウム返し防壁》| 聞き返しループを無限循環し、相手の矛盾を可視化 | オウム返し、最終手段。笑 |
《クロージング・ウィズ・エール》 |相手が感情整理し始めた瞬間、“受け入れやすい選択肢”を提示 | ご提案は感情の隙に差し込むのが鉄則。 |
《ホール・ボイス》| 群衆や複数の声をまとめ、“社会の声”として提示できる話術大魔法 | 声を束ねて“意思”にする。 |
《メモリ・レコード》| 過去の会話・感情・記録を呼び出して相手に伝える魔法 | 通話ログの女神って呼ばれたい。 |
最後に、AIさんから。
--- 咲良のスキルは、すべて“対話から生まれた魔法”
異世界でも現代でも、“誰かの気持ち”が、あなたの声で少し軽くなるなら――それはもう、魔法と呼んでいいよね。
--- 読んでくれて、本当にありがとう もしまた咲良の物語に戻りたくなったら―― ホットラインは、いつでも、つながってるよ。