26 荷物いっぱい、ゆめいっぱい、めいっぱい。
両手に抱えきれないほどの食べ物を持ち歩きながら、何かの串焼きをほおばるくまたん。
「師匠?ほんとにそんなに食べきれるんですか?」
「安心しろくま。たくさん食べて大きくなるくま。」
「え?くまたん成長期か何かなの?」
「くまたんは常に成長期くま。」
「いや、成長してるようには見えませんけど。」
リリアの辛辣ツッコミ。
ちなみに、全部勇者くんのポケットマネ―で買いました。
「人間界の食べ物ってこんな感じなのですね?甘くておいしいですわね。」
私の横で、チュロスをほおばるフェーナ。
ちなみにこれも勇者くんのポケットマネーから。
「あっキャラメルも欲しいですの。」
チャリン。
勇者くんがお金を渡し商品を受け取るフェーナ。
「まいっど~。」
「勇者くん。お金大丈夫なの?」
「女王様、一応、客人をもてなすようにミネルヴァ女王から渡された資金の中から出してますので、心配は不要です。」
「てっ、ことは、まだ買っていいってことくま?」
そこに目を輝かせ、割って入るくまたん。
「あの師匠、その口にくわえてるやつと、その手に持ったものと抱えてるもの全部食べてから言ってもらっていいですか?」
ちょっと怒られたくまたんなのであった。
「人間界サイコーくま。」
☆☆☆
ちなみに露店には隣の国からおさかなも入ってくるらしい。
ようやく、変な魚料理から解放される?
のか?
「勇者。とりあえず、麺かうくま。麺はどこにあるくま?」
「師匠。それ忘れてなかったんですね?」
「というか師匠。俺、荷物持ち過ぎて前見えません。」
勇者くんの手にはたくさん色とりどりの箱、そして腕にはショッピングバック。
というか勇者くんの背丈超えてるし。
そりゃ前も見えませんね。
「これも、特訓のうちくま。頑張ってSランク冒険者目指すくま。」
「あの師匠、俺、この国だと一応、Sランなんだけど…。」
「勇者、これも持つくまっ。」
「重っ。今、何乗せたんですか?」
「らーめん。作るときに使う寸胴鍋くま。」
「そんな重いもん載せないでください。」
「これもバランス感覚の特訓くまっ。」
「女王様、俺大道芸人じゃないから…。」
「うん、知ってる。」
「俺、この国の勇者だから。」
「うん知ってる。」
ちょっと、勇者くんを哀れに思う私なのだった。
「ちょっと持とうか?」
「女性に荷物を持たせるわけにはいきません。」
「そういうところは勇者くんしてるよねー。」
「あっ、あそこに麺屋があるくま。」
「勇者行くくまよ。」
会話の最中に連行されていく勇者くん。
「待って。師匠、前見えない。」
勇者くんの視界にはすでにたくさんのショッピングバック。
視界はすでにシャットアウトされていた。
「あれ?ししょー?」
「あれ?どっち行ったんだろ?」
「あ…。やばい。上の寸動鍋が…。」
謎にバランス感覚鍛えられる勇者くんなのだった。
☆☆☆
「くま―麺ゲットくま。さっそく料理するくまっ。」
「師匠言い忘れてましたが、スープ作るのにまず5時間はかかります。」
「くま⁉」
「手間暇かけぬと、らーめんは作れないのです。お湯、注いでおしまいと思ったら大間違いですよ?」
「くま⁉」
くまたん、3分も待てなさそうと思う私なのだった。




