25 人間界へようこそ。え?くまはつまみ食いするからつまみだせ?
洞窟を抜けた先に広がる景色。
「おお、ここが…。」
人・間・界。
なんか建物はすごくヨーロッパ調。
上から見ても、いろんな色の建物が軒を連ねている。
勇者くんの話によれば、この国は海のない内陸国らしいけど…。
ってことはその周りにもきっと国があるってことなんだろーな。
ここからは見えないみたいだけどね。
そんなことを考えながら、街へとつながる階段を下りていく私たち一行。
「あんまり使われていない道みたいで、ところどころ壊れてるんで…。気を付けてください。」
「そりゃ、あんな獰猛な生物いるとこ通らないよね?ふつーは。」
「でもハチミツはさいこーだったくまっ。」
「あのくまちゃん。もうそろそろこの瓶、何とかしてほしいんだけど。ここ階段だし、滑るし、めっちゃ重いし。」
「あ…。完全にわすれてたくまっ。」
いそいそと、瓶を回収し、マジックバックの中へと入れていくくまたんなのだった。
☆☆☆
町には色とりどりの露店が並び、活気がある様子。
前に見たドラゴニアの露店より人間寄りの食べ物がたくさん売っている。
ドラゴンのしっぽ焼などはもちろん論外である。
謎肉ももちろん売っていない。
これは、久しぶりに食べ歩き、してもいいかもしれない。
「いい匂いがするくまね?」
そのへんの露店にさっそく引き寄せられていく…いや、吸い込まれていく、くまたん、いやくまごろう。
まっ、くまたんが引き寄せられないわけないよね。
こんだけ、美味しいものが大渋滞起こしてるんだから…。
「見たことない料理がいっぱいくま。」
屋台の、串を食い入るように見つめるくまたん。
「これなにくま?」
「トルコアイスです。」
「ん?」
「試食くれるくま?」
くまたんのもとに現れたかと思えば、変な棒にひっついて回収されるトルコアイス。
「なんだ結局くれないタイプのやつくまか。」
「師匠、そんなに珍しいもんでもないですよ?」
「そうくまか?」
「この辺ではだいたいどこの国もこんな感じですよ。」
「なるほどくま。」
うんうんと頷きながら、近くの露店へ侵入するくまたん。
「とりあえず試食くれくま。」
…つまみだしました。
うちのクマがすいません。




