20 こんにちは。はじめまして。失礼ですが、24時間コトコト煮込んで大丈夫そ?
「オークだ。気をつけろ。奴ら人型のモノを見るとラーメンの具にされると思って襲い掛かってくるぞ。」
勇者くんからの忠告。
なるほど、やはりオークはこの世界でも忌み嫌われる存在なのか。
それにしても、ラーメンの具とは?
こいつ食えるの?
食材なの?
豚だから…。
まあ、そうかもだけど…。
よくファンタジーで見るアイツからは想像もつかないけれど。
というか想像もしたくないけど。
ラーメンの具ってことはそう言うことだよね?
「まさかそれってチャーシューってこと?」
「ああ、異世界から勇者が持ち込んだ食文化で、とある有名店のチャーシューに使われたことで、火が付いたんだ。一時乱獲され、数を減らしたのだが、今では魔物でも人間でも、とにかく二足歩行のモノたちを見ると、襲われ、皮をむかれ、24時間コトコト煮込まれるという恐怖から獰猛性が増しているのだ。」
それ、半分くらい人間が悪いのでは。
「最近は人間領で数が増えすぎて討伐依頼も多くなっているという現状がある。だから民のため。我ら勇者パーティが定期的に討伐してるってわけさ。」
「ちなみにその骨からはとてもいいスープが取れる。つまりは食材げっちゅということだ。」
キリッ。
いや、決め顔でそんなこと言わんといて。
「くまぁ~。」
クマゴロウさんヨダレ垂れてますよ。
「ちなみに、噂によれば豚よりうまいとか。」
「くくっまぁ~。」
クマゴロウさん皿にヨダレがだれってますよ。
あと、ナイフとフォークは閉まってください。
というかどこから出した?
「奴らは群れで行動する。警戒してくれ。」
「勇者っ。ラーメンの具、獲得のため絶対仕留めるくまよ。」
クマゴロウさんヨダレ垂れまくってます。
たぶん、くまたんの中でオーク=ラーメンの具の方程式が完成した模様。
オークさん食材認定されてますよ?大丈夫そ?
「もちろんです、ししょー‼」
くまたんのその一言に意気揚々と返事をする勇者。
「今晩のおかずが一品増えましたね?」
キリッ。
「はああああっ。」
というわけでかっこいいのかよくわからない決め台詞を決め顔できめると、一人、オークに向かっていく勇者くん。
そして残りの私たちはというと…。
それ以外に草むらに潜むオークの警戒。
「なんか視線を感じる…。」
「二匹かそんぐらいはおるの?」
その辺の茂みを見ると赤い光がふたつ草むらからこちらを向いている。
「ここはくまたんに任せるくま。」
「え?くまちゃん?」
「ぶもぉおおおっ。」
草むらから飛び出し、吠えるオーク。
「くまままままああああああっ。捕食者の力、見せてやるくまー。」
それに負けじと吠え返すくまたん。
最も本物のクマはそんな鳴き方しないのだけれど。
そして戦いの末、クマゴロウの勝利。
「ふう。食材げっちゅくま。」
額の汗を華麗にぬぐうくまたん。
オークの毛皮×1
上質な豚肉×5
良質なチャーシュー×5
良質な豚ガラ×10
をきらっきらのおめめで持って帰って来たのでした。
良かったね。食材げっちゅできて。
「らーめん、さっそく作るくまっ。今こそ実力を見せるときくまっ。」
「ししょー。大変申し上げにくいんですが、その…麺がありません。」
「…くま?」
「麺がありません。」
「麺ってその辺の果物とかに入ってないくま?カレーライスみたいに。」
「え?そんなことあるんですか。ししょー?」
「本で読んだくま。」
「???」
それどこの漫画?
☆☆☆
「くまたん残念だけど、がまんだよ?」
「くまぁあっぁぁll。」




