8 悲報その2…くまたんの背中にジッパーみつかる
「あっ。」
それはくまたんがリリアと戦闘中に背中を向けたときのこと。
今なんか光んなかった?
「なんだろアレ?」
キラン☆
背中に光る銀色のナニカ。
丸い形で…。真ん中には穴。
あれは…ファスナーでは?
そして、今度は城の通路を一緒に歩いていたときのこと。
「まおーさま、次の魔界会議…。のことなんだけどくま。これもう名前変えちゃっていいくまよね。天界大会合、ゆるふわ大集合とかどうくま。」
キラン☆
やはり、背中に光る銀色のモノ。
やっぱり、これファスナーだ。
「まおーさま?聞いてるくま?」
ぜんぜんはいってこない。なんて?
「ゴメン聞いてなかった。」
「じゃあ、とりあえず、第二案のゆるふわ大集合にしてみるくま」
おいおい、まてまて、なんか最後すごいこといったよね?
というかゆるふわなのくまたんだけだよね?
そして…。
かぽーん。
舞台はかわり、ここは大浴場。
「あっ、天使様。こんなところで…。」
湯煙の向こうにリリアの姿。
「なかなかいいお湯ですよ?」
「ホントね。そうだ。リリアに聞いときたいんだけど…。」
「なんでしょう。天使様の仰せとあらば、かまいません。」
「くまたんがね…。」
「しろくまが…?」
「ごにょごにょごny…というわけなのよ。」
リリアに一通りの事情を説明する私。
自分で説明しててもわけわかめ。
「あー。確かに。それは気になりますね☆いろんな意味で☆」
なんだか、身を乗り出して目を輝かせているリリア。「ここは一つ、アイツにはじかかせてやりましょう。」とまで意気込んでいる。
いや、けんかはダメだぞ。けんかは…。
「でも。私。しろくまは大浴場では見た覚えはないですね…。もしかしたら。くまだし、川で水浴びでもしているのでしょうか。サケとかくわえて。」
頭の中でくまたんがサケをくわえる様子を思い浮かべる私。
「がおー。」くまたんが私の頭の中でサケをくわえながら吠える。あっくまたん。吠えて、サケ落とした。
「くまたん、サケ落とした、落とした。」
「がう?」
いや、やけにリアル。でもそれ、木彫りの方のやつだわ。
というか、サケいるんだ。
「あ…。それならこんなのはどうでしょう…。」
ごにょごにょごny…。私に作戦を耳打ちするリリア。
「ふむ。ふむ。それなら。」
☆☆☆
昨日の夜からだろうか。
妙に視線を感じることが増えた気がする。
視線を感じ、ぱっと、後ろをふりむく。
「気のせいくまか…。」
もういちど、視線を感じ、ぱっと、振り向く。
やっぱり誰もいない。
「気のせいくまか…。」
少し疲れているのかもしれないくまね。
☆☆☆
現在、くまたんの後方120m。
現在、くまたんは執務室に向けて移動中。
「ふむふむ?なるほど。」
双眼鏡に映るのはくまたんの背中。
城内に置かれた甲冑に隠れながら進む私たち。
ひょこっと甲冑の中から顔を出し、様子を観察。
ってあれ、今こっち向いてなかった?
「気のせいくまか…。」
再び、前を向いて歩きだすくまたん。キラン☆そして、かがやく銀色のファスナー。
「んむむ、しろくま、なかなかするどいですね。」
と、執務室を通り過ぎるくまたん。
「この先は?」
「獣人たちの住む区画ですね。」
☆☆☆
たどり着いたのはくまたんの私室。
ご丁寧にくまたんのへやと書かれた木札が垂れさがっている。
うん。間違いない。
というわけで、ばんっと扉を開け中に潜入。
中はログハウス風の見た目。物はあまり置いていないシンプルなお部屋。あるのはハンモックぐらい?くまたんはいなそうだね。奥の部屋かな?
と、奥からシャワーの音。
水色のカーテンの向こうに浮かぶシルエット。
リリアに指で合図を送る。
ちょっとぐらいならいいよね…。リリアとうんと、うなずき合う私。
せーの。
「3、2、1のえいっ。」
二人で、水色のカーテンの両端を思いっきり引っ張る私たち。
☆☆☆
「え?」
「え?」
「えーーーー。」
そこにいたのは金髪のシャワーを浴びる男の子だったのでした。
「????」




