9 泥んこお掃除大作戦。後始末は大変です。
で、この廊下どうしよう。
お風呂を嫌がり、走り続けたくまたんによって泥んこまみれにされた廊下。
お掃除ロボとか便利なものはないし。
浄化魔法をお掃除に使い始めたらそれはそれでなんかよくない気もするんだよね。
ということはお掃除あるのみ‼
腕をめくり。
白いバンダナを巻き、気合を入れる私。
なんだけど…。
お城の掃除用具ってどこにしまってあるんだろ?
この城の全貌、正直まだよくわかってないんだよね。
違法建築ダンジョンまであるわけだし。
知らない空間があったところで何の不思議でもない。
「ここ?」
「ここ?」
「ここかな?」
なんかソレっぽいところはとりあえず全部開けたんだけど。
階段下とか…。
トイレ横とか。
浴場とか。
雑巾とかデッキブラシとか箒はあるんだけど。
なぜかモップのかかっていそうなところには…。
「ん?槍しか置いてないんですけど…。」
なぜか、槍が置いてあるのだった。
いや、見た目こそ似てるけど…。
棒の先端についてるものが違うんだよ。
それじゃ掃除できないし。
ガムとか剝がすのにはいいかもしれないけど。
でも、なんで掃除用具、置いてあるところに槍が?
置き場所がない…いや、そんなわけない。
だってこの城めちゃ広いし。私の知らない空間だってあるわけだし。
てっことは…。
考えられるのは。
元々あったけど、なくなった可能性。
あれ?まさかの私の浄化魔法がここまで?
そんなわけないよね?
だってあの竜王の城からこんなにはなれてるんだから…。
でも、この国丸ごと、浄化する威力なんだよね…。
それに確か…。
ステータス画面を開く私。
だんしゃーりー☆ピュフリケーション マキシマリスト
だんしゃーりー☆ピュフリケーションの応用型。要らないものは断捨離、空いたスペースに必要なものをお取り寄せ。これにはお片付けできない系魔女もびっくり。
え?この魔法効果範囲はいったいどこまで?
あんまりよく考えてなかったけど。
たぶんというか間違いなく、これが原因だよね?
でも、フェーナんちまで行ってまた取り戻してくるのもめんどくさい。
まあ、掃除するなら雑巾でもいいけど…。
この汚れチラシっぷりは手伝ってくれそうなリリアとラウネとケロくんでたぶん数日かかる。
ソレかうちの城の玄関、玄関マットでも置く?
土足禁止じゃないわけだし。
靴はいてない着ぐるみもいるわけだし。
でも西洋風の大理石の階段の上にそんなの乗ってたらわけワカメだよね?
想像したらめっちゃ合わない。
雑巾で掃除するのも大変だし。
これはモップを買いに行くしかなさそう。だけど…。
近くのお店は…。
っていうかそもそも、売ってるのかな?
とりあえず、防具屋に来てみたけど…。
あのここ、店内、着ぐるみだらけなんだけど。
もしかして流行ってる?
「モップかい?女王様。うちは置いてないな。うちは防具の大半を置くのをやめて…。きぐるみとりあ…。」
「ここのお店もないし。」
「こっちの店にもない。」
いや、そもそも店に売ってるのだろうか?
ホームセンター的なのそもそもないわけだし。
「モップですか?ああ、確かに売ってないかもしれません。もともとあったモップもこの国が魔物の領地になる前の王国時代に作られたもののはずですから。ここから一番近い国となるとあの勇者たちのいる王国ですね。」
リリアに相談するとそんな答えが返ってきた。
コツコツ、そんなとき、窓辺をたたく一匹のハト。
「なんだろ。」
窓を開けると口に手紙を咥えた一匹の白い鳩。
拝啓
聖アルデバラン王国 女王様
此度の魔王軍との戦争への助太刀、大変感謝しております。
勇者たちは魔王城への道中すばらしきあなたたちの白く美しい王国を見つけたのです。しかし、王国の近くにこのような国があろうとは…。思いもしませんでした。
長くなってしまいましたが、あなた方勇気ある女王様と騎士たちを称え、祝賀会を開くことにいたしました。日程は明後日の太陽がちょうど真上に来る頃。
追伸:道のりが分からぬと思いまして、すでに使いのモノをそちらに向かわせております。
アストリア王国女王ミネルヴァ
使いのモノ?
まさかこのハトがというわけではないでしょうし。
なんか嫌な予感しかしないのだけど。
コンコン。
部屋の扉を叩く音。
「入って。」
誰かと思えばフリンだった。
差し入れか何かかな?
「失礼します。厨房裏のごみ箱で頭にワカメをのせた勇者様を見つけました。」
「?????」
「どうします?洗濯機の中にでも放り込みますか?」
「それは死んでしまうからやめて差し上げて。」




