8 その夜事件は起きた。りゅうのしっぽ盗難事件簿。凶器はまだ見つかりません。
「天使様、これが事故現場です。荒らされた形式はなく、部屋もいたって普通。しかし…。」
被害者は私の弟子のフェーナ。
ゲストルームの一部を今はフェーナ用の自室にしてるのだけどまさしく、事件はそこで起きた。
「姉さま。フェーナのしっぽがない。」
朝早くに入った連絡。
事件は密室の中で起きた。
「フェーナ何か気づいたことはない?」
「朝起きたら…私のしっぽがなくなっていて…それで…。」
「あと、朝起きたらくまちゃんがいなくなってて…?」
「くまたん?」
「窓は施錠。当時この部屋にはフェーナちゃんとその抱き枕に任命されたくまたんがいた…鍵は中からかけるタイプ。事件前夜は鍵をかけて就寝…。現在シロクマの姿は見当たらない。」
探偵よろしく、どこからか取り出したメモ帳にそれを書き留めるリリア。
「つまりこれは密室殺人事件…。」
「いや、フェーナ死んでないけど。」
「我、人間じゃないけど…。」
そのツッコミを聞かずか、受け流しか、そのまま、話し続けるリリア。
「そして…。」
「犯人はこの中にいる?」
私たちの方にびしっと指さして言うリリア。
「いや、語尾、めっちゃ疑問形。」
「犯人はこの城の中にいる‼」
再び私たちの方にびしっと指さして言うリリア。
「いや、めっちゃ範囲広がったね。」
☆☆☆
「でも、ここは本当に密室だったの?だってもし、中に最初から犯人がいれば、扉開けられるわけだよね。例えばそう、2人が入って来た時にすでに扉の後ろに黒づくめの犯人が潜んでいたりとか。」
「あるいは部屋の中に最初から犯人がいたか…。ですね?」
リリアの発言にこくりと頷く私。
だってそうだもん。
「とりあえず、被害者のフェーナさんを除くとすると残りは当時抱き枕に任命されていたしろくまのみ…。これは聞き取り調査を行う必要がありそうですね。」
くまたんの行方は分からずじまい。
というわけでまずはくまたんと一番仲よさそうなケロくんから聞き取り。
「昨日の夜?」
「昨日の夜なら。早々に寝てしまいましたけど…。」
「それを証明するものは?」
「一人だったので証明はできませんね。」
「ふむふむ。アリバイはなしと…。最後、しろくまの行方についてはなにか心当たりは?」
「え?くまたん。ですか。見てないですね…。」
次はラウネ。
意外とアルラウネ時代にケロくんを間違えて食べちゃったり侮れないのだ。
ドラゴンも寝ぼけて食べちゃう可能性も。
「え?昨日の夜ネ?」
「昨日は特に何もしてないネ。ぼっ―と自分の部屋で月見てたネ。」
「え?ラウネ寝ないの?」
「いつもボーっと立ったまま寝るネ。」
???イルカか何かなの?
「え?くまたんネ?それなら城のキッチンで何か作ってるところを見たネ?」
「キッチン行ってみる価値はありそうですね…。」
「え?くまたんさんですか?ああそれなら厨房でオーブンを貸してくれと言われました。なんでも、隣の国で食べた美味な味が忘れられずとのことで。調味料も貸してくれと。あと完成するまで決してこの扉を開けてはならないと…。」
え?なにツルの恩返しか何か?なの?
でもこれで決まった。状況証拠にラウネとフリンの証言。
後は現場を押さえるだけ…。
「これは最悪の状況も考えられるかもしれません。」
「まさか食べちゃったりしてないよね?くまたん。」
「いざ、戦いへ。」
厨房の扉をぶち明け。
中へと入ると。
「じょうずにできたくまー。」
そこには何かの丸焼きを手に持ち掲げたくまたんの姿が。
どことなくそれはドラゴニアで見たソレにそっくりであった。
「しろくま大変残念ですが、現行犯逮捕します。」
カチャッと手錠を閉めるリリア。
「一週間断食の刑とします。」
「くまっ⁈」
「くまたんそのしっぽ焼は没収ね。」
「くまっ⁉」
「くまっ‼」
☆☆☆
「我のしっぽこう見えて再生するんです。姉さまそのしっぽを傷跡にくっつけてくださいまし。」
「こうかな?」
「もうちょい右です。」
「このへん?」
「なんか若干こんがりしてるような気がしますが…気のせいですかね?」
焼かれてたなんてとても言えない…。
完全な再生には一週間ぐらいかかるみたいです。
☆☆☆
「もうしないくま。」
「断食きついくま。」
「ハチミツ食べたいくま。出してくれくま?」
くまたん反省中?
☆お知らせ☆
第二章
45 隣の国の最強ドラゴンさんが、いつのまにか、私物を車に詰め込んで、ついてくる気満々なんですけど、どうしたものでしょうか。
を改稿しました。
改稿内容は以下の通りです。
2025/10/26改稿しました。前半の竜王とのリリィとのやり取り、全体的に文章量をましましにしました。




