3 絶体絶命の大ピンチ。着ぐるみ強制洗濯。くまたん。お風呂の時間です。
というわけで、くまたん、お風呂の時間です。
「いやくま。入らないくま。」
この機に及んでいやいや首を振るくまたん。
「くまちゃん、お風呂入らないとくちゃいよ。」
「いやくまー。」
「くちゃいからお風呂ね。」
フェーナにじたばたしながら引きずられていくくまたん。
「足取れるくま―。」
「はいはい、ぬいぐるみだから大丈夫でしょ。取れたら縫ってあげるからねー。」
「床引きずると、汚れが付くくまー。」
「もう汚れてるから一緒でしょ。」
必死の抗議の声も全てフェーナに軽くあしらわれ、片足を引っ張られ、引きずられていく。
「まつくま。ちょっとトイレ行きたいくま。我慢できないくま。もうでそ…。」
「もう、ぬいぐるみはうんこしないでしょ。」
やれやれといった感じで、フェーナに反応されるくまたん。
「ぬいぐるみだって、うんこするくまーーーー。」
それは断末魔の叫び声だったのか?
あるいは…。
こうして、くまたんは無事、お風呂へと到着したのだった。
☆☆☆
さてさて、お洗濯の時間だよ。
「くちゃくないくまっ。おひさまのにおいくま。」
この機に及んで抵抗するくまたん。
「いや、くまたん。体中べとべとだよ。主にゼリーと釣りえさのワームの汚い汁で…。」
長旅でくまたんの毛並みはべとべと、ところどころ、べちょべちょ、してるし、水につけたら黒い汚れが出てきそうな感じ。
「これぬいぐるみ用洗剤で落ちるかな?」
しかもちょっと匂うし。
「くまちゃん、お風呂入らないと、綿全部抜いちゃうからね?」
「くまっ⁉」
「綿全部抜かれたら、しわしわくまたんになっちゃうくまっ。」
「いやそれどういう状態?」
「姉さま、くまちゃん。とりあえずお湯に入れちゃいますね?。」
くまたんを着ぐるみのまま引きずり、湯船につけようとするフェーナ。
「ちょ、まつくま?何するつもりくま?」
「何って。くまちゃん。お風呂に入れてあげようと思って。」
ぼしゃん。
「まつくま。それだけはやめてほしいくま。重くて浮き上がれなくなるくまー。」
「きれいになって帰ってきてねー。」
大きな水しぶきとともにお湯の中へ投入されるクマたん。
「くまぁぁああ。お湯が入ってくるくまっ‼」
着ぐるみの隙間から侵入する水。
「くっ。おさえきれないくまっ。」
手で塞ごうとするが、水の勢いは収まらない。
それどころか、どんどん、入ってきてやばい。
このままでは水没してしまう。
くまたんの中で流れていく走馬灯。
「短い間だったけど…。たのしかったくま。」
☆☆☆
「???」
「なんか一人でいろいろ言ってますよ。」
「フェーナ…。くまたんのこれ…。着ぐるみだから。」
そういいながら湯船の中からくまたんを持ち上げる私。
着ぐるみの接合部からは大量の水が流れ落ちる。
そして背中のジッパーを少し開けるとここからも大量の水が。
「くまたん、生きてた?大丈夫そ?」
「はあ、助かったくま。死ぬかと思ったくま。」
「ん?姉さま、くまちゃんの水が出てきた。これなんですの?」
「それは…。」
「見なかったことにしてほしいくま。」
フェーナが目を付けたのは件のぎんいろのふぁすなー。
着ぐるみという証拠。
「見なかったことにするわけないでしょ。その綿全部引き抜いてあげる。」
ふぁすなーを勢い良く全開に開けるフェーナ。
そして露わになるくまたんの全貌。
「えっ。かわいいんんだけど…。」
着ぐるみの中から現れたのは超絶白髪美少女のくまたん。
「中身おじさんかと思ってた。」
「んなことあるわけないくまっ。」
「あんまりじろじろ見るなくま。恥ずかしいくま。」
顔を赤くしてこっちから微妙に視線をそらすくまたん。
かわいい。
そしてくまたんの着ぐるみは、お城のメイドさんの手によってきれいになりましたとさ。
そして中身の方も、ちゃんと洗われることになったのでした。




