46 謎肉、タイムセールはじめました。
そして、ドラゴニアが手配した馬車の中で。
「すぴー。」
すっかり寝てしまった竜王。
時折揺れる感触が眠気を誘うのだろうか。
「おねえさm…。膝枕してくださいまし。」
何か寝言を言ってる…。
そして私の膝の上に乗っかってきた。
「え?寝てるんだよね。」
そしてツノが地味に痛い。
「どらごんが一匹…。どらごんが二匹…。ドラゴンが三匹…。」
そこは羊じゃないんだ…。
竜王という重荷が外れたからなのか、すごくよく寝ている。
ただし、私の膝の上で。
「あれ?くまたんそれ…。」
なんか、見覚えのある肉を馬車いや竜車の中でむさぼるくまたん。
「ドラゴンのしっぽ肉くま‼城下町の売店で最後の一個だったやつ買ったくまっ。
「よっぽど気に入ったんだね?それ?」
「くま‼」
☆☆☆
一方の勇者。
「おい、あれはこないだの肉じゃないか?」
城下町で漂ういい匂い。
勇者パーティはまた、その匂いに吸い寄せられていた。
「ざんねんだな。兄ちゃん。たったいま、人気商品は売り切れちまったんだ。残りは低級な肉しかないんだが…。」
長い尾をもったその肉を持ちあげる店主。
「こんなのでよければ、安くしとくぜ。1ドラコでどうだい?」
「安い…。」
「ぜひ、うちの国に持って帰って…。」
「いやある分すべてもらって…。」
「いやでも、それだけ安いということは…何か…。」
何やらぼそぼそ、うーんと考え込む勇者。
「安いのはタイムセールの時間だからだぜ?」
「じゃあ、どうよ。1本おまけで1ドラコ。これでどうだ?」
「よしっ。かお…。」
「勇者?」
勇者の口を押え、顔を近づける聖女。
「ふぇ?」
ずるずるずる…。
次の瞬間勇者は無残にも引きずられていた。
「まだ何もしてないじゃん。何も言ってないじゃん。」
主張する勇者。
「いや、思いっきり、買うつもりだったじゃない…。思考回路駄々洩れだったわよ。」
「というか、もう手持ちないでしょ…。」
「いやまだ、強化ゴブリンの…。」
じたばたしながら引きずられていく勇者なのであった。
「とにかく要らないので撤収。本当に懲りないんだからもう…。」




