41 あなたの頭についているのはかぼちゃですか?いいえワカメです。
「まおーさま。竜王見つけたくま。(食料として)保護しようとしたら逃げられちゃったくま…。」
そう、くまたんに言われ確認する私。
「えっ、なんか、竜王、気絶してるんだけど…。」
「大丈夫ですかね…。」
頭より下をゼリーの中に突っ込んだまま気絶している竜王。
ていうかくまたんなぜに中途半端に。
「逃げられると困るくま。」
それは確かに。
「おっおっぬしら…。」
あっ起きた。
とりあえず意識はっきりしてそうでよかった。
「ただで済むと思うな…。あむむむむ。」
あわをふき昇天する竜王。
私はそう叫ぶ竜王の口にゼリーを突っ込む。
「なんてことするのじゃ、ドラゴンゾンビの体液は猛毒…。我が触れるだけなら問題ないが…。食べて大丈夫なわけが…。うっ…。」
「ん?なにこれうみゃい。」
☆☆☆
「せーの。」
後から追いついてきた勇者たちの兵士の手も借りて、ずるずるってゼリーの中から竜王が引き抜かれる。
そして私が抱き上げ地面へとおろす。ついでに前髪についたゼリーもはらってあげる。
くまたんがなめてあげようかくまとか余計なお世話しようとしてたけど丁重にお断りした。
いや、だってよだれでべとべとになるのは目に見えてるからね。
「それにしても…。」
「なんだ竜王って聞いてたからもっと筋骨隆々のおっさんだと思ってたけど。可愛いじゃん。」
ゼリーまみれの竜王は赤髪の小さな女の子。
分かってはいたけど近くで見てもそう感じる。
まぁ、異世界だし、年齢なんてあってないようなものだけど。
しかも竜だし。
真っ赤な髪からは金色のツノ。下半身には立派な真っ赤なうろこのついたしっぽ。
そして王様らしく頭にはじゃらじゃらとした宝石。首からもというかあちこちに色とりどりの宝石をぶら下げている。
まさに竜って感じ。こんだけじゃらじゃらしてるし、たぶん、宝石には目がないんだろうな。
「ですが、ここ100年隣の国の竜王が世代交代したというような話は聞きませんし…、竜族は長生きなので…。」
「軽く1000年はいっちゃってるかもしれないくまね。」
さすがは異世界。
見た目と歳は釣り合わないか。
ぴろぴろりん♪レベルが上がりました。
私の頭の中で響く通知。
レベル99→レベル100
HP 500→600
MP 7000×20→9999(限界値)×20
特技 浄化・治癒
ちょうどレベルも上がったみたい。
「女王様。感服いたしました。まさか我々が到着する前に全て片付けてしまうとは。」
なんか甲冑のガシャガシャする音がするなと思ったら。兵士たちをひきつれながらやってきたのはいつかの勇者くん。
なんか頭にワカメ乗ってるけど…。ソレ何?
「いや、まさか川を泳いで渡ることになるとは…。」
「…。」
「もう、勇者、頭にワカメ乗ってるぞ。」
そしてそれをやさしく諭し、あろうことか口に入れる咀嚼する戦士。
「んっうまいな。」
「いや、それ食べるの‼」
思わず突っ込んでしまったが、突っ込まずにはいられなかった。
だって人の頭に乗ってるワカメ食うやつおる?
なんていうかそれはもう分けワカメだよ。
「女王様、いつものことですので軽く流してください。」
「このパーティ大丈夫なの?」
「もう慣れましたので。」
「勇者…。」
「油売ってないで、早くしなさい。」
聖女にずるずる引きずられ、きっちり絞られるいつかの勇者くん。
あれ?なんか勇者くんパーティーでの立ち位置逆転してない…。
「…。」
ずるずる引きずられていく、勇者くんを手を振って見送る私たち。
たぶんこの後、聖女にきれいきれいにされたのだろう。
☆☆☆
「え?俺、なんかした?」




