37 え?シールドマシンそんなの使ってないですけど?もちろん手彫り、じゃん掘り、釣り堀ですよ。
「ここはどこじゃ。」
「誰かおらぬのか?」
「ここから出すのじゃ!」
我を取り囲む紫色のつるつるとした四方の壁。
侵入者たちと戦ってそれで…。
フルミネの用意した戦車に乗るも間に合わずにドラゴンゾンビの溶けた体に飲まれて…。
「そうか。我。」
「死んだのか。」
「でも天国っぽくはないのじゃが。」
じゃあ、地獄かと言われると、そんな感じもしない。
一面が紫の地獄など聞いたこともない。
試しにつのを引っ張ってみる。
うにゅーんと伸びることもないし、取れることもない、感触を感じる。
つぎにしっぽ。
叩けば普通に痛いし、うん、いたって、普通だ。
頭の上に輪っかもない。
ということはまだ、我は生きているということ。
ただ、天国でも、地獄でもないとすると。
ここは果たしていったいどこなのか?
「夢?夢なの?」
「それとも現実?」
夢の世界なのかはたまた、現実世界のどこかなのか。
でもほっぺひっぱってみても普通に痛いし…?
「現実?」
でも、うちの城にこんな部屋はない。
なんか、壁面テカテカしてるし、私の部屋じゃないことは確かだ。
だって、可愛いお洋服も、もこもこのドラゴンのぬいぐるみも抱き枕もないもの。
それに紫一色とか現実世界のモノではありえない。
どこかの夢かあるいは異空間なのか。
いやでも、夢でも…ほっぺた引っ張って痛いけど夢だったことあったし?
やっぱり夢?
でも夢って大概、どこかに出口はあるはずだよね?
例えば空から落ちる夢はベッドから落ちた時に目が覚めるし。
トイレに行く夢はおねしょしたら、目が覚める。
ん?我の体験じゃないぞ?
あくまで例なのじゃ、例。
じゃあここは?どうなのだろう?。
周囲に広がるつるつるとした紫色をした壁。
反射率が高いのかまるで鏡のように映る。
時に長く縦に伸び、そして縮む。
如何にも夢っぽい世界。
というか現実にこんな空間あったらびっくりだよ。
だってそんなのファンタジーじゃん。
え?お前が言うな?
でも、もしここが夢の世界だとしたら。
自分の力で多少は自由にできるはず…。
だって我の頭の中、あくまで、仮の世界のはず。
なんかこう念じたら道具でも出てこぬかの?
スコップとかツルハシとか?
「スコップよ。壁を穿つのじゃ。」
強く念じてみたけれど何も出てこない。
うーん。もっと具体的に念じなきゃダメなのかな?
柄の形はこうで、刃先はこうでみたいな?
でもわたし、生まれながらにプリンセスだから…。
使ったことない。
え?自慢?
そういうわけじゃないんだけど…。
もう夢の中だからって、いちいち、突っ込まないの。
え?我は使わないのかって。
アレは外向きの私よ。そうじゃなきゃ敵にやられちゃうじゃない。
私こう見えてドラゴンの中では若輩者なの。
竜王やってるけど…。それはあくまで血筋だから。
敵も多いの。
「開きなさい壁よ。」
「開けゴマ‼」
「オープンザセサミ‼」
ソレっぽい呪文を唱えてみたけれど、やっぱりこれもダメ。
念じてダメなら、直接手で触れるしかない。
うん、ちょっと一回言ってみたかったの開けゴマって。
手で触ってみると…。
え?
なんか、冷たくてそれでいてやわらかい。
手で押すと沈む。
なんかプルプルしてない?
何だろやっぱり夢の世界だからなのかな。
触ったことのない感触…。
これ、もしかして、動くのでは?
開けゴマとか言わなくても…。
物理で。
両の手でかき分けるようにすると、空いた…。
その先に試しに首を突っ込むと。左右にトンネルみたいな丸い道が続いている。
「え?ここ、まじでどこ?」
きょろきょろ見回すが私の知ってるものは一つもない。
この国は建造物のほとんどが石造り。
なんだけど…。
このぷにゅぷにょはどう見ても石じゃない。
なんかうっすら向こう側も透けて見えるし…。
ガラス?
でも私の知ってるガラスはこんなに柔らかくない。
やっぱり夢なのかな。
ちぎってみると、やっぱり透明でプルプルして、向こう側は半透明…。
まさか、生き物の中じゃないよね?
例えばスライムとか?
この辺に生息してるって噂は聞いたことないけれど。
図書館で読んだことがある。
半透明のプルプルした住所不定のやつなのだ。
食べれると書いてあったが…。
アレ本当に食べれるのだろうか?
生息地は魔女の谷らしいけど…。
さすがにあんなに離れてるところから出張してくるわけないか。
すこしずつちぎっているとようやく私が通れるくらいの穴が開いた。
これで通路に出れる。
うんしょ。
小さい穴に潜り込む私。
「あっ角が引っ掛かった…。」




