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魔王として転生したのですが、聖属性だったので、配下の魔物たちを浄化してしまったのですが、これからどうすればいいですか?  作者: stardom64
第二章 巨竜国家と照り焼きの謎

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18 勇者たちの華麗なる旅路 千百十話 男たちの熱き戦い


「うう…、なんだかお腹が痛い…。」

「俺もだ。勇者…。」


その日の夜、野営地で勇者と戦士はしっかりお腹をこわしていた。

だが野営地に個室はあいにく一つしかない。


「勇者…。」

「戦士…。」


「戦士譲ってやる。先に行け…。」

「いや、勇者、お前が先だ。」


うう…と個室の前でうずくまる二人。


「あの…。」

そこに声をかける若い兵士。


「トイレ、入ってもいいですか?」


うずくまる二人に声をかけ、


「どうぞ、どうぞ。」

バタンと扉を閉め、カシャッと鍵をかける。

トイレットペーパーを巻くがたがたとした音。

そして糞尿を流すジャーっという水流音。

ガチャッと鍵を開け、バタンと扉を開ける音。


「はあー。すっきりしたー。」

そして個室から爽快な顔の若い兵士が現れるのである。


「あれ?勇者様?戦士様?どうしたのですか?お気を確かに‼」

トイレの床に仰向けに横たわる二人をみて驚く若い兵士。


見れば二人とも顔面蒼白。明らかに体調は思わしくないようだった。

「すぐに医療班を呼びますので…。」


そう言い残すと若い兵士はあわてて駆け出す。

もちろんトイレから出るときは手を洗うのを忘れない。



そして、あとに残された仰向けに横たわる勇者と戦士。


「ああ、戦士。」

「ああ、勇者。」


「これまで…。」

「ああ。」


「あ・り・が・と・う。」

声をとぎれとぎれに発する勇者。


「ああ、お前との旅路…楽しかった。」


「来世でまた会おう。」


「ああ。」

ガクッと首をたれ、動かなくなる二人の男。


いや、何かの音がする。

そして床に広がるシミ。

「間に合わなかっ…たな。」


その一言を残すと一瞬だけ目を開き、二人は目を閉じた。




♢♢


「勇者様、戦士様、医療班、呼んできました‼」

先ほどの若い兵士が医療班の兵士二人を連れてトイレ内に舞い戻る。


「んっ。なんだこのにおい…。」

鼻を突くにおいに戸惑いを見せる兵士。


「おい、まさか。」


「ああっ。こりゃ。」


「やっちまったな。」


☆☆☆


「聖女様大変です。勇者様と戦士様が…。」

聖女のために建てられた天蓋の前でそう報告する先ほどの若い兵士。


「こんな時間にどうしたの?」

出てきたのは枕を抱えた寝間着姿の聖女。


兵士の様子を見てすぐに察する聖女。

「すぐに見舞いに行くわ。容体は?」


「いえ、その…。」

突然もじもじしだす兵士。


「なによ。」


「我々と衛生兵で何とかしますので、聖女様はゆっくりお休みになってください。それと今晩は勇者様と戦士様の天蓋には近づかない方がよろしいかと…。」


「は?いやよ。仲間の危機だもの。行くに決まってるでしょ?」

「ですが…。そこまでひどいというわけでは…。」


「そうなの?」


「勇者様からも心配はいらないと仰せつかっておりますので。ひとまずご報告だけ。それでは。失礼します。」

ピシッと敬礼してささささっと立ち去っていく兵士。


「???」

首をかしげる聖女。

「勇者たち大丈夫かしら…。」


「なんか、ちょっと匂うわね。近くに競馬場でもあるのかしら。」


そう一言つぶやくと聖女は自分の天蓋へと戻るのだった。


☆☆☆


解説しましょう。

この世界トイレは魔法によって動くものがあるの。


野営地で使用されるのはこのタイプ。マジックバックに入れて持ち歩くの。

え?魔法のトイレの汚物はどこに行くのかって?


考えたこともなかったわ。

大体、私、聖女で、魔法使いじゃないからそんな詳しくないのよ。


それじゃ次のコーナーで会いま…。


「なんだ夢か。」

枕を手に目覚める聖女。

「それにしても匂うわね。」


枕もとのアロマを引き寄せる聖女。

「今度から、天蓋の位置、厩から離してもらおうかしら…。うみゃうみゃ。」


☆☆☆


翌朝。

「ね、昨日お腹壊さなかった?」


道中聖女は髪を揺らし前を行く勇者と戦士に尋ねる。


「元気そうだし。大丈夫だと思うけどあれ?なんか若干顔色悪い?」

聖女は覗き込むように二人の顔を見つめる。


「…。」


「聖女、我々の尊厳のため聞かないでくれ。」

そう戦士が肩に手を軽く添え返す。


「ん?」

「男には…。男の戦いがあるのさ。」


「ん?それどういう意味?」

「そのままの意味だ。」


「?ますます意味が分からないわね。」


「まあ。体に異常がないならそれでいいんだけどね。」


「さ、行くわよ。魔王を倒しに。」

道の先を指し示し、そう得意げに言う聖女。


「お~。」

だが二人の返事はどこかやる気がない。


「やっぱり、体調悪いのかしら?」



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