4 ケルベロスは共食いするそうです…。
「ここが食堂で、ここが、中庭くまっ。」
それはくまたんに城内を案内してもらっているときのこと。
「がるるるっ。」
真正面には灰色の毛並みをしたワンちゃん。
何やら尻尾をふりふり。
あれ?ペットでも、飼ってるのかな?
あっ、もしかしてもふもふで無双しちゃう系?
「もしかして…。ぺっと?」
「いや、なにそれくま?」
首をかしげるくまたん。
この世界にペットはいないようだった。
「ペット?分別でもするくま?」
てことは何?灰色オオカミとか?
「あっ、そういえばまだ、紹介してなかったくまよね。魔王軍四天王のケルベロスのケロくんくまっ。」
むくっと起き上がる下半身ムキムキの犬の獣人。
いや、さっきの可愛いワンちゃんどこいった。
黒々とした筋骨隆々の肉体。ゴワゴワした毛並みに、犬の頭。どっちかっていうとコボルトっぽい。
「あっ、これ、ケロくんの二足歩行形態くま。」
しかも、下半身に棒。
「あれ?でもケルベロスって三つ首。だよね?」
どう見ても一つしかない頭。秘密の部屋を守ってそうな感じでは無い。
「あっ。ケロくんは三兄弟の末っ子くま。ケルベロスは共食いしちゃうくまから。実質長男、くまっ。」
聞いちゃアカンやつだった。共食い…。聞き間違えかな〜。
いや、私食べられたりしないよね?
「ちゃんと、しつけてあるから大丈夫くまっ。まおーさまはそこでみてるくまよ。コレが特訓の成果くまっ。」
「お手。」
「お座り。」
「ふせ。」
「スピン」
「おちんち○。」
「ちゃんとできて偉いくまっ。」
わしゃわしゃとケルベロスをなでてやるくまたん。
「まて。」
「ケロくんえらいくま、まおーさま、大喜びくま。しっかり、食べて大きくなるくまっ。」
「ワァウ。」
どこからともなくエサ皿をだし、食べさせるくまたん。それをケルベロスは四足形態になってむしゃむしゃと食べる。
「いや、最後のなに?」
いや、さすがに聞き間違いだよね?
「気に入ったくま?ケロくんもう一回やるくまっ。まおーさまがお気に召したみたいくまっ。よかったくまー。」
「ワン。」
「それじゃ、いくくまよ。」
「よーいはいいくま?」
「わう‼」
「おちんち○。」
(警告)動画を再生できません。この動画は非公開です。
☆☆☆
「くまたん。エサってなにあげてるの?」
「はいくまっ。」
「えっこれなに?」
「生肉くまっ。」
「え…。やっぱ、ライオンじゃね…。」
☆☆☆
「ところでさっきから気になっているんだけど…その…。その下半身の棒は何?」
いろいろ突っ込むところがありすぎて突っ込むのが遅れてしまったのだが、何やら棒状のモノが下半身についているのだ。いや、魔物って服きなさそーだし。コレってあれだよね。
いや、もしかしなくても…。
そーだよね。
よし、モザイクかけよう。
「ただの棒(モザイク処理済み)ですが、何か?」
急に語尾にくまっ?がつかなくなるくまたん。
えっなんか気に触るようなこと言った?
「ケルベロス族の風習ですが、外させますか?」
いや、怖っ。表情のついてない顔を低音ボイスで近づけないでください…。恐怖でしかありません。
「あっ、うん風習なら仕方ないよね。うん、仕方ない。」
というか、外すな。というかそれ…。
外せないだろ…?
「そうくま?じゃ、そのままくまっ。ケロ君良かったくま?」
「ワン!」