7 ボスラッシュ ~回復ポイント用意してくれないなんてとんだ鬼畜ゲーですね~
女王と分かれてから雲行きが非常に怪しい。
強力な魔物ミノタウロスに。
「ヤァアア。」
「ちくしょう。装甲が堅すぎて剣が刺さらん。」
「これでも喰らっちゃいなさい!ファイアジャッジメント。」
聖女の手から放たれる炎魔法。
「やったか?」
勇者の声。
「ギュモオオオオオオオオオ。」
煙幕を振り払い、そのカギ爪で戦士めがけて振り下ろす。
カキンという音がして戦士の盾とかち合う。
「勇者‼長くはもたない‼首を狙え‼」
「ヤアアアアアアッ。」
飛び上がり、回転切りをお見舞いする勇者。
「これで、しばらくは動けんはずだ。先を急ごう。」
お次は巨大な人食いジャイアントフォレストワーム。
「また、災厄級の魔物か。気をつけろ。奴は毒液を飛ばしてくる。」
「うえええ、きもちわるい。」「なんか私。生理的に無理みたい。あとは二人に任せる。おええ。」
聖女の口から漏れ出すきらきらした虹色の液体。
「たしかにこれは…きもいな…。」
「だか、勇者こいつ装甲自体は薄そうだぞ。」
ワームの頭上へ飛びあがり剣をふる。
「うえ、なんか変な液体飛んできた。」
勇者の手にねっちょりつく紫の液体。べちょべちょねちょねちょして離れない。
「きたねえ…。」
「何かいったか?」
「いや、何でもない次だ。」
そしてお次は。ゴブリンキングに連れられた強化ゴブリンの群れ。
「どうなってやがる。ここは。」
「こいつらきりがない…。」
「切ってもきりがないぞ…。巣穴から無限に飛び出してくる…。しかもこいつら装甲も硬い。」
「MPが残り少なくなってきたわ。」
「全軍、とにかく前へ進め。後退しながら剣をふるえ、とにかく奴らと距離をとる。」
そして、ようやく、ゴブリン一行をまき、森を抜ける勇者一行。
すでに、兵たちはボロボロ。
森の中で隊がバラバラになったようだった。
「兵が分散してしまった…。しばらくココで野営をしよう。」
「手当ての必要な者は申し出るように…。」
つぎつぎと建てられていくテント。
焚火の明かり。
女王たちは大丈夫だろうか?強い魔物たちがでてきたのも、ちょうど、彼女らが行ったすぐあと。もしかしたら…。
「もどろう。彼女たちが心配だ。」
「待て、勇者。」
そこに声をかける戦士。
「見ろ勇者、俺たちは大丈夫かもしれないが、すでに兵たちは疲れ切っている。」
手の先にはたくさんの負傷兵と疲れ切った兵たち。
「それに、あれをみろ。」
「あれは…。」
遠い遠い空の上を指す戦士。
そこには宙に浮いたドラゴンと、そして、その背に乗る白銀の髪をもつ、女性。
「あれは…。天使か…?」
「もう何言ってるのよ。頭でも打った?」
そう声をかける頭を揺する聖女。
「脳みそが壊れてるなら私の魔法でなおしてあげるわよ。」
聖女がぐわんぐわん勇者の頭を引っ張る。チーズみたいに自由自在に引っ張られる勇者。
「酔うからやめてくれ。」
聖女の手を片手で阻止する勇者。
「安心しなさい。もし本当に酔ったら私の回復魔法で回復させてあげるわ。」
もういちど、空を見上げる勇者。
「幻か?」先ほどまで確実に何かがいたそこには、何もいなかった。
「それとも…。」
「もう、空ばっかり見てても、旅は進まないわよ。」
そう、一喝する聖女なのだった。




