1 照り焼き確定演出ドラゴン
それから幾日か後の早朝。
ピヨピヨ。
窓辺で鳴く見覚えのある一羽の鳥。
また、勇者からだろうか。
えっとなになに。
足首にまかれた封書をほどくと、何処かへと飛びさっていく。
ご丁寧に折りたたまれた、巻物状のそれを解き、内容を見る。
えっと…。
〈拝啓〉
隣国のクズども。
先日は我々の送った使者をあろうことか、討伐し、料理してくれたそうではないか。
許すマジ。
我ら巨竜国家ドラゴニアは貴様らを敵とみなし、貴国に宣戦布告することにした。
手始めに貴様の国を焦土に変えてやる。悪く思うなよ。
巨竜国家ドラゴニア 竜王 ドラコ
脳内によぎる照り焼きドラゴン。
一体どれが使者だったのか。
いや、もう死者なのだけれど…。
そして。
同時に頬を突き抜ける熱波。
焼け焦げる匂い。
「まったく、荒れてますわね。」
私は火の粉を浄化魔法で薙ぎ払いそうつぶやく。
分厚い城壁は溶け、部屋の半分は吹き飛び、壁には強い熱で溶かされた跡。
「上だ!撃て!」
外では、リリアたちの混成部隊が空に向かって弓矢や魔法で攻撃を始めた。
上空には犯人らしき巨大な真っ赤な竜の姿。
「くるぞ!」
咆哮と共に竜の口の中に溜まっていくエネルギー波。
「全軍退避―‼︎」
ちゅどーん。
赤く染まる世界。あたりに立ち上がる炎の波。
その中で白い髪をなびかせ立つ私。
極大魔法「カタルシス」を使用します。
この魔法は地形変化、爆発などの副作用が生じる場合があります。
本当に使用しますか?
はい/いいえ
ぽちっ。
極大魔法「カタルシス」を使用します。
地形の変化、爆発にご注意ください。
次の瞬間。
女神様よろしく新調した杖から発出される極太ビーム。
真っ白になる私の視界。
そして、開ける私の視界。
「ピュフリケーション‼」
杖からである謎の光と炎の濁流が正面からぶつかり合あう。
やがて炎は白い光に飲まれ、ドラゴンは跡形もなく消えたのだった。
ただし、戦場になった城はそのままで。
「これ…、どうしよっか?」




