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魔王として転生したのですが、聖属性だったので、配下の魔物たちを浄化してしまったのですが、これからどうすればいいですか?  作者: stardom64
第一章 

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21 勇者と聖女と戦士と天使とくまと食える草と


コンコンコン。

「天使様、勇者様がいらっしゃいました。」


「入いりなさい。」

「はっ。」

私の声とともに開いていく謁見の間の大扉。


「天使様、勇者一行をご案内してまいりました。」


☆☆☆


部屋の中を物珍しそうに見つめる勇者たち。

「我々の国では見かけないものばかりだ…。」


「遥々、遠い国から大変だったのでしょう。聖アルデバラン王国の女王、リリィです。」


「なんと美しい名前だ…。」

ん?小声すぎて、勇者の声がよく聞こえない。

「ちょっ、勇者、あいさつっ。」

聖女に小突かれ、コホン。咳払いをする勇者

「お初にお目にかかります。といっても、2度目ですが、聖アルデバラン王国の女王様。此度は、我々をお招ききいただき大変感謝しております。勇者と申します。そして花束です。」

「ああ、ありがと。」

よくわからん。花束を渡された。しかも見たことないやつだ。


「では一度、自己紹介を。」

「戦士だ。勇者の護衛を任されている。」

「聖女よ。勇者の腐れ縁よ。勇者と戦士の監督役よ。」


「くまたんくま、まお…。」

いま、いつものようにまおーって言おーとしたよね?ダメだからね。というかくまたんとかはまおーさまって呼んでるけどもう、それですらないし、なんならむしろ、天界側の天使だし。

「まお…。まぁー、普段は女王様のお世話してるくま。」

視線で訴えかける私にハッとしたくまたんは慌てて言い直す。ほっ。いま、魔王って言おーとしたよね?と視線で訴えかける私(圧)が通じた模様。


「あれ…。どこかで会いませんでした?」

「聞いたことのある声のような気もするな…。」

「もしかして、くまごろうさんでは…。」

「ソレ、どこのくまくま?とんだクマちがいくまっ。」



「ラウネ、ネ!ま…。」

魔王城と言いそうになって口をつたで抑えるラウネ。

おーい。よかった。勇者たちはくまごろうに気を取られて気づいてないみたい。小声でさっきからなにか、話してる。

「やっぱ着ぐるみみたいだし、別人じゃないか?」

「いやでも、普通語尾にくまっなんてつける?」

「うーむ。」


「ま…。城内の畑を管理してるネ。植物のことなら誰にも負けないネ!」

「あれ?朝?」

首をひねる勇者くん。

「何のことネ?」

ん?あれ特にラウネは勇者と関わりないはずだけど?

「あれー。勘違いかな?」

どこかで見たのだろうか?

「リリアです。聖アルデバラン王国騎士団の騎士団長です。よろしくお願いしますね。」

最後にリリアが挨拶して…。


☆☆☆



「それで、その、勇者様たちは、なぜ、ここへ?」

私たちは一通りの自己紹介(探り合い)を終え、お互いに情報交換(探り合いセカンドシーズンともいう)をはじめる。舞台は謁見室から、応接間へ。フリンが紅茶を持ってきてくれる。「紅茶をお持ちしました。」「ああ、かたじけない。」「ありがとう。」まぁ、答えは半分くらい、想像がつくけど…。

「実は…。ここへは魔王を倒しに来たのです。このあたりで凶暴な魔王が暴れている国があると聞いたのですが…。ご存じですか?我々はその凶悪な魔王を探している最中にこの国に流れ着いたのです。」

「いや。きいたことない…な(すっとぼけ)。」

「ですが確かにあったのです。この国に到着する五日ほど前には。王国軍の兵士も確かに見たと。」

テーブルに身を乗り出し、そういう聖女。

「我々、いや、俺たちは…。その魔王を倒さなければならないのだ。」

「いやしかし…。」

「ただ、我々もその場所を具体的に把握しているわけではないの。相手は魔族。城の場所が変わっていても不思議じゃないわ。もしかしたら、またどこかで悪さをしているかも…。」

「そして、もう一つ、我が国の王に帰国の存在を伝えたのだが、貴国と同盟を組みたいと…。この大陸はその半分が魔族領。また…いつ魔族が攻め込んでくるかもわからない。」


「ともに手を取り合おうではないですか。」


そういって手を伸ばしてくる勇者。


あの…どこかに討伐可能な極悪非道系のやっちゃってもいい魔王はいらっしゃいませんか?

「天使様、確かこの国の東に竜人系魔族を束ねる魔王がいたかと…。しかも、やっちゃってもいい系です。」

なぬっ?それ本当?

「しかも、もともと仲が悪く、こちらもドラゴン肉を高級食材として扱ってしまっているがゆえに、余計に仲が悪いのです。少し前まで我が国にちょっかいを出していたはずでしたので…。」

リリア助かる!コホン、わかりやすく、咳をする私。

「ココカラ東に行ったところに、とてつもなくツヨイ魔王がいたはずです。」

「やはり。」

「エエモノスゴクツヨイラシイデスヨ。」

「では同盟は?結べば、魔物への対応がよりスムーズになることでしょう。」

ああ、そうなるか。ここで断るのも意味わかんないし…。いいでしょう。結んでやりますよ。結んでやればよいのでしょ。

「ええ、では結びましょう帰国との同盟を。」

「はっ。ではすぐに国に戻り、此度のことを伝え、魔王討伐隊を編成してきます。」

ああ、よかった物わかりのいい勇者で…。ひゃっはー言う人やチートがん積み、俺TUEEEE系じゃなくて。そして、東の国の魔王、さようなら。


☆☆☆


「あっー疲れた。」

勇者たちを見送ったあと、絨毯の上にごろんと寝転ぶ私。

一国の主ってたいへん。

「天使様!すぐにベッドを。」

そうして、勇者たちを迎えた、たいへんな一日は終わりを迎えたのです。めでたし、めでたし。


「あっ、まだ、晩餐会があるんだった。」

ぜんぜん、めでたしじゃない。

でも、まだ、晩餐会までは時間がある。どっかの勇者が、やたらと早く来ちゃったから。

「それまでは少し…。」

眠ろうかな?


☆☆☆


「ところで、伝わっただろうか?あの花束に隠されたメッセージ。」

「いや、たぶん伝わってないと思うよ。」

だって、朝の出来事を思い返す聖女。

「バラを薔薇をください。」

「ネ?」

「置いてないネ。」

「え?」

だってそもそも渡したのバラじゃないもの。



勇者くんから渡されたこれ。

数えたらちょうど108。

煩悩。

除夜の鐘。

つまり…。

「ぱくっ。」

手の内にあった花束に食いつくもの。

「なかなかうまいくまっ。」

きれいに花の部分だけない。

「あれ?まおーさま知らないくま。これ食べられる草くまっ?」


こうして勇者くんの愛は食われてしまったのでした。








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