19 おいでませ、勇者様御一行様
できた横断幕を見て満足げな私。
「うん、とってもいい感じ。」
招待状はくまたんが送ってくれてあるらしいから…。
あとは、これを城前の城門に飾っておけば完璧。
☆☆☆
「あれ?くまごろうさん?宿まで来てどうしたんですか?もしかして、何かあったとか?」
ランタンを掲げながら心配そうに宿の入り口でくまごろうを出迎える聖女。
「そうじゃないくまっ。今日はこれを渡しに来たくま?」
えへんとそういって一通の手紙を渡すくまたん。
「招待状?」
渡された手紙を裏返し…。確認する。
「我が国の女王様からくま。ぜひ晩餐会に招きたいとのことくまよ。」
「女王様⁉」
聖女は手を口に当て驚いたようなそぶりをする。
「我が国の女王様からくまっ。」
「なぜに2回言ったし…。」
「大事なことだから2回言ったくま…。」
「わかったわ。とりあえず、勇者たちに伝えてくる。」
「ありがとう。くまごろうさん。」
そういって扉を閉める聖女。
「なんくるないさーくまっ。」
「ん?いまなんて?」
首をかしげる聖女なのであった。
☆☆☆
「勇者大変よ。」
「どうした?」
「この国の女王様から招待状が届いたわ。明日の夜。城に来てほしいって。」
ベッドに腰掛け、手入れをしていた剣を思わずカランと落とす勇者。
「愛の告白か?」
立ち上がりそういう勇者。
「いや違うでしょ?」
あきれ顔の聖女。
「で、どうする?受けるの?」
「もちろん。受けるにきまっている。服装はどうしようか…。渡すバラの数はいったい何本渡せばいいんだ?」
「だから、違うと思うわよ。」
両手を腰に当てて説教する聖女。
「明日の朝、いや、今すぐにでも。」
「いや、内容読めよ?はいこれ。」
聖女はそういって勇者に招待状を手渡す。
遠いと遠い旅路を歩まれている勇者様一行へ
明日の夜あなたたちをお城の晩餐会へご招待します。
白亜の城に住まう城主より
「明日の朝、いや、今すぐにでもいこう。」
「え?内容読んだ?明日の夜って書いてあるわよ?」
「今すぐはむりだろ?勇者?もう夜だぞ。城門もとっくにしまってる。それに花屋もやってないぞ。」
斧を手入れしていた戦士が意味不明な返しを入れる。
「それもそうだな。では明日の明朝。」
「おう。」
「あなたたち、夜に招待されてること、完全に忘れてない?」
あきれ顔の聖女。
「贈り物は何がいいだろうか?」
「金銀財宝、ネックレス!」
「ブランドバック‼」
完全に意気投合する勇者たち。
「というかここの近くに花屋はあるのか?」
「来る途中に見かけた気がするぞ。」
「で本数は?バラは何本持っていけばいい?やはり108…。」
「最初から108って…。結婚してくださいって意味よね。恋は盲目とはこのことね…。」
あきれ顔でぼそっとつぶやく聖女なのでした。
☆☆☆
そして翌朝。
「花屋は…。」
「確かこの辺じゃないか?」
「あんたたち、迷惑よ。」
クローズと書かれた花屋の看板を見てそういう聖女。
カランカラン、ドアベルの音。
「開店なのネ?」
え?だれ?そんな感じの表情の緑色の髪をシニヨンで結った店員さん。
「バラを薔薇をください。」
「ネ?」




