15 白熱料理バトル?料理はいつだって戦争です
というわけで料理バトルを開催します。
理由は人間界との食文化の乖離。
勇者一行に変なものでも出そうものなら戦になってもおかしくはないからきちんとしたものを出さなければ。
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「料理バトルを開催します、場内の料理の腕に自信があるものは参加可能とします。」
「参加者は料理選考委員へ。」
そう紙に書き城内に張り出す。
☆☆☆
ふう。
自室でゆっくりする私。
とりあえず、勇者に出す料理はこれで決めるとして…。
ふー。お日様の光がきもちい。
こんな時は外に出て。
バルコニーで太陽の光を浴びながら、うーんと背伸び。
うん、気持ちい。
チュンチュン。
手すり沿いには小鳥。
それに自室から持ってきた紅茶とティーセット。
☆☆☆
「どこかで道を間違えたのかしら。」
「それにしても立派な城だ。我々の知らない国の王都にでもたどり着いたのだろうか。当然、城主、お国王もいるだろう。」
「どうする?使いでも放つか?」
「そうだな。文鳥を放…。」
「ん?」
いまなんか聞こえたような…?
旅人かしら?いやこんなと辺境の地に?
すっと下にいく私の視線。
「ん?」
きらきら輝く銀色のプレートメイル、青いケープをかぶったいかにも私、聖女やってますとでも言いたげな服装、そして、ファンタジーでよくある宝石状の頭につけるヤツ。あれ名前なんだっけ…?をつけた、旅人風の恰好、腰にはこれまた豪華な黄金色の剣。
絶対これ勇者パーティじゃん。
慌てて欄干の下へと隠れる私。
「ふー。危ないところだった。」
弓矢とかでいられたらたまったものじゃない。
ま、攻撃されることはないのでしょうけど…。
しばらく勇者たちの会話に耳を傾ける。
なるほど、やっぱりここを元魔王城とは思っていないみたい。
だったら、融和ムードに持ち込んで、私のスローライフを成し遂げねば。
「そうだな。ちょうどあの開けたあたり、そうだなあのバルコニーとかどうだ。」
「確かにあそこならば鳥も飛びやすいな。よし、手紙をつけてくれ。」
あっなんか、会話的に手紙飛ばしそうな雰囲気。
よしっ、急いで部屋の中に戻る私。
そして勇者が手紙を飛ばした瞬間に…。
「あー。なんてよい天気なのでしょう。」
白々しく再びバルコニーへ。
「飛ばすぞー。それっ。」
バタバタバタバタ。
こちらの方に飛んでくる文鳥、くるっと、空で一回転すると、バルコニーの上に綺麗に止まった。
チュンチュン。
文鳥のさえずる音。
「まぁ、なんてきれいな鳥なのかしら。」
「あら?お手紙がついているわ?」
わざとらしく、勇者の方を向き、手を振ってみる。
そして、窓を閉め部屋に戻る。
うん、我ながら完璧。
ひとりでにガッツポーズ。
☆☆☆
一方、勇者。
「あの方はもしや…。私の運命の人。」
変な方向で、好意を抱いていたのだった。
☆☆☆
宿屋にて。
「そういえば、あの女の人。口が動いていたような気がしたけど、何かしゃべってたのかしら。」
「さあな。でも美しいことだけは確かだ。」
「いやあんたそればっかり。」
一生懸命話した内容は勇者たちには全く届いていなかったのだった。
☆☆☆
さて、勇者の手紙はと…。
私は勇者たちが放った小鳥についていた金属製の筒を取り出す。
「これ?どうやって開けるんだろ?」
昔のやつだよね。
「ふんぬっ。」
こういうのは大体力業。
「あっ開いた。」
内容はこう。
白亜の城に住まう名も知らぬ女王様へ
我々は魔王城を目指す勇者一行である。
我々は魔王城への道中、ああ、すばらしきかな。白く美しい王国を見つけたのです。しかし、王国の近くにこのような国があろうとは…。
我々、魔王城を探していたはずなのですが…。どうしたことか迷ってしまったのです。地図を見るとこの辺りのはずなのですが…
いや、我々の地図が間違っているのかもしれません。おそらく、魔王城はこの先に…。
良ければ、この先の道なりをお教えいただけませんでしょうか。そして共に魔王への脅威に対抗していこうではありませんか。
勇者一行より
いや、独り言多いな。
とりあえず、攻撃はしてこなさそう?ってことでいいのかな?
「どう思うリリア?」
「はっ。料理バトルの準備が整ったので待機していたのですが…。なるほどこれは…。我々に敵意はないようですね。まぁ。もう、城内に魔族はいないので。当たり前ですが…。」
でも、この国には魔王もう、いないよね。
共闘しましょうなんて書いてあるけど。
まぁ、まさか、魔王城がまるごと浄化されてるなんて…誰も思わないよね…。




