14 ようこそゲテモノワンダーワールドへ
ああ懸念していた、事態が起きた。
ここは元魔界。
まぁそういうことがあっても驚かない。いや、驚くけど…。
なんせ、マンドラゴラが食用の世界なのだから…。
ここは厨房のキッチン。
そして…。なんですかこれは?
つぶれたチョウチンアンコウみたいな魚。
ドラゴンの肉
マンドラゴラの根っこ
シェフを呼びなさい。シェフを。
でてきたのは元ゴブリンのシェフ。
「これはこれは魔王様。いかがなされましたか?」
「今日のメニューは?」
「今日のメニューでしょうか。しばらくお待ちください。」
「こちらが今日のディナーにございます。」
「前菜が魔界アンコウの目玉揚げ、芋虫の煮っころがし、メインがドラゴン肉のソテー、ドラゴンの炎で丸焦げになった野生動物のお肉を添えて、デザートが…。」
いや、どこから突っ込めばいいんだろう。
どろっどろのち緑色の目玉焼き、映画とかでたまに先住民がお礼に渡してくるそして、それどこのジャングル?って感じでカラフルな芋虫たち。しかもコレ、動いてない?
「さすがは魔王様、そちらは今朝取れたばかりのフレッシュなモノを使用しているため、とても生きが良いのです。」
うん却下。
「では、お次はドラゴン肉のソテー、ドラゴンの炎で丸焦げになった野生動物のお肉を添えてにございます。」
うん、こっちはまだ普通?隣にこげた肉が添えてあるのを除けば…の話だけど…。なんで添えちゃったねん。
「演出にございます。」
演出なら仕方ないな。うん、ってそんなわけあるか。
「恐ろしくも残酷な、魔界の食物連鎖がこの一枚のプレートに表されているのです。」
いや、なんかすごいもっともらしいこと言ってるけど、食べる人の気持ち考えてよ…。それ、頂点捕食者とかにしか、理解できないやつだよ。絶対。というか言ってること意味わかんないし…。
味は…。うん別に問題ない。見た目フツーの肉だし。それどころか高級肉って感じもする。さっきの芋虫とキモいも目玉焼きとは大違い。あっ、というかさっきの食べてないからね。さすがに。見た目で無理だから。
でも…。
「ところでドラゴンって魔物だよね。たべていいの?」
「それについてはくまたんから説明するくまっ。耳かっぽじって聞くくまよー。」
いや、急!?とていうかくまたんどっから現れた?
「これは昔…。昔の話くま。」
「この国と隣の国が戦を始めた時のことくま。隣の国とこの国は仲が悪かったくま。そこに人間の勇者が現れて、悪いドラゴンの親玉を討伐したくま。そのドラゴンはとても大きくて、山二ツ分はあったといわれるくま。そして、人々はとてもこまったくま。なぜなら、そのドラゴンによって、村や道、川や井戸、畑が押しつぶされて、使えなくなってしまったくま。たちまち町は飢饉におそわれたくま。」
そして一息おく、くまたん。
「そこで、勇者はいったくま。パンがないならドラゴンを食べればいいじゃないと。」
いや、急にギャグ調。
「今の話本当?」
もしかしたら、くまたんの考えた壮大なギャグかもしれない、そう思った私は元ゴブリンのシェフに尋ねる。
「ええ、すべて本当ですともそしてこの日を人々はこういうのです。」
『鍋パの伝説と…』
「今では、国民の休日として古くから親しまれてるくま。」
「そしてその日には決まって、ドラゴンの鍋パをすることになっているのです。」
うん、どこまで聞いてもギャグにしか聞こえない。
とりあえず隣の国と仲が悪いことが分かった。
「そして、山二ツ分のドラゴンっていないよね?」
「さぁ、どうでしょう、隣の国とは種族が変わっても、仲が悪いのです。」
「もしかしたらまだ、どこかにいるかもくま。そしたら焼肉パーティくま。」
☆☆☆
「ちなみに、元ゴブリンのシェフはなんて種族くま?」
「いまはコフリンって名前です。フリンって呼んでください。ちなみに女の子です。」
コック帽をとって、みつあみの髪を出すフリン。
ちなみに身長はゴブリンよろしく、低身長。
鍋を混ぜるときには脚立を立てます。
「おいしくなぁれ。」
「完成。」
「ゲテモノ料理☆」
「くまたんの可愛い枠は渡さないくまよ…。」
なんか一人でぶつぶつ…。
何言ってんだろ?




