12 みんなあつまれゆるふわ大集合☆ミ
真っ白な部屋に木製の大きな机に、日光の注ぐ大きな窓。
窓の向こうはバルコニーと鳥たちの飛び交う青い空。
その様は、まるで天界。
いや、実際みたことはないんだけど。
そして、一際大きな青い椅子のわきに立ち会議をはじめるくまたん。
「天使様こちらへ。」
そして、リリアに導かれ、その大きな椅子に座らされる私。
「今日の資料です。」
「ありがとう。」
何やらいっぱい文字の書かれた資料を渡される私。
うん、日本語じゃないよねどう見ても…。でも、なんだかよくわかんないけど、なんとなく、分かる。異世界転生者の特権ってやつなのかな。
今日はところどころに水色のあしらわれた真っ白なドレス。
ゆっくりと腰を下ろす私。
「皆そろったくまね。」
テーブルをぐるっと囲むように配置された椅子を見渡すくまたん。
「それでは、魔界会議あらため、第一回ゆるふわ大集合を始めるくまっ。」
「???」
大真面目な顔でそういうくまたん。そしてくまたんの発言に困惑する一同。そしてくまたんの突然の宣言にずっこける私。
「その名称なんとかならないのですか。」
いや確かに、前と比べれば、みんなゆるふわだけど…。
「ふわふわなのってくまたんだけだよね…。」
着ぐるみなのくまたんだけだし、もしかしたら私の知らないだけで他にもいるのかもしれないけど…。
「一応まおーさまの許可は得たくまよ?」
「それっていつ?」
なんかそんなこと言われたよーな、言われてないよーな。
「なんか考え事してて、上の空っぽかったときにいったくま。これはチャンスだと思ったくま。」
なんて、わるいくまなんだ。そんなくまに育てた覚えはないぞ。「とりあえず今の却下。次回からは天界大会合にしましょう。わかりにくいし、ゆるふわじゃないし…。くまたんもそれでいい?」
「異議なし。」
リリアに続いて手を上げるケロくん。
「多数決で可決ですわね。」
「なんか、イイ感じにしっぱいしたくまっ。絶対かわいい名前だと思ってたくまなのに…。」
何やらぶつぶつ独り言を言っているくまたん。
うんあとで、お説教ね。
☆☆☆
「では次の議題に移ります。次は勇者の動向についてです。」
「一度は我が国国境まで引き返したようなのですが…。再び、領域内に侵入したとの知らせが我が部隊の斥候兵より入っております。」
リリア率いる近衛兵たちにより、ぱっと広げられる羊皮紙でできた大きな地図。
「早ければ、数日、もしくは、今日中に到着する可能性があります。」
「森の魔物も数が減っているといいますし…。もしかしたら、想定より早いかもしれませんね。」
そんなことをいうケロくん。
「早急に迎え撃つ準備を…。」
「それはいらないんじゃないかな?」
「だって、もう、ここは魔物巣食う国でも、何でもない。ただのふつ―の国。」
「他の国と少し違いがあると言えば、私みたいに背中に羽が生えているぐらいじゃない?」
「少なくとも、私が見てきた限り…。」
「だから…。」
「こういうのはどうかな?」
「題して、勇者様御一行、おもてなし大作戦。」
☆☆☆
「おもてなし?ですか?」
「そう、おもてなし。」
「それって、宿屋の主人とかがよくやる…。」
「そうそれよ。」
ケロくんの言葉に指をさす私。
「ナイス解答ね。そっ、ソレの国バージョン。」
「つまり彼らを国賓として招こうと思うの。」
「そもそも、倒す敵がいない今彼らが戦う必要も、私たちが迎え撃つ必要もない。あとは時間が解決してくれると思うわ。」
「そんなにうまくいくくま?」
「そんなにうまくいくネ?」
「それはやってみないとわかりませんね…。ですがやる価値はあります。」
髪をくしでいじりながら返答するラウネ、同意してくれるケロくん。
「天使様、我々は何をすればいいですか?」
そう聞くリリア。
「とりあえず…。」
おもてなしと言えばまずはお料理…。あとは襲ってくるかもしれない可能性も考えて偵察かな。
「リリアは調理場、あと、ここにはいないけれどラウネも調理場ね。くまたんはこれまで通り、勇者たちの観察。ケロくんは村の方をお願いできるかしら。もしかしたらもう、村にいるかもしれないわ。」
「それじゃ。作戦の成功を祈って、えいえいおー。」
「??おー?」
☆☆☆
「まおーさま、えいえいおーってなにくま?」
「えっ。」
あそっか、こっちにはなかったか。
「私の故郷の言葉なんだけど…。がんばろーって時に使う言葉だよ。」
「なるほどくま。いいことばくま。ムカチャッカファイヤーみたいなものってことくまよね?」
「え?なんでそれは知ってるの?」
使い方間違ってるけど…。
「前の魔王様がよくいってたくま。」
「いや、前の魔王様ヤバすぎない。」
だって破壊光線も出すんでしょ?
「ちなみに一番怒った時には大噴火レジェントサイクロンフレアァァッっていうらしいくま。」
なにそれ?必殺技?




