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魔王様やりすぎです  作者: 御霊ユナ
第2章 仲間集め編
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第十三話「不穏な行方」

 ボルギジニアは物凄いオーラを放ちながら、余裕な笑みで剣を構え相手と見つめ合う、その風格は魔王幹部、知らしめている。

 騎士は額から汗がにじみボルギジニアの気迫に押されているが、俺と戦って居たときとは比べ物にならないほどの恐ろしい形相で睨みつけている。


「お前人間じゃないだろ」

「何を言っているのですか、どこからどうみても人間であろう」

「その魔力量、人間でそれ程の力を持ってるなど普通は有り得ない」

「ふむ……魔力は抑えてる方なのだが、魔力眼持ちか」


 魔眼、本で読んだことがある。

 ごく稀に魔眼を持って生まれて来る者がいる、その能力は少し先の未来を見る予見眼や見た者の心を読む感性眼など様々な種類の魔眼があるが、デフォなのは魔力眼だ。


 俺は使えないが多くの人間は、生まれ、魔力に慣れていくと魔力が感じられるようになり、相手がどの位の魔力を持っているのか、見ることが出来るようになる、その能力の延長線にあるのが魔力眼。

 魔力を繊細に感じることが出来、敵の索敵、魔力の発生、セレネやボルギジニアのように魔力を抑えている者の本当の魔力量を見ることが出来る魔眼である。


 俺の不意打ちのサンダーボルトが直撃する前に魔力を体に行き渡らせたのは、魔力眼で俺が魔法を使うタイミングが分かったから行動に移せたのか。


「お前、魔力は四大魔王には劣るがクラスで言えば先代魔王に匹敵するな……」

「!?」


 半年過ごしていて初の事実なんだが……セレネが強すぎてボルギジニアの強さが薄れていたが、ボルギジニアってそんなに強いんだ。

 ……待て、そうなればセレネの件はボルギジニアの仕業と解釈されても可笑しくない、そうすれば本国から大量の聖騎士が派遣され、討伐されてしまうんじゃないか。


「ボルギジニア!」

「安心しろサイト、俺はお前の師匠だ、あの馬鹿程強くは無いが、俺は死なない」


 俺の方を向いて、いつもの不健康そうな顔で笑みを浮かべる。

 俺とセレネを庇うために、自分も危険と分かって、俺を守ってくれた。


「死なない? それは不可能だ、この町にはギフテッドの娘の件で盾の勇者が派遣されている。

 それに俺もまだ戦えるぞ、勝てる気でいるようだが、俺は簡単にはやられないぞ」


 そう言って槍を構える、俺のサンダーボルトを食らってまだそんなにピンピンしているのか、俺が弱すぎてかなり油断してたみたいだが、やはり此奴、そこらの騎士とは格が違う。

 だが、ボルギジニアは余裕を見せている。


「はぁ~、これはカイト様と一緒に戦うときに使いたかったのだが」


 すると俺と戦ったときよりも素早いスピードで動き始める、やはり俺が死なないように手加減していたのが分かる、多分俺を半殺しにして持ち帰り尋問しようとしていたのかもしれない、もし本気で戦われていたら俺はもう死んでたな……。


 男はボルギジニアを真っ二つにする勢いで槍を横に振るうが、それをボルギジニアは軽くいなし、体に回転を加え、槍を思いっ切り蹴り飛ばし、槍は数メートル後ろへと行く。

 手元から武器を失った男は、拾いに行くわけでは無く、体を構え、ボルギジニアの剣を持っている手を掴み、ボルギジニアに背負い投げを決める。


「馬鹿力め、品がないな」


 地面に叩きつけられたボルギジニアは待っていましたと言う余裕の顔で、そう言い男の足を蹴り男の体制が崩れたタイミングで素早く起き上がり、剣を突きつける。

 先程と立場が、一瞬にして変わり、男は地面に横たわり、ボルギジニア立ち、男の顔に剣を突きつけている。


「さて、降参かな」


 ボルギニアは男に笑みを浮かべ、見下ろしている。


「ああ確かにこの展開は絶望的だな」


 思ったより男は諦めが早い、何か違和感を抱く。

 だが、この状況、ボルギジニアの圧勝だ、相手から武器を奪いわざと攻撃を食らい、相手が油断したタイミングで形勢逆転させた。

 凄すぎて声も出なかった、これが上の戦い、四大魔王はこれより強いと言われると不安になってくる。


「じゃあ、君をどうするか……」

「こうするのはどうだ」

「なんだ」

『我が魔法よ、我が願いを叶えたまえ ランスエンド』


 男がそう言うと、先ほど吹き飛ばされた槍が動き、ボルギジニアに向く。

 あいつが答えた呪文、独特な詠唱、まさか固有魔法!?


 ボルギジニア気付いて居ない、多分だが武器が有ることにより発動する固有魔法、魔力が籠もっているのはあの武器自体なんだ、だから気付いて居ない………わざとボルギジニアに武器を飛ばさせのか、ボルギジニアが油断するこのタイミングの為に。


 クソどうにかしてボルギジニアに気付かせてあの槍の軌道をずらさなければ……クソ手しかまだ回復していない、体が動かない、せめて魔力が残っていれば。

 ここで頑張らなくてお前は何が出来る、いつも助けてもらってばかりの俺は何が出来る、ここで動けなくて何の為にボルギジニアに鍛えてもらったんだ、このままじゃ前のように何も出来てないのと同じだ、力を絞り出せ!


「ボルギジニアーーー!!!」


 サンダーボルトを打ちカラカラになったはずの魔力を絞り出すように腕に魔力を溜めるイメージをする。


 届け!!!


 俺は右手に持っていた短剣を思いっきり、槍へと投げる。


 ガキン!!!


 槍と短剣がぶつかり合い、音をあげ、槍は少し軌道をずらすがまたボルギジニアに向く。

 しかし、ボルギジニアはぶつかり合った時に生まれた音で槍に気付き、槍が少しの遅延のお陰で、ギリギリで槍を剣で受け止める。


 男はそれをきっかけに立ち上がり、ボルギジニアから距離を取る、そして手を広げると弾かれた槍がまた勝手に動き男の手元へと行く。


「貴様! また俺の邪魔をして、ふざけるな!」


 そう言い俺に思いっきり槍を投げつける、そのスピードにボルギジニア反応できない。

 電気が走ったような衝撃が伝わったと同時に俺の瞳に赤い物が広がる。


「ぐあ"あ"あ"あ"あ"!!!!」


 俺の右腕を貫通し槍が思いっきりと突き刺さっている、今までに感じたことの無いほどの痛み、刺された部分が熱い。

 そう思うと槍はまた動き男の手元へと戻っていく。

 刺された場所から大量の血が流れ出す、地面にもその赤色は染まっていく、これが夢なんじゃないかと思うが、痛いからそんな事は無い。


「サイト! 血を塞げ」


 右腕から出る、血を止めようと左手を動かそうとした瞬間、次は左肩に激痛が走る、動かそうとした左腕は動かそうにも上手く動かない。

 さっきまで明るかったのに、空が暗くなって行く、何故だろう。


「最後はその首に突き刺してやろう」

「そんな事させるか」


 ボルギジニアは俺と男の一直線上に立ち俺に槍が来ないようにしてくれている。

 ボルギジニアの顔は余裕がなくなり、一刻も早くあの男を倒そうと焦っているように見える。

 剣を素早く動かすが、男の槍は先程よりずっしりと重そうで、動きも俊敏で、槍から出るオーラはボルギジニアに絡み付き動きを鈍くさせる。


 それがあいつの固有魔法、限られた人間にしか使えない自分自身の魔法、やはり強力で厄介だな……だが、技量的にはボルギジニアの方が優勢だ、落ち着いて対処すれば行けるだろう。

 焦らなくて良い、そう教えてくれたのはボルギジニアだろ、お前が焦ってどうするんだ、お前のペースでそいつを倒せば良い……もしかして俺の為に早く倒そうとしてくれているのか?


「何故あんな弱い奴を庇う」

「俺の弟子だからだ」

「あれがか? お前ならもっと才能を持った者を弟子にすれば剣聖にする事も出来るだろう、何故あんなどうしようもないものをーーー」


 ボルギジニアと男が喋りながら戦っている、俺の話をしているのだろうか、聞こえずらくなってきてあまり内容は理解できない。


「確かにそうかもしれないな、俺だって最初はお礼のつもりで弟子にしたが、今となっては俺はサイトを最高の弟子だと思っている」

「どこがだ、固有魔法を使っていない俺に負け、魔力も少なく、魔法も初級、剣の技量もないそんな奴のどこが最高なんだ」


「奴にはこれといった才能は無い、それは認める。

 だが一つ言っておく、奴はその足らぬ力の差を、生まれながらにして決まった自分の弱さを認め、それにも関わらず、諦めることなく自分の弱い力を最大限に生かし戦っている」


「お前と戦ったときもそうだ、その膨大な差を理解しながらも自分の全力をぶつけた、残った力もないのに自分の限界を超え、私をピンチから救った、それを最高の弟子と言わずしてなんという」


 ボルギジニアは一瞬で呪文を唱え、男に何倍にも圧縮した水の玉を何発も男へとぶつける、男は水圧で後ろに押していく。

 しかし、男は無理やり突っ込む、距離を取られるのは不味いと感じたのだろう。


「そんな攻撃効かないぞ」


 男は槍を思いっきりと持ち上げる、ボルギジニアはそれに対抗するように剣を構える、そして両者武器を振り下ろす。


 ガキン!


「サイトよく見ておけ、これがお前の師匠だ」


 男だけが、槍を弾き飛ばされ体制を崩す、その体に片手で触れる。

 男は魔力眼で魔法が来るのを感じたのか、槍に送っていた魔力を体中に撒き散らせ、体中に魔力を行き渡せ俺の時のようにガードしようとする。


『サンダーボルト』


 物凄い音と共に男へと電気が行き渡る、それは魔力での防御をも凌駕する魔法が男を包み込む。

 そして男はバタンは前へと倒れる、自慢の槍は折れてしまい、もう使い物にはならないだろう。

 ボルギジニアの勝利だ、そう思うとホッとして急に眠気が襲い掛かる、元々聞きづらかった音も切れてボルギジニアが此方に向かい何かを言って近付いて来ているが何も聞こえない、視界も暗くなってきた。


「さ……だ……いま……から…な」


 やっぱりなにいってるか分からない、もう寝ても良いよね。

 俺の瞳が徐々に閉じていく、これはもうどうしようもない、体も動かない。

 こんな所で死ねないんだけどな……まだ、約束通りセレネを家に帰さないと行けないんだけどな……。



 そして、視界が完全に無くなり、音も聞こえず、俺の意識は底へと沈んでいった。

マジで投稿頻度が遅くてすみません。

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