隣の席の病み系女子 山田さんはいつも死にたい
中学ではとある事件がきっかけで近くの公立校に行きたくなかったオレは、あえて電車で片道1時間かかる私立高校を受験した。
とある事件ってのは……うん、まぁよくあるイジメだよ。
内容はあまり言いたくないので伏せておくんだけど、ちょっと肉体的なやつでね。
結果、受験には見頃合格。
高校生活、絶対に青春を謳歌してやる。 そんな期待を胸にいざオレの新生活が幕を開けたわけなのだが……
朝・教室内。
オレは机に突っ伏しながら小さく呟く。
「やばい」
入学式から一週間。 周囲ではすでに友達グループというものが形成されてきており、四方八方から楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
「あはは、やっぱ昨日体験入部したサッカー部にしようぜ」
「いいけど裏切んなよー」
「えー、そのコスメどこで買ったのー!? 見たことないんだけど!」
「ふふふー、ウチの姉ちゃんコスメ店員でさー。 たまに試供品とかくれんだよねー」
あぁ……羨ましい。
オレもみんなみたいに「どこに部活にするー?」とか「どこか帰りに遊びに行こうぜー」とかしてみたいのに。
あわよくば恋なんかも……。
これは早く行動に移さないと更に手遅れになってしまう。
となれば……この人しかいない!!!!
気を引き締めたオレは顔を上げると体の向きを右に。 隣の席でオレと同様友達らしき人と一緒にいる場面を見たことのない女の子に声をかけた。
「や、山田さん」
山田さん……本名・山田 珠美。 髪は長く黒縁メガネ。 ただ前髪もかなり長いため、顔をちゃんと見たことないんだよな。
一回呼んでも反応しなかったため、オレはもう少し大きめの声で彼女の名を呼んだ。
「山田さん!」
「!!!」
ようやくオレの声が聞こえたのか山田さんの身体がビクンと反応。 その後勢いよく顔を上げこちらを向いてくる。
「ーー……なに」
うわー、何この『話しかけないで』的なダークオーラ。
そういえば女子たちの会話を盗み聞きしてる時に『山田さんって雰囲気暗いし怖いから話しかけづらいんだよね』とか話してたっけ。
重たい空気を纏った山田さんがぎこちない動きで首を傾げる。
するとどうだろう……メガネの上にフルで乗っかっていた重たい前髪が若干崩れ、そこから見えたのはなんとめちゃくちゃ充血した真紅の眼。 鋭い眼光がオレを捉えていた。
「お、おうふ」
なんだ? まるでオレを今にも呪い殺そうというような眼力……若干ホラーじゃねぇか。
しかしまだここで怯えるオレではない。 こんなのイジメられる恐怖に比べたらほんの些細なこと。 一体何をすればそこまで充血するのだろう……そんなことを冷静に心の中で突っ込みながらオレは果敢に会話のキャッチボールを試みた。
「その、隣の席なんだしそろそろ話したいかなーって」
「ーー……」
うん、予想はしていたよ。
山田さんはオレの質問を華麗にスルー。 長い前髪の隙間から真紅の睨みを効かせながら無言でオレを見つめている。
ま、まだだ。 まだ諦めないぞ。
「山田さんってずっと一人でいるよね。 実はオレも一人でさ、そろそろ友達が欲しいなって思い始めて……」
「ーー……」
「それでよかったら友達になれないかなって思って話しかけたんだけど……まずは聞いていいかな。 なんでそんなに目が赤い……充血してるの?」
そう尋ねてみるとなんという奇跡……山田さんから会話のボールが返ってきたんだ。
「私が……充血してる理由?」
おお、おおおおおお!!! 会話が……会話が成立したぞおおおおおお!!!
オレはすぐさまボールをキャッチ。 このままラリーを続ければきっと距離を縮められる……そう信じて意気揚々に再び会話のボールを投げた。
「う、うん! ドライアイ……花粉症とか?」
「違う。 泣いてた。 死にたくて」
「え」
泣いてた? 死にたくて?
はい、キャッチボール終了です。
山田さんから投げられたボールはグローブに入ることなく地面に落ちる。 軽く聞いただけなのになんて重たい理由……これがいわゆる『病み系女子』ってやつなのか?
女子たちがコミュニケーションを諦めるわけだ。
話しかける相手を間違えた。
少し惜しいがオレは山田さんと友達になることを早々にギブアップ。
とりあえずきっかけを作ったのはオレなんだし、会話だけは締めておこう。 そう感じたオレは、どうせ教えてはくれないだろうとは思いながらも「な、なんで死にたいって思えるほど泣いてたの?」と尋ねることに。
しかしその返答にオレは我が耳を疑う。
「シャーペンの芯」
「ん?」
「一本しかないのに今日提出のプリントに名前書こうとしたら5回連続で折れた。 もう後がないのに……死にたい」
ーー……。
「は?」
なんてクソどうでもいい……ゲフンゲフン、いや、小さな理由。
オレが「そ、それが理由?」と聞き返すと山田さんは「うん」と小さく頷く。
「そんなの誰かに借りれば……てか貰えばよくない?」
「借りれる人いない」
「中学の時の同級生とか」
「いない。 中学の同級生みんな嫌いだったから離れた高校選んだ」
「え、それオレも一緒……」
「え?」
ここにきて急な親近感。
オレはすぐに筆箱からシャープペンシルの芯を3・4本取り出すと、「はいこれ」とそれらを山田さんに渡す。
「ーー……いいの?」
「いいよ。 オレも山田さんと一緒で中学のメンバー嫌いでこっちきたんだ。 なんか親近感湧いちゃってさ。 それあげるよ」
「ありがとう。 これで今日一日生きていける」
「お、おお。 それは良かった」
「えーと……」
山田さんがオレの胸元に視線を向けながらじっと何かを探している。
うん、なんとなくだけどそんな感じしてたからいいんだけどさ。
「ちなみに山田さん、オレの名前……分からないやつ?」
あ、そういえば言ってなかったな。
オレの名前は阿蘇 虎徹。 高校大学と剣道部主将だった父がオレに剣の道に進んで欲しいという一心で命名したちょっと迷惑な名前だ。
もちろん生まれてこのかた剣道の『剣』の文字もかじっちゃいないぜ。
オレが自身の名前を問いかけると山田さんの身体が僅かに動く。
「キミの……名前?」
「うん、オレの名前」
なんだかんだで入学式後に全員の前で自己紹介したし、思い出してくれるはず……そう考えていたオレだったのだが。
「ーー……ちょっと待って。 今思い出す」
「う、うん」
「確か、ユニークな名前だった」
「うんうん」
「それでいてなんか変態っぽい名前だったような」
「は?」
「ヒントは?」
「ヒントか……、苗字は阿蘇」
「あ、アソコがタツで……阿蘇こたつだ」
「阿蘇虎徹じゃーーーい!! てかなんだその覚え方……変態なのか山田さん!!」
「あ、うん。 よろしく阿蘇虎徹くん。 シャーペンの芯ありがとう」
「え、あ……スルーですか。 はい、どうしたしまして」
この日の山田さんとの会話はこれにて終了。
『病み系女子』……初めて見たぜ。 これは下手に関わると危険、取扱注意だな。
オレは自身の心に気合を入れて新たな友達候補がいないか周囲を見渡すことに。
しかし結果、残念なことに誰一人孤独に座っている生徒など存在していなかったのだった。
「ーー……どうしよ」
◆◇◆◇
あれから数日が経ち、今も孤独なオレ。
そんなオレの視線が向けられているのは隣の席の山田さん。 あまり関わらないようにしようと思っていたのだが、どうしてもそういうわけにはいかない……お近づきになりたい理由があるのだ。
正直に言おう、山田さんは爆乳。
男にとって乳とはまさにこの世の楽園。
おそらくこのクラスの男子たちも皆、山田さんのボヨヨンに気づいているに違いない。 しかしお近づきにならないのはなぜか……そう、きっと諦めているんだ。
暗い山田さんに話しかけて仲良くなる可能性なんてほぼ0に等しい。 だったら他にも大きめの子は少なからずいるんだし……みんな仲良くなれるであろうそっちに行くよな。
別に触りたいとか顔を埋めたいとかそういうものではない。
ただ目の前にあるそれをじっと見つめていたいだけなんだ……
オレはまるで神様を拝むような眼差しで山田さん……もといその豊満なボヨヨンを眺める。
するとこれは……オレの視線に気づいたのか? 机に突っ伏していた山田さんの身体がピクリと反応。 一瞬こっちを見たかと思うと、再び顔を机に押し付けながら大きくため息をついた。
「ど、どうしたの山田さん」
「死にたい」
「ま、また? 今度はなんで?」
「少し前に出た【魔獣ハンター】ってゲーム、昨日買ったんだけどチュートリアルがクリア出来ない。 トリクックっていうチュートリアル用の魔獣が倒せなくて昨日寝てない」
魔獣ハンター……言わずもしれた名作の魔獣討伐ゲームだ。
確かあれって発売してから今で半年くらい……オレも寝る間も惜しんでやったものだぜ。
「え、ええええ? それだけで!? あんなの緊急回避で攻撃避けて、そのまま攻撃当てれば終わるやつじゃん」
「ーー……おっきくん、知ってるの?」
山田さんが机とこんにちはしていた顔をゆっくりと動かしオレをジトッと見つめてくる。
「知ってるもなにも、オレもうそれストーリーモードクリアしたよ? てか『おっきくん』ってなんだよ理由はあえて聞かないけどよー」
「代わりにやって」
「いいけどどうやって持ってくんの? うちの学校かなり持ち物検査厳しいだろ? バレたら親呼び出しコースだぞ」
「あったらやってくれる?」
「そ、そりゃあまぁ別にチュートリアルなんか数分で終わるから構わんが」
「じゃあ次の休み時間」
「え?」
「持ってきてるから」
山田さんが机の下で誰にも見えない位置からオレに親指を立てる。
といっても早朝のためまだ誰も来ていないのだが。
「ええええ、持ってきてんの? でも朝のホームルームで持ち物検査あるだろ! バレたらどうすんだよ!」
「ここに挟んでるからバレてない」
「ーー……ここに?」
「うん。 おっぱ……」
「!!!!!」
オ、オヒョオオオオオオオオオ!!!!
あまりの嬉しさに体が跳ねる。
今が早朝でよかった。
まだ教室にいるのは遠方から通ってきているオレと山田さんだけ。
こんなの断るなんて男じゃない。
それからオレは休み時間になるやいなや山田さんと時間差で教室を出て、あまり人のいない図書室の隅で静かにチュートリアルをクリアしてあげることに。
「なんでおっきくん震えてるの? 緊張してる?」
「そ、そりゃあそうだろ。 だってこのゲーム機、さっきまで山田さんの……」
「あ、やっぱりおっきくんだ」
「う、うるさいなコンプレックスなんだからスルーしてくれ!」
ちくしょう、ちょっとだけ嫌なこと思い出しちゃったぜ。
ただこのチュートリアルをクリアしてあげたことをきっかけに山田さんはオレにだけ病み発言を積極的にするように。
そしてオレも爆乳には逆らえないからな……その全てに反応し、解決してあげていくことになる。
◆◇◆◇
「魔獣ハンターのデータ消えた。 死にたい」
「あー、まじか。 じゃあランク上げ手伝ってあげるから放課後ネットでやろうぜ」
◆◇◆◇
「スマホ落としてヒビはいった。 今やってる音ゲー、今日からイベントなのに出来ない死にたい」
「んじゃーオレのスマホにインストールして貸してやるからアカウント連携していいぞ」
「あ、エッチな画像発見。 さすがおっきくん。 これ見ておっk……」
「やっぱ貸さんぞ」
◆◇◆◇
「今日だけで触ったもの静電気で3回以上バチってなった。 痛くて死にたい」
「へー、嘘くせー。 ちょっと触ってみ?」
バチィっ!!!
「痛っ! マジじゃん」
「ーー……もう1回」
「やらねーわ!」
◆◇◆◇
「ちょっ……どうしたの山田さん! 雨も降ってないのに髪の毛ビチャビチャで……。 誰かにイジメられたの!?」
「死にたい」
「誰にやられたの」
「昨日寝てなくて、目を覚まそうと思って自販機で炭酸買った。 そしたら栄養ドリンクのノリで振っちゃって自爆した」
「えええ、山田さんってもしかして天然?」
「ーー……同情してくれると思ったのに。 もう死ぬ」
「あああ、ごめん! でもあれじゃん、髪が濡れたおかげで初めて山田さんの顔ちゃんと見れた気がする……今日は目、充血してないんだね」
「ーー……!! し、死ね!」
「ええええ……!」
◆◇◆◇
「えー! 山田さん前髪切ったんだ! それにコンタクトにもしちゃって雰囲気変わったね」
「う、うるさい」
「なんで? 似合ってるけど」
「ーー……死にたい」
「褒めたのに!? でも髪切ったのもコンタクトにしたのも山田さんがやりたくてしたことなんでしょ? なのになんで死にたいだなんて……」
「おっきくんの顔……見えすぎて恥ずかしい。 死にたい」
ズキュン!!!!
「あ、おっきした。 これもよく見える」
表情が明るくなった山田さんは口角をニマッとあげながらオレを見てくる。
「う、うるさいな。 前にも言ったけどオレこれコンプレックスなの! 中学のときこれが原因でイジメられたんだから」
「そうなの?」
「そうなの! オレはこうなりやすい体質なんだけど、水泳の授業の時とかみんなの笑いの的にされて……それでさらにおっきくしちゃって。 だからそれ聞くたびに心抉られるから勘弁してくれ」
あ、やべ。 つい中学のこと思い出して強気で言ってしまった。
「えっと……ごめん強く言い過ぎたかも」
流石に今のはオレが大人気なかったな。
オレは素直に山田さんに頭を下げる。 するとどうだろう……山田さんは目を大きく見開いたまま固まっていて、オレが顔をあげて視線が合うと小さく口を開いた。
「私と同じだ」
「え」
「私もこんな胸してるから中学の時は男子や女子たちからバカにされてた。 だから私はこの胸コンプレックス……みんなに注目されないように髪を伸ばしたり、メガネをかけたり前髪を伸ばしたりして、周囲の目に気づかないようにしてた。 でもコソコソ生きてるの本当にしんどくて死にたかった」
なんてことだ。
まさか山田さんもオレと似たような悩みを抱えていたなんて。
ということはあれか? オレはそんなコンプレックスを抱えていた山田さんの胸に欲情して、山田さんの前で恥ずかしくも興奮してしまいあんな痴態を何度も……
オレがあまりの自分の最低さに絶望していると、それを不思議に感じたのか山田さんが「おっき……阿蘇くん?」と顔を覗き込んでくる。
「いや……今まで通りおっきくんでいいよ。 オレも山田さんに最低なことしてきたんだから」
「最低なこと? なに?」
「あぁ。 ほら、オレ山田さんの前で何回もこうなってしまってただろ。 あれ正直にいうと山田さんの胸を見てこうなってたんだ……だから山田さんもオレのこと、好きに呼んでくれていい。 もしオレと絡むのが辛いなら別に離れても……」
「知ってたけど」
山田さんはオレの言葉を遮るように発言。
初めて見る優しい笑みを浮かべながら自身の胸に手を当てた。
「え」
「だっておっき……阿蘇くんがそうなったとき、近くに私しかいなかったし。 だから『あー、私でそうなってるんだなー』って」
「嫌じゃ……なかった?」
「うん、不思議と別に。 それに私だってそうなったおっきくんのこといじってたしお互い様。 あ、また私おっきくんって言っちゃってた。 ごめん」
「いいよもう。 なんか逆にそっちの方がしっくりくるわ」
「じゃあおっきくんで。 おっきくんも私の胸、別に好きに見ていいよ。 触るのはダメだけど」
「い、いいの?」
「うん。 なんども視線感じてたから分かる。 好きなんでしょ?」
「す、好き!! 大好き!!! 今まで見てきた胸の中で、山田さんの胸が一番好き!!!」
なんという進展。 友達になりたかっただけのはずが、まさか本人に許可を貰える日が来ようとは。
許しを得たのだからもうチラ見する必要はない。 早速オレは堂々と山田さんの胸の前へ。 そのはち切れんばかりの夢の世界を存分に堪能しようとしたのだが……
「や、やっぱり今日はもうダメ」
一体どうしたというのだろう。
山田さんは両腕でそれを隠すと頬を膨らませプイッとそっぽを向く。
「え、なんで……」
「なんかちょっとムカついた」
「どの場面で!?」
「ちょっとは気づいて欲しかった。 死にたい。 とりあえず今日は見るの禁止」
「ちょおおおお!!! それは勘弁……オレの方が死にたくなったんですけどおおおおおお!!!!!」
何に機嫌を損ねたのかはわからないが山田さんはそのまま黒板の方に体を向けて口から小さく舌を出す。
髪を切ってコンタクトにしたのもあるのだろう……オレは山田さんの顔が結構可愛いことに気づいてしまい、しかもそんなあざとく「ベー」とするもんだからオレの心は山田さんの爆乳以上に大きく鼓動し破裂しそうになってしまったのだった。
「ーー……山田さん、オレ死にそう」
「ふふ、私も。 でもそれよりももうすぐみんな来る時間だし、早くそのおっきくんどうにかしといた方がいいんじゃない?」
「あ、ほんとだ。 じゃあちょっくらトイレに……」
もう山田さんには見られてるからな。
オレは堂々と立ち上がると身体を教室の扉の方へ。 ささっと静めて朝のホームルームまでには戻ってこようと考えていたのだが……
オレが足を一歩踏み出したと同時……楽しそうな笑い声とともにガラガラと扉が開かれたのだ。
「おはよー……てか、え!? 山田さん!? どうしたの髪切ったの!? めっちゃ可愛いじゃんーー!!!!」
「ほんとだぁーー!!! てか逆にその隣の阿蘇くんはどうしたん? 前のめりになって……お腹痛いのー?」
ぎゃああああああああ!!!! タイミング逃したああああああああ!!!!!
しかも来たのギャルだしー!!!!
幸いなことにギャルたちの興味は大きな変貌を遂げた山田さんの方へ。
オレはギリギリバレない角度で再び席に座るとお腹を押さえた状態のまま素早く脚を組む。
「大丈夫阿蘇くんー。 保健室いくー?」
「え、あ、大丈夫ありがと」
そう苦笑いで答えるとどうだろう。
ギャルの1人がオレのもとへ。 「てかあれじゃん。 阿蘇くんともウチら話すのなんだかんだで初めてじゃない?」とその場でしゃがみ込みながらニヘヘと見上げてくる。
「そ、そうかな」
「ずっと孤高って感じだったもんねー。 別に私らこんな派手系だけど遠慮せずに絡んできていいかんねー?」
急に騒がしくなった朝の教室。
オレと山田さんはほぼ同じタイミング……誰にも聞かれない声量で小さく呟いた。
「おっきバレる……死にたい」
「おっきくんは私のだし。 死にたい」
お読みいただきましてありがとうございました!
励みになりますので評価やブクマ・レビュー等していただけると嬉しいです。
青春を謳歌してますねぇ!!
他にも作者、人生を『謳歌』するような作品を超・長編で書いてますので、作風があってたなーと感じて頂いた方はよろしければそちらも是非。 長編の方は挿絵かなり描いて挿れてます!