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中編

   

「……あれ? 女の子に『きれいになったね』は禁句だっけ? これもセクハラになるのかな?」

 黙ってしまった私に対して、少し困った顔になる米野くん。

 私は否定の意味でバタバタ手を振りながら、慌てて口を開いた。

「そんなことないよ! むしろ嬉しいくらい! ただ、突然だったから驚いて……」

 そう、突然だったのだ。

 つい先ほどまで私たちは、低声部独特の苦労や面白さについて語り合っていたのだから。

 低声パートとして、全体の音楽を下から支えることの心地よさ。私はアルトだから、女声合唱では低声だが混声合唱では内声となり、今度は間に挟まって和音を構成する、という楽しみに変わる。

 ベースは混声でも男声でも一番下だが、米野くんはベースとしては高めの声なので、男声合唱の時はベースの上半分、つまりバリトンに回っている。だから内声ということになり、やはり私のように、低声と内声の両方を経験している形だった。

 だから、本当に話が合う、という感じで……。

 前々から私は「米野くんって、なんだか素敵」と思っていただけに、その恋心が加速していくのを、自分でも感じていた。

 そんな時に「きれいになった」と言われたら、そりゃあ、驚いて硬直もしますよねえ?

   

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