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職猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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正義の審判ニャゴロ―


 黄金週間到来!

 浮かれた人間どもが営業先の一つである公園へ我も我もと詰めかける。

 各々”ビービーキュー”などとの不可解な暗号を口にしながら所かまわず陣を張りめぐらす。

 まさか戦争でも始まるのか?


 至る場所から狼煙が上がり、普段はのどかな草原がこの時ばかりは人で埋め尽くされるのだ。

 そう、戦勃発である。


 すぐさま”うえぇぇぇいっ!”や”ちぁぁぁぁっす!”などの怒号と共に肉の焼けるニオイが一面を覆いつくす。

 これはきっと人間が焼かれている臭いなのだろうな。

 なにせ戦に火はつきものだから。

 

 とはいえ、ヤツ等でも焼けるといい匂いがするのだな。

 非常に香ばしくて美味しそうな食欲をそそるニオイが。


 我輩は川縁にある葦群の中から様子を伺うも、いかんせんどうにも見にくいのである。 

 もう少し前へだな……。


 そんな中、群衆の群れの中へ一つの影が飛び込んだのが目に入った。

 あのドラ猫カラーリングは……ニャー吉か!

 なんたる自殺行為!


 以前からバカだバカだとは思っておったが、よもや戦の中心へ無策で飛び込むほどの大うつけとは思いもよらなんだ。

 ご愁傷様だなニャー吉よ。


 

 成り行きを見守ること十数分、ヤツは群衆の中から何事も無かったかのように帰還する。

 その口にある巨大な戦利品を見せびらかすように。


 人肉か!

 ヤツも遂に猫の道を踏み外したのか!?

 野良の風上にもおけんわ!

 天に変わり我輩が成敗してくれる!


 思い立ったら即実行、出来る仕事師ニャゴロ―とは我輩のことだ!

 とくとご覧あれっ!



 この直後、大勢の家族連れで賑わうバーベキュー場が修羅場と化す。

 たかが二匹の猫がケンカしていただけなのだが、爪を立てて絡み合うその激しさに周囲の人間達はビビりまくりちょっとしたパニックに陥った。しかも転げまわりながら暴れるものだから、まるでボーリングの球がピンを弾き飛ばすようにあちらこちらのバーベキューコンロを倒していったのである。

 真っ赤に燃えさかる炭が近くの荷物へ飛び込んだと思ったら一瞬で着火、瞬く間に火の手が上がり大惨事に! 

 しかもそれが複数個所で発生したのである!


 消防が駆けつけなんとか鎮火したものの被害は甚大で、バーベキュー場はその名の通り焼け野原となっていた。

 警察も到着して原因を探るべく被害に遭った人々から事情を聴くと、思いのほか簡単に犯人が割り出されたのだ。


 「猫だった」

 「猫が凄まじい勢いで回転しながら襲ってきた」

 「模様はよく分からなかったが、色は茶色と白と黒だった」

 「きっと三毛猫だと思う」


 茶色いドラ猫ニャー吉と白黒のハチワレニャゴロ―が絡みながら激しく回転したが為、どうやら人々の目にはそれが一匹の猫で、尚且つ動きも素早かったから複雑な模様よりも色のみを認識してしまい、その結果、冤罪を生むハメとなってしまったのである。


 この後商店街から三毛猫であるニャン吉が姿を消した。

 

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