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職猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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調香師のニャゴロ―


 茹だるような暑さが続くこの時期、様々な臭いがこの世界を呑み込む。

 

 おいしそうな匂い。

 気持ちを落ち着かせる香り

 反吐の出るバッドスメル。

 ゴミ虫から放たれる悪臭などなど。

 

 どれ、ここは一つ、我輩自身で全てかぐわしきニオイに代わるようカホリを混ぜ混じぇしてみるか。


 とりあえず、この町の汚物であるゴミ虫邸宅へ散歩がてら足を運ぶ。

 おーお、儲かりもしないみみっちぃ仕事をチクチクやっておるなゴミ虫めが。


 「ウニャーン?」


 先ずは様子を伺う先制こすりつけ攻撃!

 これによりヤツの足元は我輩の毛まみれに!


 「お、ニャゴロ―よ、手伝いに来たのか? お前から見ても俺が忙しいって分かるんだな」


 キサマ如きが忙しいだと?

 なめるなよゴミ虫めが!

 

 ムカついたからヤツの近くにある湿布臭を振りまくカンカンのスイッチをポチっとな。


 {プシュウゥゥゥ}


 「お、お前ここに潤滑剤がいるって分かったんか? おかげで錆びていてもすいすい動くようになったぞ」


 クサイ!

 辺り一面が湿布の香りに包まれる!

 どうしてゴミ虫は平気なのだ!?

 

 それでなくとも悪臭を放つヤツは、倍々更に三倍増しで極悪臭の塊となった。

 このままではこの町の存亡にかかわるぞ!?


 その後も様々な香りを混ぜ合わせてニオイの元を絶つ為に努力を重ねる。

 

 「お、ちょうどそこにグリスを塗りたかったんだ」

 「マジかニャゴロ―? 灯油で浸したパーツまで洗ってくれるのか?」

 「流石にガソリン入れるのはやめとけよ。それは危ないから俺に任せておけ」

 「塗料の調合をしてくれるのはありがたいが、ちょっとだけ毛が混じったぞ」


 全身全霊を込めて臭い消しへと躍起になるも、そのどれもが手ごたえ無し。

 気付けば外は、カラスが鳴くオレンジの空へと移り変わっていた。


 「ご苦労さんニャゴロ―。今日はもうおしまいだ。いつも憎たらしいけど、流石に俺が忙しい時は悪さもしないんだなお前。ホレ、今日のバイト代だ」


 ゴミ虫は我輩の口へ何かをねじ込んだ。

 まさかこれは!?


 「今晩の酒の肴にしようと思っていたクサヤを少し分けてやろう。ニオイが強いから家へ戻る前に食べておくんだぞ」


 いぃぃぃぃゃっほぉぉぉぉぅっ!

 クサヤ!

 クサヤ!


 我輩はテンションダダ上がりでゴミ虫の言葉もすっかり忘れ、ダッシュで帰宅!

 リビングでゆっくり食べようとテレビを見ていた美也殿へ近づいた途端!


 「クサっ! ニャゴロ―あんたウンコ咥えてない!? しかもガソリンやら灯油やらの混じった臭いがするし肉球も得体の知れない油でドロッドロじゃないっ! ちょっとおかーさーんっ!」


 「!」


 この直後、我輩は眠りについた。

 たぶん永遠に……。

 

 

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