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職猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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スパイスマスターニャゴロー


 天空が血の色に染まる時、我輩のヨダレ製造器官を情け容赦なくぶっ壊すどこからともなく漂ういいカホリ。


 ほほう、こっちの家は肉を焼くニオイだな。

 なるほど、向こうの家はグリルドフィッシュか。

 ムム、坂の病院からはアルコールと老人の死臭に混ざってなにやらイカ臭さも。

 鼻先に全神経を集中させ、臭気の分析を試みるに……フォンドヴォーか!

 

 各々がソリストとなりうる地中海の魚介たち。

 種まきから収穫までの期間、愛情いっぱい丁寧に育てられたそれらの野菜は幼少期から英才教育されたピアノのマエストロと何ら遜色ない。

 これらを惜しげも無く寸胴鍋にぶち込み、火にかけられること十数時間、そこから絞り出されるウマミ満載のゴージャスでデリシャスなスープはメジャー楽団のオーケストラにも引けを取らない。

 

 ブラボー!

 坂の病院は食に関してだけ満点だな。

 他はアレだけどな。

 

 言っておくが我輩そんなニオイ如きに釣られはせんぞ?

 なめるなよ病院めが!


 そんなワケで坂の病院はスルーしてっと、次はゴミ虫の家か。

 あそこは料理自慢のチチママがいるからこれまたいいニオイを振りまくんだな。

 今日はというと……うん?


 なにやら我輩の嗅覚を刺激しまくる不思議なニオイ。

 様々な香辛料がぶつかりあってビリビリとした臭気が鼻の奥で次々爆発する。


 ニオイの元をたどってゴミ虫バイク店から侵入。

 フム、ヤツは今席を外しているようだ。

 これはシメシメっと。


 おかげで難なく本宅侵入に成功。

 途中、チカチカに光るスナッポンと刻印された銀色の道具類へ放尿、更には棚の上に積み上げられた複数の円柱缶を床へ叩き落し我輩が店を訪れたアピールも忘れない。


 ひと仕事を熟しつつ、ニオイの発生元であるキッチンへ。

 そこではチチママが額に汗を流しながらも大きな鍋の前で作業をしていた。


 一体何をしているのだ?

 なにかを制作しているのか?

 

 もしかするとこの先我輩の仕事に役立つものを作っているのでは?

 そんなワケでその作業へ目を向けることにした。

 

 決して好奇心からではないからな!

 し、仕事の為だからな!


 トントントーンとチチママの背面へ爪を立てて彼女の肩の上まで一気に駆け上がる!

 この時「イタタタタッ!」との悲鳴をあげていたような気もするがガン無視。

 そして高所から見下ろすようにチチママの手元へクリックリのニャンコの目を向けると……


 ウンコではないか!

 コヤツはウンコを鍋で煮立たせておるぞ!?

 頭がパーになったのか?


 ハッ!

 もしやこれはゴミ虫のエサ?

 それならば納得できるのだが……


 「コラッ! 急に後ろから飛びついてきて、痛いじゃないのよニャゴロー!」


 ヒエッ!

 ドロッドロのウンコがついた首が折れ曲がった一際大きなスプーンを振り上げよった!

 まさか我輩へそれをねちょくるつもりなのか!?


 ニギャアアアアアッ!

 ブリブリブリ……どっぷんどぷん。


 「あぁっ! カレーの中へニャゴローのウンコがっ! ウラアァァァァァァァァッ!」


 

 この後我輩はチチママの手により香辛料よりも激しく爆発するのであった。


 

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