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職猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
15/52

刑事ニャゴロー


 それは暖かい昼下がり、商店街裏手にある細い路地にて起きた。

 

 我輩がパン屋を横切ろうとした瞬間、店内から飛び出した娘に即確保される。

 悪徳キャッチセールスをも凌ぐ捕獲術で何が何やら分からぬうちに抱きかかえられ店内へ引きずり込まれた。


 彼女のママ君がら『どうせだからそのままお昼たべておいで』と言われ、自分の周りを片付け始めた娘の一瞬のスキを突いて脱出!


 「あっ! もう、仕方ないこねぇ。今度見つけたら分かってるんでしょうねっ!」


 この捨て台詞を言い放った時のパン屋の娘は深海魚よりも醜い顔をしていた。

 ヒェッ!


 で、ここからが本題。

 悪の館から逃げ出した我輩はパン屋の裏手路地に逃げ込んだのだが、そこには驚愕の光景が!

 

 なんと猫の死骸が道路ど真ん中に横たわっているではないか!?

 しかも汚らしい虎のカラーリングを見る限り間違いなくニャー吉!

 何が起きた!?


 「ワンッ!」


 うるさいわバカ犬が!

 びっくりして我輩の心臓が破裂するところだったぞ!

 まったく、どこのバカ犬か知らぬがむやみやたらと鳴くんではない!

 

 とはいえ声は聞こえど姿は見えずか。

 しかし今はバカ犬探しにかまけている場合ではない。

 とりあえずニャー吉の検死をしなければな。

 

 恐る恐る近づき様子を確認。

 不思議と彼の全身はねっちょりベタベタ。

 ドブにでも落ちての溺死?

 ※気絶しているだけ


 「ニギャーッ!」


 すると今度は少し先で悲鳴が! 

 第二の犠牲者か!

 今なら犯人がまだいるのではないのか!


 我輩ダッシュで悲鳴の聞こえた方向へ。

 燃えさかる刑事魂が我輩の体を事件現場へと向かわせる!


 え?

 ニャー吉はって?

 今はあんなんどうでもいいであろうが!

 既に只の生ゴミと化しているのだからな!


 そして先程の場所から一つ角を曲がっただけの事件現場に到着するや否や直ぐに状況を確認。

 そこには先程と同じ様に一匹の猫が横たわっていた。

 勿論ビッショビショで。


 一見シャムネコみたいだが野良臭が半端ないな?

 お前は……誰だっけ?

 たしかどこかで会ったような?

 ウーム?


 ここでムクりと起き上がる死体。

 右前足を大きく振り上げたと思ったらそのまま斜め下へ!

 我輩の頬目がけて打ち下ろす激しいパンチ!


 「グニャッ!」


 あかん!

 脳を揺らされた!

 歪む視界に不細工なシャムネコモドキが幾重にも重なり映る!

 

 思い出した!

 キサマはニャン太郎ではないか!

 このショックで脳が活性化したとみえる!


 しかしダメージは思いのほか大きい。

 立てども立てども転がる我輩!

 平衡感覚がゼロで天地すらあやふやに!


 「ワンッ!」


 だからウルサイわバカ犬がっ!

 一体どこの……うぉっ!


 我輩の記憶はここで途絶えてしまった。



 この数分後、パン屋の娘がニャゴローを発見する事となるのだが、この時の彼はやはりビショビショだった。

 そう、これは全てゴン太くん(ラブラドールレトリバー)の仕業。

 遊ぶつもりで激しく舐め回しただけのだが、如何せん猫如きではカバーできないその体格差。

 犬特有である多量の涎に溺れてしまい、小柄な猫達は気絶してしまったのだ。

 なんともお粗末な事件であった。

 

 

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