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ALICE IN FAIRY TAIL  作者: 白月兎 夜
怠惰の物語
8/9

人魚姫

名前をミキちゃんに変えました

_______________


魔女の力で人間の女になった人魚姫は、口のきけない身で人間の世界へ戻り、王子の城をたずねました。

「おお、なんと美しい娘だ」

 王子は人魚姫をひと目見て気に入り、妹のようにかわいがりました。

 しかし王子の心は、命の恩人と思いこんでいる、あの浜辺で会った娘にうばわれていたのです。

 やがて王子と娘は、結婚式をあげることになりました。

 二人は船に乗りこむと、新婚旅行に向かいます。

 王子と結婚できなかった姫は、次の日の朝、海のあわになってしまうのです。

 しかし人魚姫には、どうすることもできません。

 ただ、船の手すりにもたれているばかりでした。

 そのとき、波の上に人魚姫のお姉さんたちが姿を見せました。

「魔女から、あなたのためにナイフをもらってきたわ。これで王子の心臓(しんぞう)をさしなさい。そしてその血を足にぬるのです。そうすれば、あなたは人魚に戻れるのよ」

(もう一度、人魚に!)

 人魚姫はナイフを受け取ると、王子の眠る寝室へと入っていきました。


________________


学校から家に帰るとママは居なかった。

だぁれもいないリビングのテーブルには、ママからの手紙があった


海姫(みき)へ。(りく)のリハビリに行ってきます。帰ってくるまで学童かおばあちゃん家に居てね。18時頃には家に戻ります。お迎えには行けないから、それ迄に1人で帰ってきなさい。ママより』


「………」


ミキはママの手紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨ててやった。ざまぁみろ。


ママは(おとうと)が生まれて来てからいっつも陸の事ばっかり。パパもおじいちゃんもおばあちゃんも。

みーんな陸ばっかり大事にする

おばあちゃんなんかいっつも


「陸は『アトトリ』だから」


って言うんだ。『アトトリ』ってなぁに?ミキにはわからないよ。

わからないけれど、みんながミキよりも陸が好きなのは良くわかるよ。

だからミキは陸が大っ嫌い。ミキからみんなをとっちゃったから。陸がいるからミキは好きになって貰えない。そんなの嫌だ…

いなくなっちゃえばいい、死んじゃえばいい!!!


そう思ったから…


だから…


ずっと前にミキと陸でお留守番してる時に、陸を階段から突き落としてやったんだ…


ボールみたいにころころ転がってく陸はとっても面白かった。


でもね、陸は死ななかった。

死ななかった癖に歩けなくなった。


そしたらもっとママは陸にばっかりになった。パパと喧嘩ばっかりするようになった。おじいちゃんもおばあちゃんもママを怒るようになった。

ママはいつも泣くようになった。


これも全部、陸が居るからいけないんだ。陸がいるからみんな悲しむ

陸がいるからミキは誰にも愛してもらえない。


羨ましい、妬ましい…


そんな時に『人魚姫さま』が来てくれた。『人魚姫さま』にいろんな事教えてもらった。

黒の本をいっぱい集めれば願い事たくさん叶えてくれるって言ってた。

そしたら陸を消せるかもしれないって。

ただ殺すんじゃ、またママやパパやおじいちゃん、おばあちゃんが悲しむ。


…だったら、()()()()()()()()()()()事にすればいい。


それを願い事にすればいい…


だから、


早く願い事を叶えたくて頑張ろうとしてたのに…


なのに…


なのに…


なんでミキはこんな真っ暗な所にいるの…?



*******



「助けてよママァ!!!!」


悲痛な少女の叫びが真っ暗な虚空に響くが誰も答えない。

上下左右、全て黒で塗りつぶされた漆黒の空間に海姫は1人放り出されていた…


「ごめんなさいごめんなさい!!!ミキ、良い子にするから!!!だから誰か!助けてよぉ!!!!」


「うっせーな…ピーピー喚くんじゃねぇよ!」


「え…?お兄ちゃん、誰?」


海姫以外誰も居なかったはずの空間に1人の男の子が現れた。

海姫より少し年上だろうか…全身緑色で統一された衣類を身にまとった奇妙な少年。

緑の少年は不機嫌丸出しの表情で海姫を真っ直ぐ見つめている


「大体よォ、『嫉妬』の大罪持ちの癖に弱すぎんだよテメェは。見てて超つまんなかった。さっさとやられ過ぎ。マジ使えねぇよお前は。本当いらねぇ。お情けで生かされたみてぇだけど俺がお前を消すわ」


「消すって、ミキを消しちゃうの?!嫌だよ!消えたくない!消さないで!やめてよ!嫌だ嫌だ!!!」


「うわっ!くっついてくんじゃねぇよキモイな!必死かよ。マジキモイな!」


「ギャッ!!」


少年に縋りついて許しを請うも、海姫は蹴り飛ばされてそのままその場に倒れ込む

蹴られた痛みで蹲った海姫に少年は近づき、右手を海姫の頭に添えた


「お前みたいな馬鹿ガキに黒の本(ものがたり)を渡したのが間違いだったわ…次はちゃんと考えて渡そ。そうじゃなきゃゲームを楽しめないしなぁ…じゃ、ばいばーい」


「あっ、待って、やめ____」


言葉を最後まで発する事は許されなかった…


海姫の頭に添えらた少年の右手が僅かに発光すると、瞬く間に海姫は粒子状の塵となって消えた。

その塵は風もない筈の漆黒の空間に散り散りに散開し、そのまま見えなくなっていく…


後には緑色の少年しか残っていない


「しっかし『怠惰』のヤツ、ちゃんとルール理解してんのか?黒の本も奪わない、殺さないなんてルール違反だろ…つまんなくされる前にちょっくらクギ刺しとくかなぁ…」


『人魚姫』と金色の文字で書かれた漆黒の本を片手に、少年は1人そう嘆くとそのまま姿を消した。


そして、この空間に誰もいなくなった

人魚姫のプロフィール


魚沼 海姫(うおぬま みき)8歳 女

司る魂:水

大罪:嫉妬


弟は陸くん。両親は個人院を経営してます。要は医者の娘

容姿はまぁまぁ可愛い。

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