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最強魔法使いで先生になるはずの俺が教え子の使い魔に!?  作者: 雅國
~初めての旅行、初めての海~
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第56話

「あれが海・・・」

「・・・ソフィアさんって海初めてなんですか?」

「うん。湖なら行ったことあるけど、海は初めて。ミレイさんは行ったことあるの?」

「な、何回かあります」

「そうなんだぁ」

「う~~~・・・」


 ソフィアと準決勝でソフィアと戦ったミレイ・フィンスが話している途中に、ココナの呻く声が聞こえてきた。


 今俺達は馬車である場所を目指して移動中だ。因みに面子は俺、ソフィア、ココナにミレイが加わった3人と1匹だ。

 相変わらずココナは窓で干された布団のようになりグロッキー状態だ。

 ソフィアとミレイは向かい合って座り、先程から色々な話をしている。


 先程までは森と平原を走っていた馬車だったが、今は窓から広大な海が見えていた。


「そ、そうなんですね。それなら波にはちゅ、注意が必要です」

「な、なにかあるの?」


 真剣な眼差しで語ってくるミレイに、ソフィアは何があるのか聞き逃さないように前屈みになる。


「にゃう」


 ソフィアの膝上で寝ていた俺にソフィアの胸が押し付けられる。

 ソフィアは気が付いていないのか、ミレイの話を聞こうと集中しているようだ。


「う、海の波は人を拐います」

「拐うの?」

「・・・・・・はい」

「人を?」

「・・・・・そ、そうです」

「・・・・・・・・・・・まさか魔法生物だったなんて」

「・・・・・?」


 ソフィアの顔が青くなる。ミレイはソフィアの声が聞こえなかったのか、首を傾げている。


(いや、確かに波は人を拐うけど、ソフィアは違う意味に捉えてるぞ)


「う、海って危険な場所なんだね」


 ソフィアの海を見る目が変わった瞬間だった。



 ☆     ☆     ☆



 時は少し巻き戻る。


「お休み・・・ですか?」

「そう。貴方達は真面目にクエストも行っているし、試験も真面目に・・・ミールさんは真面目に受けていたから、たまには休んだらどうかしら?」

「先生、なんでココナを見て言い直したの?」


 試験のトーナメントで優勝してから数日後、ジャネットの個室でそんなことを言われた。


「で、でも私、休みの日って大抵クエストを受けるので」

「だーかーらー、そういうの無しで休んだらどうって言ってんのよ。あまり詰め過ぎると身体壊しちゃうわよ」


 確かにソフィアはあまり休むということを知らない。遊びに行くとしてもココナ主体で動くことが多いし、家にいても掃除が魔法の勉強しかしていない気がする。


「でも、そうしたら私は何をしたらいいんでしょうか?」

「あのねぇ・・・」


 休みは自分の好きなことをしていい。ただそれだけなのに、こんな質問を返されるとは思っていなかったジャネットは頭を抱える。


「そうねぇ・・・それじゃあルマルタに行ってきたら?」

「ルマルタって確かここから南に行った海沿いにある町・・・ですよね?」


 ルマルタはフォルティスの町から南に馬車で約1週間程で到着する港町だ。ここは港町であると同時にリゾート地でもあるので、今のような暑い季節には観光客で賑わうのだ。


(ルマルタか。俺も仕事でしか行ったことないな)


 確かあの時はルマルタの港に大量の海の魔獣が押し寄せたから、その退治をしたんだったな。


「ルマルタ行くの!?ココナも行きたい!!」

「まだ行くって決めたわけじゃ」

「あそこの海鮮料理って美味しいんだぁ・・・」


 ココナは思い出しているのか、目をキラキラさせて夢の世界へと旅立つ。


「・・・ジャネット先生、ルマルタに行かせてもらってもいいでしょうか?」


 ココナの顔を見て、ソフィアはルマルタに行くことに決定したようだ。


「大丈夫よ。なんだったら1ヶ月ぐらい遊んできてもいいわ。貴方達はとっくに2年に上がる実力はあるしね」


 ジャネットの許可が下りたなら学校側は大丈夫だ。


「そうだ。ついでにフィンスさんも連れてもらえない?」

「えっと、ミレイ・フィンスさんですか?」


 流石のソフィアも対戦相手のことは覚えていたようだ。


「そうよ。彼女はエルフ族ということもあって、あまり友人がいないらしいのよ。貴方達みたいにクエストに没頭しているらしいから一緒に連れてってもらえないかしら?」

「私は構いません。ココナはどう?」

「ココナも大丈夫!」


 確かあの子、ミレイは戦いに慣れてはいたが、戦うことは好きではなさそうだったな。少し弱気な感じもしたし。


「それじゃあ私からフィンスさんに伝えておくから。そうねぇ、準備もあるでしょうから出発は3日後ぐらいにしたら?」


 そんなこんなで、トントン拍子に事は決まり、ミレイ・フィンスとほぼ初顔合わせの状態でルマルタに旅行に行くことになってしまった。



 ☆     ☆     ☆



 まぁ、ココナは馬車に乗ってからダウンしているからわからないが、ソフィアとミレイは最初こそぎこちなかったが、話している内に和解したようだ。


 それからは仲良くなったようで、途中の宿屋でもココナを交えて楽しそうに話していた。


 そして今は出発してから5日が経ち、やっとのことで海が見えてきたところだ。


 でも目的地のルマルタまでは後2日ぐらいは掛かる。

 ここからは海岸沿いを走っていく道になるのだ。


「嬢ちゃん達、今日はあそこで宿取るぞ」


 馬車の御者は相変わらずグランだ。馬車の御者を管理している所に、ソフィア達が長期で利用したいことを依頼した。

 旅行のように長期で利用するのはこういった手続きが必要なのだ。


 本来は1ヶ月ぐらいだとあまり受けてくれる人はいないのだが、ソフィア達が依頼人と知るやいなや、グランが真っ先に受けてくれたのだ。


 もちろん今回はお金は先払いをしている。グランはやはり最初は渋っていたが、流石にこれは受け取ってくれた。


 そしてソフィア達を乗せた馬車は小さな村に入っていった。



 ☆     ☆     ☆



「盗賊・・・ですか?」

「そうなんだよ。この先の道に最近出始めたのさ」


 ソフィア達は宿屋で夕食を食べている時に、宿屋の女将さんからそんな話を振られた。


「そいつぁ穏やかじゃないな。レジスタンスの方に依頼は出したのか?」


 グランも一緒に食事をしているので、話に加わってきた。


「一応ね。でもこんな小さな村だと後手に回されてしまってねぇ」

「「「・・・・・・・・」」」


 それを聞いたソフィア達、レジスタンスの卵の3人は顔を見合わせて頷いた。


「嬢ちゃん達、やるつもりか?」

「え?どういうことだい?」


 ソフィア達が決めたことを察したグランと、訳がわかっていない女将さん。


「私達がその盗賊さんを捕まえてきます」


 ソフィアが代表して女将さんに向かってそう宣言するのだった。

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