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最強魔法使いで先生になるはずの俺が教え子の使い魔に!?  作者: 雅國
第2章 繋がる想いと光の使い手~正体がいきなりバレた!?新たな関係の始まり~
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第39話

「グレイブ!」


 ソフィアの魔法で平原の地面から石の槍が突き出してくる。


「ココナ、お願い!」

「まっかせて!!てやぁっ!!!」


 石の槍を避けようと跳躍したランバードという2m程の走りに特化した大きな鳥が、予想以上に高く芹上がった石の槍に躓き転倒した。

 そこにココナが勢いよく跳び蹴りを放つ。


 ランバードは首が長いので、ココナの蹴りによって折れてしまった。


 それを見ていたランバードの仲間は、ココナに標的を絞って、襲い掛かってくる。


「逃げるが勝ちってね」


 ココナは走りに特化したランバードに引けを取らない速度でソフィアの方へと向かって駆ける。


「・・・・・・エアロカッター!!」


 ソフィアが自分で魔力制御を行い、魔法を唱えた。

 それに合わせてココナはスライディングをする。

 エアロカッターはココナの頭上を通り過ぎて、後ろから追い掛けてきていたランバード達に襲い掛かった。


 ランバード達の大半が頭と胴体が離れ、血を噴き出して倒れる。

 だが、何体かは胴体に当たったようで、まだ息の根がある。


「とどめ!!」


 ココナはスライディングの勢いを殺して、ランバード達がいる方へと地面を蹴った。


 そして、まだ生き残っていたランバードにとどめを刺していった。


「ん~・・・これで終わりかな?」

「確かめてみるね。サーチ」


 サーチはソフィアが覚えた新しい魔法だ。

 ソフィアが思い浮かべた対象を自分を中心に約200mの範囲を調べる魔法だ。

 この魔法は無属性に入り、実を言うと開発したのは俺なのだ。


 だが、俺が教えたのは魔力制御のみだ。


 以前にもあったが、ジャネットの個室にあった俺の書いた魔法関連の本に魔法名が書いてあったのだ。


 ソフィアはそれを持ち帰り、俺に魔力制御を教えて欲しいと言って来たのだ。本だけだと魔力制御までは書かれていないから、普通なら習得なんて出来ないが、開発者である俺がソフィアの魔力を制御すれば難なく使えてしまう。

 後はソフィアが魔力制御を覚えればいいだけの話だ。


「・・・・・・うん、大丈夫。いないみたい」

「それなら任務達成だね」


 ソフィアの確認が終わると、ココナはにこやかに言った。


 俺はソフィアの肩の上で待機していたが、今回は俺の手助け無しで、見事に討伐することが出来た。


 そして、俺達は近くにある農村へと入っていった。


 今日はあるクエストを受けて、フォルティスの町から数時間馬車で移動したところにある農村を訪れているのだ。


 クエスト内容は畑を荒らすランバードの討伐だ。


 ランバードは群れを作って行動するので、どうしても多数を同時に相手にすることになる。

 そのため対応も多人数で行うか、先程みたいに囮を使い1ヶ所に集中させてから魔法で倒す戦法が必要となる。


 クエストの受付嬢であるセリカも、この依頼を頼む人材に苦労していたらしく、ソフィアとココナが姿を現すと同時に頼み込んで来たのだ。


 ココナの俊敏さはかなりのものだし、ソフィアの魔法は強く、選択する魔法も上手いと評判らしい。

 セリカはそのことをジャネットとディケイルから聞いていたのだ。


「・・・・・・・・」


 村へ入ると、村民達がソフィアとココナのことを信じられない目で見てきていた。


 ランバードとの戦いは村の中からも確認出来る場所だったので、2人の実力に驚いていたのだ。


「おう、お疲れさん。流石だな」


 そんな中、馬車の御者をしているグランが声を掛けてくる。


「あれぐらいよゆーだよ」

「なんとかなりました」


 2人とも笑顔でグランに答えた。


「本当にありがとうございました」


 そこにこの農村の村長が現れる。今回の依頼を出した張本人だ。


「いえ、お役に立てたならよかったです」

「君達みたいな若い娘がやって来た時は不安だったが、実際の戦闘を見たら、何故君達を寄越したのかがよくわかったよ」


 確かに多数のランバード討伐を依頼したのに、女子生徒が2人だけしか来なかったら、不安にもなる。村長の言うことは最もなことだった。


「そうだ。嬢ちゃん達は今日帰らなきゃいけない用事とかってあるか?」

「いえ、今回の依頼は少し離れている場所なので、1泊する用意はしてきてあります」

「うん!ココナも大丈夫だよ」

「そんなら今日はこの村で泊まっていくぞ。今から帰るとあの街道通る頃には暗くなっちまうしな」

「あの街道?」


 ソフィアとココナは何のことか分からず、2人で首を傾げた。


 この村はフォルティスの町と森の間を流れるタネス川の上流にある。


 川沿いに街道があり、一部がフォルティスの森が被っている。


 その森を抜けた先にあるのがこの農村、カンポ村だ。


 このカンポ村はフォルティスの町の食料である野菜を多く育てているため、重要な村でもあるのだ。


 そのためレジスタンスも常駐しているのだが、ランバードにやられてしまって怪我をしてしまったので、ランバード討伐にソフィア達が来たというわけだ。


「街道って今日通って来た街道ですよね?」

「そうだ。聞いたことないか?森の辺りでアンデッドが出る噂」

「アンデッドですか?聞いたことあるような・・・ココナは?」

「ココナはないよ」


 確かあの事件の情報収集をした時に噂で聞いたと思うが、詳しくは聞いたことがない。なので、グランから詳しく話を聞くことにする。


 最近、夜にカンポ村側の森近くの街道で、アンデッドが多数目撃されたようなのだ。

 そのため、夜はあの街道には近付かないようにしているそうなのだ。


 因みにアンデッドは死んだ生き物、主に人間の死体が怨念により魔法的な何かで蘇ったとされており、生きた人間や生き物を襲う習性がある。


 一応魔獣の括りに入り、討伐依頼も出されるが、本当の意味で倒せる者は少ないとされる。


 理由は例え腕や足、頭を切り落としても死なず、放っておくと欠損部分の再生までしてしまうのだ。


 一時的な戦闘不能に持っていけても、再生してしまうので、普通に戦っても倒せないのだ。


 それならどうやって討伐するか。


 アンデッドは光属性の魔法に弱い。というより、光属性の魔法でしか倒せないのだ。


 光属性の魔力の持ち主は数も少なく、基本的に治癒魔法専門となるため、攻撃魔法を使えない者が多い。


 現に俺も光属性の魔力に適正は無いので使えない。

 逆に闇属性になら適正はあるのだが。


 フォルティスの町に常駐しているレジスタンスでも、光属性の攻撃魔法が使えるのは、恐らくディケイルぐらいだろう。


「アンデッドの討伐依頼も村の方では出しているのですが、弱点である光属性の攻撃魔法を使える者がいないそうで、放置されているんですよ」


 村長も肩を落としながら言った。


「村長さんの言いてぇことはわかるが、そもそも光属性に適正がある奴が少ないからしょうがないじゃねぇか?」

「はぁ、なんですよね」


 グランも一緒に村長さんと肩を落としため息をつき始めた。


「じー・・・・・・」

「な、なにかな?」


 ココナに見つめられて、少し後退るソフィア。


「ソフィアは光属性の攻撃魔法は使えないの?治癒魔法は使えるから、光属性に適正はあるんでしょ?」

「「っ!?」」


 グランと村長はばっと顔を上げて、ソフィアを見てきた。


「こ、攻撃魔法は使ったことがないから」

「そうか・・・」


 ソフィアの答えを聞いて、落胆するグランと村長。


「使ったことがないってことは、覚えれば使えるってこと?」

「どう・・・なんだろう」


 ソフィアは光属性の魔法だと、治癒魔法のヒーリングしか使ったことがない。


 俺もソフィアが本を読んで勉強していたのは知っているが、実際に使おうとしているところは見たことがなかった。


「試してみれば?」

「うん・・・そうだね。リアン、手伝ってもらってもいい?」

「にゃあ」


 俺はソフィアの背中に尻尾を入れる。


「リアンは光属性の攻撃魔法って使える?」


 ソフィアは俺にしか聞こえないような小声で話し掛けてきた。


 俺は首を横に振り、出来ないことを伝えると「そっか」とソフィアが返事をした。


「それなら光属性の魔力の抽出お願いしてもいい?私は魔力制御に集中するから」


 それなら俺でも出来るので、首を縦に振った。


「お願いね」


 ソフィアは俺を肩に乗せて皆の前に立ち、少し離れた場所にある岩に的を絞り、集中する。


 初めての魔法を使う時は、いつも以上に集中しないと、どんな魔法になるか分からないのだ。


 自分のイメージと魔力制御、魔法名が合って、初めて魔法として完成する。


 なので、同じ魔法でも似ているようで、詳細を見ると異なることもあるのだ。


 俺はソフィアの魔力器官から光属性の魔力の抽出をする。


「んっ・・・」


 ソフィアはその抽出した魔力を制御し、魔法を構成していく。


「・・・シャイン!!」


 ソフィアの魔法は的にしていた岩辺りが少し光っただけで、砕いたりはしなかった。

 これでは攻撃魔法とは言えない。


「うーん、制御が違うのかな」


 その後も練習を続けたが、結果は同じようなものだった。

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