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異世界で楽しいセカンドライフ  作者: 附箋
ナンシー家騒動
9/20

8話「アンドラゴラ」

 男は暗い部屋の中昨日の夕方の時に出会った青年を思い出し怒る。

 「あのクソガキめ」

 その男に一泡吹かせたいところだが今の状況ではできはしない。なぜならば

 「この私の側近をああも簡単に投げ倒すとは」

 そう、今の戦力ではそうあがいても勝てないのである。その投げ飛ばした側近はこの屋敷の中でナンバー1と2なのだから。その二人があっさりとなれば。

 「くそっ!どうしたらいい!!」

 男は怒りのまま家具を殴り蹴る。殴った自分の手が蹴った自分の足が痛みを伝えてくる。けれど当たらずにはいられなかった。

 「あれていますね」

 そんな中ノックもせずに部屋へ入ってくる人がいた。

 最初は無礼な奴だと思ったがその人の顔を見た瞬間男は顔を青ざめる。

 「な……なぜあなた様がここに!?」

 「あなたに助言をしに来たのですよ」

 「助言?」

 「ええ、なんでもあなたの側近をあっけなく倒してしまった人がいるのだとか。その人があなたの娘の奪還の邪魔をしあまつさえあなたを侮辱したのだとか」

 その人は淡々と述べる。

 「そしてそのことを後悔させたいが力じゃかなわないというところでしょう」

 「その通りでございます」

 「ならば闇ギルドを使えばいいのですよ。あの者たちは手段を問わない」

 「!?なぜあなた様がそのようなことをおすすめに?」

 「ふふふ、私はあなたの前に現れなかった。闇ギルドを使うことはふと思い立った。闇ギルドでも悪魔召喚を得意とするあの者たちを使うことを」

 「何を……」

 男は最後まで言葉をすることはなった。その人の魔法により眠らされ、今の会話をすべて自分の思い付きへと変える魔法とともに。

 そして、その人は踵を返し部屋を後にする。

 だが、その人は気付かなかった。この男が会ったものの名前を手帳に書き込む癖があることを。


                   ◎

 さて、肉屋の店主の奥さんを助け、俺は病室をそっと後にした。奥さんはまだ目を覚まさないがやはり夫婦二人きりにしてあげた方がいいだろう。

 病室を出たところで八百屋のおばちゃんに出会った。ここは病院なので何らおかしくないのだがちょっとびっくりした。 

 「そんなに驚くことはないんじゃないかい?」

 「ごめんなさい、なんかびっくりしちゃって」

 いや本当にびっくりしたんだよ。なんでだろうね。

 「ミートさんとこのは終わったのかい?」

 「ミートさん?」

 「なんだい、依頼主の名前も聞かずに引き受けたのかい」

 「ええまぁ」

 そういえばナンシー家以外知らないな。フォルゲン隊長は隊長だし……ああ、王様がいたわ。いらねー。

 「ふう、あたしの名前はペール・ベヘタル。主人の名前はコル・ベヘタルだよ」

 「あ、どうも。ユウマ・アマノです」

 「知ってるさね。なんせあんたに依頼を出してるんだからね」

 それもそうか。肉屋の名字がミートか肉屋になるために生まれてきたかのような名前だなおい。

 八百屋さんの名前はベヘタルさんか。なんか言いにくいな。

 「それで?ミートさんところのは終わったのかい?」

 「ええ、何の問題もなく。今はまだ目を覚ましていませんが、夫婦二人きりにしてあげようと」

 「そうかい」

 そうなんです。これでも空気読めるからね。

 「それじゃ、うちの主人も頼めるかい?」

 「ええ。ここの病院にいらっしゃるんですよね?」

 「ああ、主人は上の階の病室に世話になってるよ」

 「そうですか、それでは案内お願いします」

 そういうとペールさんは笑いながら俺を案内してくれた。

 それにしてもペールさん体系がザ・オカンみたいだな。ガキ大将とか子供でいそうな感じ。歩くたびにお腹の肉がぶよんぶよん揺れてる。

 ああはなりたくないなと思いながら俺は案内されてペールさんの主人のコルさんの居る病室にやってきた。

 コルさんはベットに座ってぼうっと外を眺めている。こちらに気づいていないのだろうか?

 「すまないねぇ、主人が如何してここにいるか話してなかったね」

 「そうですね、何があったんです?」

 「うちの商品の中にアンドラゴラが入っていたんだよ」

 「アンドラゴラ?」

 なんだそれは。マンドラゴラなら聞いたことはある。なんでも引き抜いたときに世にも奇妙な叫び声を出すんだっけ?それを聞いたら死ぬんだったよな?あれ?どうだっけ?

 まぁ聞いたら死ぬってのは確かだし細かいところはいいか。それにしてもアンドラゴラねぇ。

 「そう、あんたも知ってるだろうけどアンドラゴラってのは掴むたびに絶叫する。そしてそれを聞いちまうと精神が破壊されてしまう」

 なにそれ怖い。マンドラゴラとは違う怖さじゃないですか。握るたびにって言うのが特にひどいな。

 「なぜ紛れ込んでいたのかわかります?」

 「さぁね、あたしにはさっぱりだよ」

 「ふむ」

 「それより、うちの主人は治せそうかい?」

 「そうですねぇ、やるだけの事はやってみましょう」

 俺はコルさんの前に行きコルさんを正面から見る。精神が崩壊しているだけあって焦点が定まっていない。小さくあ…ああ…とか言っている。それに目が濁ってる。レイプ目というものか。

 ん~精神崩壊か。これはさすがにヒールじゃ治せんよな。

 「医者はなんと?」

 「ああ、精神を回復させる魔法があるとか」

 「その魔法の名前わかります?」

 「マインドハックだったかね、確か相手の精神に干渉することで治すのだとか」

 「そこまでわかっててなぜ医師はやらないんです?」

 「やらないんじゃなくて、やれる人がいないのさ」

 なるほど。つまりそのマインドハックは難易度が高い魔法のようだ。けど俺にとってはそんなことはないものだね。

 俺はコルさんに触れて教えてもらった魔法を使ってみた。

 「マインドハック」

 するとすごい倦怠感がやってきた。倒れる寸前でベットに腰を掛けることに成功した俺はそこで意識を失った。

                ◎

 暗い世界。ただただ闇が広がる世界。そこには闇以外何もない。歩けど歩けどそこにあるのは先と変わらね闇ばかり。

 その中に永遠ともいえる時間を過ごしている気がする。楽しかった妻との思い出も遠い昔の様な気がする。

 だけどそのことも既に何も思わない。楽しかった思い出が遠い昔だから何なのか。そもそも今は楽しいという感情が何だったのかも思い出せない。

 楽しい?幸せ?つらい?悲しい?今までいろんな感情があったのは覚えているがそれがどんなモノだったのかまったくもって思い出せない。

 感情とはいったい何だろうか?

 「その疑問も感情だろうよ」

 闇しかないはずのその空間に声が聞こえた気がした。

 感情が何かという疑問が感情だと。

 「いつまでそこで座ってるつもりだ?奥さんを悲しませてるんだぞ?感情がわからない?感情がわからないって疑問に思ってることこそが感情だろうが」

 今度ははっきりと聞こえた。気のせいなどではなかった。

 私が妻を悲しませている?感情がわからないという疑問こそが感情?

 そうか……私は妻を悲しませているのだな。そして私は感情がなくなった訳ではなかったのだな。

 だとするならば私の今のこの気持ちは後悔だろうか。感情がなくなったと一人でふさぎこみ妻を悲しませてしまったことに対して。

 「後悔なんざしてる暇があるならとっとここから抜け出して奥さんを喜ばせてやれ!」

 そうだ、まだ私にはやれることがある。私はまだ妻を笑顔にさせることができる!

 その瞬間闇しかなかった空間に光が差し込みそして闇を晴らす。

             ◎

 ふぅ、何とかなったかな?

 それにしてもびっくりしたな。俺の意識まで持ってかれるとは。まぁ相手に干渉するってんだから当たり前か?

 「あんた大丈夫かい!?いきなり倒れて心配したんだから!」

 「ええ、ちょっと治療していただけですから」  

 「治療って……っ」

 そこで初めてコルさんを見たのだろう。さっきまで生気を感じられなったコルさんの目は光を取り戻していた。

 「ペール、心配をかけたな」 

 「あんた!」

 二人は泣きながら抱き合った。

 お熱いことで。

 やっぱり俺はそそくさと病室を後にして夫婦二人きりにしてあげるのである。

             ◎

 ミート家とベヘタル家を治療した後なんか疲れた気がしたので外をぶらついて気分転換することにした。

 それにしてもアンドラゴラか、なぜそんなものが紛れていたのか。気になるが……。 

 そんなことを考えていると前から見慣れた隊長さんがやってきた。

 「フォルゲン隊長じゃないっすかーお久しぶりっす!」

 「……」

 フォルゲン隊長のり悪いな。

 いや、違うな。こんなテンションに乗れるような状況じゃないのだろうなそんな顔してる。それでなくても苦労してそうな顔してるのに。

 「なにかあったんです?」

 「お前アンドラゴラを知っているか?」

 これぞタイムリーという奴だろう。たった今そいつのせいで精神破壊された八百屋の店主を助けたところだ。

 「ええ、今そいつのせいで精神崩壊してた人を治してきたところです」

 「それは本当か!?」

 フォルゲン隊長にしては珍しく声を荒げて俺の話に食いついてきた。

 「え、ええ。本当ですよ。ここで変に嘘をつく必要もありませんし」

 「そ、そうか。すまない」

 「いえ、それより何かあったんですか?」

 「ああ」

 フォルゲン隊長の話では最近アンドラゴラを密輸入している闇ギルドがあるらしい。

 いわくそのギルドは悪魔召喚を得意とし召喚した悪魔で裏の仕事をこなしていくという。そのギルドがアンドラゴラを贄の一個として使用するために集めだしたのだとか。

 通常悪魔を召喚するためには人間の血の一滴でもあれば充分であるが上位の者を呼び出す場合人の命とさらにたくさんの贄が必要となるらしい。

 「つまり上位の悪魔を召喚しようとしている?」

 「ああ、その可能性が高いだろう。それでアンドラゴラにやられた人は誰だ?」

 「八百屋のおやっさんですよ。コル・ベヘタルさんです」

 これはちょっとばかり嫌な予感がしますねぇ。

               ◎              

 その女は笑う。自分の思うように展開が進んでいることに。

 「ふふ、闇ギルドも簡単ですわね。ちょっとボスの姿に変化して悪魔召喚の儀式の準備をしろと命令しただけですぐに動き始めたし。それにあの貴族、お嬢様の顔汚しになるあの貴族はあのギルドとともに消し去ってしまいましょう」

 女は嗤う。大事な大事なお嬢様を守るために。

 だが、と女は考える。もしこのことが知られたらお嬢様が処罰されかねない。部下の失態は主の失態。そんなことになれば意味がなくなってしまう。

 「だからこそ、今ですね」

 女はわらう計画を執行するために

               ◎

 俺はフォルゲン隊長とベヘタル負債のもとへとむかった。といっても病院なのだが。

 そこでフォルゲン隊長がベヘタル夫妻へと先の情報を教えれる範囲で話していた。

 「てーことは何だい。おらぁその闇ギルドの落としもん拾ったってわけかい?」

 「そういうことになりますね」

 フォルゲン隊長が申し訳なさそうに肯定した。立場的に守る立場の人間であるフォルゲン隊長はこのことに関して深く反省しているようだ。

 正直な話これはフォルゲン隊長のせいじゃないからあまり深く考え込まないでほしいな。

 「ふん。お前さんが申し訳なく思う必要なんざありゃあしねーさ。俺が確認を怠ったのがいけねーのよ」

 コルさんなかなか漢である。むしろ江戸っ子?ゲイルさんとキャラかぶりそう。てかゲイルさんってどんなキャラだっけ、あまり絡まずにギルド行っちゃったからな。今度またあいさつしに行こう。

 てかコルさん人格?性格?変わりすぎてないですか?気のせいですか?そうですか。

 「お前さんには世話なったな。ありがとうよ」

 「いえ、これも依頼で報酬がしばらく食材を融通してくれるものですので」

 「はっなんだ?しばらくでいいのか?俺ぁ命救ってくれた奴に対して期限付きで報酬渡せってか?」

 正直な話そんなこと言われても困る。だって本当はずっと融通してほしいのだから。でもいくら命を救ったとはいえずっとというのもそれは気が引ける。

 命救ったんだからいいよな?って恐喝してるみたいで。

 「いいですよ。俺もお金に困らなくなるころにはお得意様になってる自身があります」

 「ガハハハゆーじゃねぇの」

 今の俺超かっこいい気がする。こんなことを考えてさえいなければの話だが。

 そんな会話を繰り広げる中いきなりバーーンと扉を破壊しそうな音を立てながらフォルゲン隊長のような恰好をした人が入ってきた。

 「フォルゲン隊長にご報告します!……闇ギルドアンドラスが……アンドラスが……」

 「おい!アンドラスがどうした!」

 「アンドラスを召喚しました。それも王を」

 「なっ!」

 どうやら話に展開があったそうだ。

               ☆

 新米憲兵は少しでもこの国に貢献するためにきびきびと動く。

 いつものように見回りをしているとこそこそと怪しい動きをしている奴を見かけた。声をかけるとそいつはあわただしく走り去る。 

 「おい!待て!」

 待てと言われ待つ奴はいない。その男は走り続ける。

 入り組んだところを狙って逃げていたため新米憲兵は男を見失う。

 「くそっ」

 そこでふと気づく自分の管轄から出ていることに。逃げるために其処ら中を逃げ回っていたのか、それとも逃げて巻きながらアジトに戻っていったのか。

 だとしたらここにアジトがあるのではないのか?そう考えた新米憲兵は。

 「もう少し探してみるか」

 あるいはこの時素直に自分の管轄に戻っていれば恐ろしい気事に気づかなかったのかもしれない。

 


 少し歩きふと一つの階段が気になった。地下へと降りる階段である。

 降りるとすぐに怒号が飛んできた。

 「憲兵に付きまとわれただと!?ふざけるなよ貴様!連れてきていないだろうな!」

 「も、もちろんですボス!ちゃんと巻いてきました」

 どうやら先ほどの男がボスに怒られているようだった。自分の存在に気が付いたのではないことに少し安堵し、しばらく様子を見ることにする。 

 「巻いてきたか、あたり前だよなぁ。だが憲兵に付きまとわれたってのは怪しまれたってことだよなぁ」

 「は、はい」

 「これはもう、お前を贄にするしかないよなぁ?」

 「そ、そんな!それだけはご容赦を!」

 「うるせぇ!とっと贄になりやがれ!」

 「いやだ!いやだああああああああああああ」

 どうやら先の男が贄とされるらしい。つまり今ここで悪魔召喚をするということなのだろうか?

 だとしたならば止めに行かなければならないが新米憲兵は踏みとどまった。相手との力量差をしっかりと見極めたゆえに出ていかない。

 もし止めに入れば自分も贄にされていただろう。

 「俺は……無力だ。ただ見るしかできないのか」

 新米憲兵が己の無力に打ちひしがれていると呪文が聞こえてくる。

 『われらが神よ邪神様よ。我らが用意し贄にてあなた様のお姿を我らへと御見せたまえ』

 どうやら儀式が始まったようである。

 下に書かれた魔法陣が淡くひかりはじめ、魔法陣の上にある贄が一つ、また一つと消えてゆき最後には。

 「あああああああああああああああああああああ」

 あの男もまるで存在していなかったかのようにそこから姿を消した。

 その男が消えると同時にそこは白い光一色に染め上げられた。

 光が引き始めやっと見えるようになってきたとき魔法陣の上に一人の人が立っていた。

 金の髪に同じく金の目整った顔立ちにスレンダーでだが出るところは出ている。知らぬ人が見れば絶世の美女がいると硬直をするだろう。 

 だが、知る人が見れば恐ろしさによって身を固めただろう。なぜならその正体は。

 

 「うふふ、本来召喚されるものを殺して私が出てきてあげましたよ。さぁ何方を殺せばよいのいで?」


 殺し方をいくつも熟知している悪魔。殺しの象徴ともいえるその悪魔アンドラス。

 そのアンドラスの王が召喚されてしまった。そしてその王と目が合った気がした。

 新米憲兵は一目散に逃げフォルゲン隊長のもとへと報告をしに行く。


 「ふふ、あのものを生かして後をつければ面白そうですね。でも、あなたたちはつまらなそうだから死んでもいいわよ」

 悪魔、アンドラスの王は言い終わると同時にそこにいた召喚主もろとも闇ギルドアンドラスのメンバー全員の首をはねた。

 「ほら、面白くない」

 そうつぶやき先ほど見逃したものを追うことにした。

                 ☆

 この憲兵の話を聞いてフォルゲン隊長はプルpるると震えている。

 「この馬鹿者が!なぜ一人でそんな場所まで行ったのだ!」

 「も、申し訳ございません!」

 「まぁまぁフォルゲン隊長。この人のおかげでその悪魔が召喚されてしまったことが知れただけで十分の成果ですよ。それに生きて帰ってきたんだから」 

 それが一番難しかっただろう。生きて帰ってくる。それがとても難しいところに一人で行ったのだ。

 「ああ、そうだな」

 フォルゲン隊長も納得してくれたようである。さてと。

 「どこへ行く?」

 「多分その悪魔ここに来ると思うのでちょっと相手してこようかと」

 「何!?」

 フォルゲン隊長がだいぶん驚いていらっしゃる。そらそうだ。この世界ではとても有名……まぁ良い意味ではないのだが……な悪魔を相手しに行くというのだから。

 「それにフォルゲン隊長、もう時間ないので説教なら後で聞きますよ」

 

 そう言いながら俺は病院の外へと出て行った。


                    ◎

 さて、人がいっぱいいるな。この中から悪魔を探し出すだと?ふざけるのもいい加減にしてもらいたい。


 勇逸の情報は美人だということだろうか?相手は悪魔だしそれ以外でもなにか……

 ちょっとだけ魔力を開放してみる?一応防御も上げておこうかな。


 ほんの軽い気持ちで魔力を開放した。


 するといつの間にか後ろに絶世の美人がいた。


 「うふふ、ごめんなさいね。あなたの首斬っちゃった」

 

 俺に謝ってきた。間違いない。こいつがアンドラスだ。


 「謝る必要なんてありませんよ、むしろ俺の方が謝らなくては」


 そう、その悪魔の手にはナイフが握られていた。

 俺の首を切ったであろうナイフが。


 しかしそのナイフはパリーンと音を立てて砕け散る。


 「あなたのナイフ、壊しちゃいました」

 

 さて、ここからが踏ん張りどころだな。

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