14話「素材探し」
いい加減に話を進めろよ駄作者とののしってください
2/16 タイトル変更しました。全くもって関係ないタイトルでしたので
オルマ邸の地下→素材探し
魔法道具、そんな便利かつどこかご都合主義なものを作らなければ俺の命が危ないってのが大まかな内容だけど……。まさかその魔法道具の材料が市場で買えるものだと思ってもみなかった。
確かにゲーム等ではいくつかのレアリティの引くものはそこらの店で材料が変えて量産できるだろう。それをスキル上げのためにやる人だっているはずだ。だが、今俺が買おうとしているものの魔法道具は決してノーマルだとかそんな量産型じゃない。むしろ希少価値レアやスーパーレアがついていても可笑しくない性能のものだ。
フォーシファイ……効果としてはステータスの魔法・特技の欄のレベルや扱えるものを偽装するためのもの。つまり炎属性の魔法を水属性に偽装し使うことができるようにする魔法道具。……の予定。
レベルの方はアンが確信をもって言っていたからこれは間違いないのだろう。だが他属性への偽装そして使用は事例がないとのことでアンでもはっきりと「できる」と言わなかった。「でいるかもしれない」と言っていたが。
つまりレベルだけでも偽装できれば当然チートだ。レベル1でもレベルをMAXにすることだってできてしまう。しかしこれには問題がある。上のレベルに設定しても使いこなせないのだ。
それはそうだろう。本来順番を経てやってくるレベルを一気に飛ばしてくるのだから。レベルとは言わば練度だ。使ったことも見たこともないましてや聞いたこともない魔法をどう扱うのか。魔法の発動の仕方も分かりはしない。
では順番を経て上がったものの魔法はどうして使えるのか。そこは不思議なことにそのレベルになると頭の中に魔法のイメージが流れ込むのだそうだ。発動する時の感覚、どんな魔法なのかどれほどのMPを消費するのか。それらが流れ込んでくる。かく言う俺もどんな魔法があるのかそしてどうするば発動できそれがどんなものなのか初めて使うとき頭の中に流れ込んできた。最初の方に使ったヒールもそうだった。
もちろん使い方等が流れてきて使えるようになったからと言って天狗になってはいけない。その魔法にはその魔法の練度がある。みんな大好きヒールも覚えた手で使ってもあまり効果が発揮されないが使っていくうちに慣れてきて最適にかつ効果的に癒すことができるようになる。
ならフォーシファイで偽装しても流れ込んでくるのではないかと思うかもしれないが所詮偽装であって本物ではない。だから流れ込んでこない。これは実際にアンの部下が試したみたいだ。
ゲームをやっていればすぐにわかると思うが、そうだな……例えば運動なんかでも言えるんじゃないだろうか。例えば陸上。速く走るためのコツを教わり自分のどこが弱くてどこを治すべきなのかを知る、この状態をレベル1として置こう。コツを教わった治すところを知った=早くなったにはならないだろう。確かにコツを教わったことで多少早くなったかもしれないがそんなことでそれをもっと前からやっていた人に勝てないだろう。勝てる場合は才能だ。
そこでその人に勝つためにどんどんやっていく。そうしているうちに自分の弱かったところが改善されさらに教えてもらっていたコツを自分のものにして改良までする。それがレベルアップでそれが方法だ。
これだけを聞くと使い物にならないと思うかもしれないが逆に言えばその魔法の全てを知っていれば……。
粗削りでまともうまく狙えないような魔法でも発動さえできてしまえばあとはそれを練習すればいい。たったそれだけの事。それだけなんて言ったけれどそれをうまく使いこなせれるようになるまでには長い時間を要することになる。どうしても使いたい魔法、でもそれは自分が使えないものなんて人ぐらいしか使わないだろうけど。もしくはアンたちみたいに暇な奴らか。
まぁ多分俺もやっただろうけどね。だって魔法ですよ!向こうの世界じゃ使えなかった魔法が使えるんですよ!?そりゃ必死になって使えるようにするに決まってるじゃないですか!!必要ないけど。
さて長々と語ったけれど、もっと前にこの考えを持ってもよかったんじゃないかな?細かく言えばフォーシファイの説明を受けているときに思いついてもよかったんじゃないかな?
さてそんな夢のようにチートのような魔法道具であるフォーシファイの素材を求めてやってきているのだが。
「まさかどこにも無いとは」
「ええ、私も些か驚いています」
そうなんだよ。今5件目の店に来たんだが今日に限ってヒノエンマの髪の毛も反射鏡も売り切れていた。どの店でも昨日まであったんだけど急に王族の者がすべてを買い付けていったそうだ。
はぁついてないな。それにしても王族が何のためにあんなものを買い占めてんだ?まさか!俺と同じ理由なのでは?
「ん?アマノか、そんなところでどうした?」
などと考えているとなんとも落ち着く声が聞こえてきた。
「さっすがフォルゲン隊長!いいところに!」
「なにが流石なのかわからんが何かあったのか?」
「ええ実はちょっと困ったことがありまして」
ナイスタイミングで現れたフォルゲン隊長に今までのいきさつと素材が王族に買い占められた事を話した。
「すまないがそんなことは初めて知った。なんせお前の世話と……そこのアンドラスの件で一杯一杯でな」
「あら?私の事?」
「他に誰がいるってんだまったく」
なんかフォルゲン隊長が心なしかすたれている気がする。でもすごく長い時間この世界にいる気がすれけど俺がこの世界に来たのはつい昨日の事だ。昨日フォルゲン隊長たちと出会い今日までの間でフォルゲン隊長と離れた時もあったが……つまりその間に起ったことというわけか。
「しかし何で教えてもらってないんです?」
「俺は憲兵隊の隊長にすぎん。王族の方たちの動きなど関係ないからな」
「そうですかね?案[ピク]外あると思うんですが」
案外と言った時にアンが若干反応したのが面白かったが今はそんな話はどうでもいい。うーん案外あると言っておいてなんだがよく考えたが無いな。
どこかにヒントと言うか見落としてそうなものがある気がしてしょうがないのだが。
「まぁいい。そこの悪魔が大人しくしてるならそれで」
「あなた程度では私を止めることはできませんからね」
「言ってくれる」
なんてフォルゲン隊長は食って掛かるが実際どうなんだろうか。隊長の自己申告でのステータスは700前後だったのでそれを考えればフォルゲン隊長では全くもって歯が立たないだろう。それこそ天と地ほどある。
ちょっとステータスを拝見しましょうかね。
名前 フォルゲン=ファルクス
性別 男
種族 人間
HP 2832/2832
MP 1892/1892
攻撃 754
防御 730
俊敏 742
回避 695
運 60
命中 79
魔法
炎系 LV68
風系 LV60
補助系 LV88
特技
鍛冶 LV55
採掘 LV85
採取 LV88
あ(察し)。確かにこのステータスじゃあ勝てないよね。ってかそもそもでアンを見てるから弱く見えてしまうけれど実際そんなに弱くないんだよねきっと。
だってほら今そこにいる如何にも冒険者って人がいるんだけどさ、あの人なかなか有名人らしくてさっきからあいさつされまくってんのよ。
比較対照としてちょこっとステータスを失礼しますね。
名前 クリス・デミシア
性別 男
種族 人間
HP 3000/3000
MP 1762/1762
攻撃 621
防御 841
俊敏 567
回避 400
運 54
命中 66
魔法
土系 LV55
木系 LV48
鉄系 LV60
特技
錬金術 LV1
鍛冶 LV22
大工 LV40
うんHPと防御はみなかったことにして。やっぱりフォルゲン隊長若干だけど強いんだね。でもこんなステータスでこの世界生きていけないんじゃないのか?
最初の街だからレベルが低く設定されてるみたいな感じか?先に進めば進むほど強さのインフレが起きるんですかね?フォルゲン隊長も最後の方になれば今のアンを指一本で倒せるほどに成長してるみたいな。
そんなんだったら夢が広がるな。今のうちに育てておかないと!
なんて馬鹿なことを考えていると。
「おいおいお前、なんでお前なんか見たいな冴えないやつがそんな美人とつるんでるんだ?ああ?」
なんという事でしょう。クリス君が俺に突っかかってきたではないですか!しかも俺の事を冴えないと言いながら。ま実際その通りなんだけどね。その通りだけどアンが居るところで言ってほしくなかったな。
「ご主人様、このふざけたことを言うグソクムシをいかがしましょう」
「うん、そいつ人間だから。あと放してあげてフォルゲン隊長に釘刺されたばかりでしょ」
「そんなもの関係ございません。このグソクムシはご主人様を愚弄いたしました。今すぐにでもこの首を切り落としたい所存です」
「うんだからやめてあげて。その子もう気絶してるから。あとはフォルゲン隊長に任せて」
俺が平然とフォルゲン隊長に全てをゆだねようとしたところフォルゲン隊長がすごくびっくりしてた。え?何で俺に?見たいな顔をしてらっしゃるぜ。それにしても周りがざわざわし始めたな。そりゃそうだろう。なんせさっきまでイケイケだったクリス君が気絶してるんだから。
しかも気絶させた本人が俺に対してご主人様とか言っちゃったもんだからこんなやつを従えるってことはもっとヤバいんじゃないかと。いらない恐怖心まで与えてしまったんだよねなんてこった。あとで説教だな。
はぁ、やってしまったものはしょうがない諦めよう。やってしまったことをいつまでもくよくよするのでは無く前を向いてどう対処するかを考えよう。そう、一刻も早くフォルゲン隊長に丸投げして逃げるんだよ!
「じゃ!」
「あ、こらまてお前が元凶だろおおおお」
フォルゲン隊長が何やら叫んでいるけれどむしむし。だって元凶俺じゃないしクリス君だし。
△▽△▽
ノア・ナンシーは悩んでいた。父親が自分の好きになった人との結婚を断固として否定していたときから悩みはあったのだが、最近その父親が亡くなり父親が住んでいた屋敷を取り壊そうと思ったのだ。土地代も払えるようなお金を持っていないので土地も売ってしまおうと考えていたのだが。
解体業者に家の解体を頼んでまずは土地の傾きや屋敷の構造を調べてもらっていたのだがそこで一つ問題が発生した。
とある部屋を確認してるときどこからか不気味な声が聞こえてきたと一人の業者が居た。他の者はその部屋には入っていないので気のせいだろうと思っていたが。その者が絶対に嫌だと辞めてしまった。仕方ないので他の者がその部屋を調べるとその者も不気味な声を聞いたという。
気になり全員でその部屋に行くと全員が不気味な声を聞き悪寒が走った。その声は部屋全体から聞こえてきていた。いや聞こえた気がした。
実際には一か所のところから聞こえているのだが恐怖状態に陥ってしまった業者は部屋全体から聞こえているように錯覚してしまった。一目散に逃げるようにその屋敷から出るとノアに向かって解体を断った。
その話を聞いたノアはその声の正体が気になっていた。特に心当たりがあるわけでもないのだがどうしても気になってしまってしょうがなかった。
いったい何なのか。うめき声とは?何を求めているのか。それを解決する方法はあるのか。疑問は尽きない。だが一人で悩んでいても解決できるような問題でもないことはわかっていた。
そんなとき前からよく見知った、と言っても合ったばかりのけれど返しきれない恩のある人物が走ってくるのが目に入った。
(あの人ならもしかして)
そんな考えがよぎった。しかしまた迷惑をかけてしまってもいいのだろうか。そうでなくても命を救ってくれた恩がありその恩を返しきれていない。いや一部も返せていない。それなのにまた迷惑をかけてもいいのだろうか。
考えて考えて止めようと思った時、その人物がこちらを認識し声をかけながら近づいてきたとき自然と言ってしまったのであった。
「あの、相談したいことがあるのですが」
△▽△▽
今日も一日お疲れさまでした!てかまだこっちの世界に来てから二日しかたってないのにすごい時間が立った気がしてしょうがないんだけど。
なんなん?一日目捕まったと思ったら王都謁見からの衣食住保障からの街案内&ギルド登録。おかしいよ。なんでこんなに物語進んでるの?進んでる?進んでるようで進んでない?進んでるってナニ?
ゲシュタルト崩壊してきた。
まだ一日目が終わってないっすよ。ノアさん助けて墓参りしてノアさん助けて。ノアさん助けまくってんな。
これでやっと一日目が終了。昨日の話だ。そんで今日はさっそくギルドに行って仕事してアンと対峙してメイドにしてアンからいろいろ聞いて飯食って材料求めて無くて帰ってきてやっと終わる二日目。
ワーオ俺って順応性高くね?順応性とかって問題でもないよねこれ。なんか最初からこうなることを予期してたみたいにいるよね俺。しかもそれに疑問を持っていない。
それこそ事前に話し合いをしていいて記憶は飛ばしても感覚で残ってるみたいな。そんな夢のようなファンタジー。いやもうファンタジーじゃないのか。だったらそんなことがあっても不思議じゃないよな。
それこそ俺があのドアをまたいだ時に何かしらの事があった。そんなことも不思議じゃないどころか可能性ありありだ。俺が夢見た、読んできた本の展開だ。
こっちに来て二日目の夜を迎えそろそろ夢の中へと行こうとしたときにふとそんなことを考えてしまった。決して怖いとかそんな感情はない。
ふーむ。なんだろう。何かが引っ掛かる。けどその引っ掛かりが何なのかまったくもってわからない。凄くモヤモヤする。いったい何だろうか。
「ご主人様考え事ですか?明日ナンシー家の相談事があるのですよ?」
ああ、そうだった。今日はなんだかとても疲れた。だからあの時ノアさんに相談があると言われたけど断ったんだ。また明日でもいいですかって。ノアさんは頷き明日ノアさんがいる家に行く予定なのだ。ならさっさと寝てしまおう。
「そうだな。寝るとしよう。おやすみアン」
「はい」
俺は瞼を閉じるとすぐに倦怠感が襲ってきた。肉体的にはつかれていないがやはり精神的には疲れ切っていたみたいだ。瞼が重く体も重い。それから俺の意識が途切れるまではそうかからなかった。
△▽△▽
「……選ば…し………さい……」
誰かが話しかけている。けれどよく聞こえない。そもそも目も見えていない。ここはどこだ?俺に話しかけてきているのは誰だ?一体何を話しかけている?
自慢じゃないが俺はここ最近人と話した記憶がない。本当に自慢にならないな。
「…………救って………力………」
救う?力?何の話をしているんだ?
「頑張って」
最後の言葉頑張って。何故だかその言葉だけは聞き取れた。はっきりと。けれど結局誰が話しかけてきたのか。一体何のことを言っているのかまったくもってわからなかった。
△▽△▽
夢を見ていた気がする。夢を見ていたそれは確信する。けれどどんな内容だったのかそれがわからないから夢を見ていた気がする。夢なんてそんなものだろう。
けれどなんかとても大事な夢だった気がしなくもなくもない。どっちだ。
「ご主人様おはようございます」
「ああ、おはよう」
なんかいいね起きたらおはようの挨拶をすることのできる存在が一つ屋根の下で一緒にいるってのは。これで起こしてもらえればもっと幸せな気分になれたかもしれないがそこまで求めるのは野暮だろうか。
「ご主人様案外と早起きなのですね。起こしてさしあがようと思っていましたが」
なんてことだ自分から重要イベントを潰してしまっていたという事か。クソッ!今日に限って何で自然に目が覚めてしまうんだ!
「あー、今日はたまたまだな。いつもは違う」
「そうなのですか?なら明日からは起こして差し上げますね」
よし、これで一つイベントを確保したぜ!
今回ちょっと時系列を整理してみましたがすごいことなってますね。
アマノ君すげー




