13話「ステータス確認2」
毎週日曜日更新を目指して頑張ります
「そういえば魔法を騙す方の魔法道具名前は?」
「フォーシファイです」
「フォ、え、なんて?」
「フォーシファイです」
フォーシファイ言いにくいな。なんかもうちょっと言いやすいの無かったのかな日本人に対して優しくないぜ!
そもそもここに日本人は俺しかいないのだけど。
「そか、魔法道具の事は大体聞いたかな?」
「そうですね、あとはどの素材を取りに行くかぐらいでしょうか」
「ふーむ、だったら次の話に行ってもいいかな」
そうステータスの見方だ。フォルゲン隊長からは自分の部屋(家)で尚且つ本人にしか見れないと言われたが……アンは俺のステータスを見てやがった、しかも外で。
「いいですかご主人様ステータスを見るのは特技です」
「特技?」
「はい、特技【覗き】です」
なんか嫌な名前ですねそれ。お風呂とか覗いてるみたいじゃん嫌だよなんか。それ以外に言えないけど嫌なんだなぁこれが。
「の、覗きですか」
「はい」
本気っぽいな。若干俺を試してるんじゃないかと思ってたけどそんなことはなさそうだ。しかし特技で覗きねぇ。これがあればアンの入浴シーンも覗けるのかしら。夢が広がりんぐですな!
「どうすれば取得できるかな」
「本来生まれ持ったものですからね……一度確認してみては?」
「え?アンが見てくれるんじゃないの?」
「ああ、いえそれがですね。何度か試したんですがどうにもここにきてから見れなくてですね」
見れない?なぜだろ。外では俺のステータスが見れていたのにこの家というか城というかよくわからないところでは見れないなんて。何か影響があるのだろうか。
いいか、久しぶりに自分のステータスでも見ますかね。えーと。
「ステータスオープン」
名前 天野優馬
性別 男
種族 人間
HP unknown
MP unknown
攻撃 unknown
防御 unknown
俊敏 unknown
回避 unknown
運 unknown
命中 unknown
魔法
炎系 LVMAX
水系 LVMAX
雷系 LVMAX
氷系 LVMAX
土系 LVMAX
風系 LVMAX
木系 LVMAX
光系 LVMAX
闇系 LVMAX
毒系 LVMAX
鉄系 LVMAX
空系 LVMAX
回復系 LVMAX
補助系 LVMAX
特技
錬金術 LVMAX
裁縫 LVMAX
鍛冶 LVMAX
料理 LVMAX
大工 LVMAX
採掘 LVMAX
採取 LVMAX
薬師 LVMAX
覗き LVMAX
お?覗きが追加されてる。てか俺も錬金術使えたんじゃん。やべーなこれアンの召使いらない感じになってきたけどまぁやる気ないし任せることにしよう。たまーに個人的に必要なものを作るくらいにしとこうん。
それにしてもなんか久しぶりにステータスなんて見た気がする。スゲー縦に伸びてて見にくいんだよね。
何とかならんかなこのステータス。
「おう、俺にも覗きの特技が追加されてたぞ」
「流石ご主人様です!常人ではありえないことを平然とやってのける!そこにしびr……」
「それ以上はいけない!」
ほんっとうに著作権とか対抗してきたら勝ち目無いんだからやめてほしい。
「ちょっとこの覗きってやつ試したいな。アンは普段どうやってるんだ?」
「私は見たいなって思うだけですね」
「ふーん」
アンのステータス見たいなぁ。
名前 アン
性別 女
種族 アンドラス
HP 6427/6427
MP 8564/8564
攻撃 3540
防御 3604
俊敏 4000
回避 3364
運 78
命中 98
魔法
雷系 LV99
闇系 LV99
毒系 LV99
特技
裁縫 LV99
料理 LV99
覗き LV99
「お前って普通に強いんだな」
「え、何で急に……ステータス見れたんですか?」
「うん普通に見れたけど」
そういえばアンは俺のステータスが見れないって言っていたななぜだろうか。
「やはりメイドになったことが原因でしょうか」
「?でもお前外では見れてたんだろ」
「ええ、たぶんこの家に入ったことで正式に私がメイドになったものだと思われます。そして主人の断りもなく見ることができなくなったのではと」
「ほほーん」
そんなものかね。さっきまで許可なく見ていたステータスが急に見れなくなるとか本当にいろいろ整理が追いついていかないよ。この世界に生まれて育っていればこれが普通なのだから何も思わなかったのだろうけれど、生憎と俺の生まれ育った世界は魔法は仮想の世界だけの産物だったしな。
そもそもこの部屋に入ったから正式にメイドになったってなんだよ。ここはあれか?セーブポイントとかそんな感じなのか?死んだら最後のセーブからやり直せたりするの?その場合寿命で死んだら死ぬ寸前に戻って何もせずに死を繰り返すとかいう恐ろしいことになりそう。怖いな。
正直ステータスが見れたところで特にすることもないんだけどね。ああ、こんなもんなんだぁって思うくらいだし。でもフォルゲン隊長は気になるかな。確か700前後って言ってた気がする。
そうだな、他人のステータスじゃなくて自分のステータスをどうにかする方を考えなきゃな。なんせ今から数値を固定させたりしなきゃならないからね。どんなもんで固定するかを……ってことは他の人のを見て参考にすればいいんでね?そうしよう。
さてさてステータスの数値は後でいいとして魔法と特技をどうするかだ。2~3種類ほどしかないと言われてるし実際アンも3個しかない。だから俺も3種類までに絞らなきゃいけないけどどれを残そうかな。レベルは99でいいとして、炎とか水とか雷とか王道なものも使ってみたいけど回復に補助も必要になってくると思うんだよね。攻撃ばかりに気を向けているといざって時に回復できなかったりするのは嫌だな。
でも回復とか補助に気を向けていると攻撃がおろそかになる。うーん悩ましいな。ってあれ?悩んでるけど俺って魔法絞る必要あるのか?
「なあアン、フォーシファイってレベルを騙すだけなのか?」
「というと?」
「魔法の種類……つまり系統を騙すことはできないのか?炎を氷に雷を毒にみたいな」
「……そうですね、やったことはありませんし聞いたこともありませんが騙す事ができる物なのでやってやれないこともないと思いますが」
煮え切らない答えだな。
「なぜそのようなことを?」
「いや俺って魔法も特技もいっぱい使えるやん?通常2~3種類なのにそれ以上あるってのもなと」
「え?いっぱい?」
「?」
なんだ?その初めて知ったみたいな顔は。俺のステータスを見たはずなのだから俺がどんな魔法が使えてどんな特技を持っているのかも分かるはずだ。なのになぜアンはそんな顔をしている?
「失礼ながらご主人様。私が確認致しました時には魔法は5種類でした。確かに多いですがいっぱいというにはそれほどの数ではないかと」
「何言ってんだ?魔法が14で特技がさっき一個増えて9だぞ?」
「え?」
本当にこいつは何言ってんだ?実は俺のステータスちゃんと見れてなかったのか?だって14と5じゃ全然違うぜ。何をどう見たらそんな差が出てしまうのか聞きたい。
だが俺以上にアンの方が悩んでいた。何やらさっきからぶつぶつ呟いて選ばれしものとか変革者だとか言ってる。正直これ以上変な設定を増やさないでほしい消化しきれない。
「そんなことはこの際どうでもいいんですよ。ただフォーシファイでそれが騙せるのかなと」
「……ご主人様おそらくですがフォーシファイに頼らずとも種類に関しては大丈夫かと」
「それはお前が見れなかったからか」
「はい」
それを証拠にしてもいいのか不安でもあるけれど。それがもし本当の事なのならば変に考えなくてもよくなるから嬉しいことなんだがな。よくわからん。よくわからんがアンがいいって言ってんだからいいんだろうよきっと。
さて、どの魔法を残すとかを考えなくてよくなったから改めてアンのステータスでもゆっくり考察しようじゃないですか。ステータスが基本的に3000以上なのがすごいのかすごくないのかわからんな。でもフォルゲン隊長は700前後と言っていたからそれをふまえればすごいんだろうけど。基準がわからない以上素直に高いと言えないのが悲しい。実は王直属の騎士の方が強かったりして……。
運や命中が100に言ってないところを見るに最高が100なのかな?ただ単にこの二つが上がりにくすぎる物なだけでもっと上が最高なのか。まだまだ分からないことだらけである。分からないなら聞くしかないこの世界にネットなんてないのだからね。
「運や命中ってのは最高が100なのか?」
「運は確かに100だと聞いた覚えがありますが命中は違います。今は98ですがこれはとても低いです。なぜならば今何も獲物を狙っていません。獲物を狙えば、集中すればより命中の数値は上がります。」
「ふーん」
そんなものなのか。狙ってなければ命中が下がり狙えば命中が上がる……。そういえば他のステータスも同様に上がったり下がったりするって。
「おい、ステータスはその時のコンディションで上下するんだったよな」
「はいそうですよ」
「じゃあやはりみんな負担がかかるんじゃないのか?確かステータスを固定するのは俺に負荷をかけないためにするはずじゃ」
「ああ、そのことですか。確かにそう思いたくもなりますがご主人様に対して負荷がかかるのはunknownだからです。通常は最高値が決まっておりその中で上下いたします。例えばそうですね重たいものを持ち上げるとしましょう。ご主人様が簡単に持ち上げれる重さが20キロだとしましょう。それを最大値としてそこから下げたりまた20に戻ったりとあまり負荷がありませんね?」
「ああ、……てか単位一緒か。んん、20キロまでが楽に持てるんだからそりゃ下げたところで楽だし20に上げても楽だわな」
「はい、ですがunknownとはそれが決まっておりません。つまり無です0です。そこにいきなり100だとかやってしまえば当然」
「負荷がひどい」
「そういう事です」
ははーん上限が決まってないってのはいいことでもあるけれど、その逆で悪いことでもあると。確かに自分が持てる重さ以上のものを持とうとすればそれ相応の負荷がかかる。しかもそれが俺の気分でころころ変わるとなれば当然その度にunknownから変化するいじょう負荷がかかる。だからこそ、その負荷をなくすために必要って事か。
分かった気がしてただけで何もわかっていなかった。1つ疑問が解決したところでまたまたアンのステータスで見つけたことをば。話がスムーズに進まないなこんちきしょう。
魔法が雷闇毒となかなかに怖いものそろってんな。雷でしびれさせて闇で視界を無くし毒でじわじわ殺すみたいな感じ?怖。ヤンデレステータスとでも名づけておこう。需要がなさそうです。
しっかしあれだな。この魔法すごくアンにあってるね。悪魔ということもあるけれど闇が一層怪しさをかもし出し毒がアンの危険なところをかもし出す。雷はあれだ私に触れると痺れるよみたいな。はぁ……
しっかしあれだなもれなくレベルが99ってのがやっぱり王だったんだなって思うところではあるよね。強さこそが至極見たいなこと言ってたし。
なのに特技が料理に裁縫って。乙女か!
「乙女か!」
「え?」
おっと思わず口に出してしまった。いやしかしこれは口に出して突っ込んでしまっても無理はないと思うのでうががどうよ。
だってね?悪魔だよ?王だよ?そんなやつが裁縫と料理が特技ってまったくもってイメージわかないっての。すごく違和感があるんだけど……でも今となってはありがたいけどね。なんせメイドだから。
それでも気になるものは気になってしまうのが性というもの。実は特技と言っておきながらメシマズの方だったりとかしたら泣く。だからこそ確認が必要になってくると思いたい。
「お前特技に裁縫と料理があるけど本当か?」
「ご主人様それはいささか頭に来ますね」
「ほほーん。つまり本当だと?」
「ええ何なら今すぐにでもご主人様の服一式にご飯を用意いたしましょう」
すごい自信だ。今すぐに料理だけじゃなく服一式まで作るとか言ってる。それはすごいけど服はあれだ買えばいい。まだオーダーメイドするときじゃない。今はまだだそのうちね。
「服はいいが飯は作って欲しいかなぁ、流石に腹減ってきた」
「そうですね……少々お待ちください」
アンはすでにこの城(家)の間取りを掌握しているのか何の迷いもなくキッチンへと向かっていった。母親以外の女性がご飯を作っている姿を見るのは夢ではあったものの相手が悪魔となるとその姿を見るのが怖くて仕方ないので部屋で大人しく待っていることにする。
この世界にドリルなんてものが在るか知らないけどそんなものを使ってる姿とか音を聞いたらほらね。出されたときに見た目やにおいが良くても怖いだろ?何がどうやったらそれを使ってあんな音がなるのかと。
しばらくアンの料理に対してどんなものが出るのかと恐怖に震えているとアンが料理をもってやってきた。
「お待たせいたしましたご主人様」
アンが作った料理が机の上に並べられていく。そこにはどうしようもなく見たことのある料理が並んでいた。
この世界にもあったのかと言いたくなる白米に赤味噌汁、具は見た目だけで言えばオーソドックスな豆腐にわかめ、油揚げが入っている。それにベーコンと目玉焼き、サラダが出てきた。朝食かな?
いやマジでこのラインナップは朝食だろ。しかも完全に日本のです本当にありがとうございました。
「……懐かしいな。この世界にもこんな素材があったのか」
「ご主人様の記憶をちょこっと覗かせてもらった時に簡単に作れそうで素材が似ているものを作ってみました」
「俺の記憶を覗いたとか急に重要なこと言いだしたけど今はいいや。似てるってことはやっぱりこれも白米じゃないんだよな」
記憶覗くとか今は正直どうでもよくなってきていた。そんなことより目の前に広がるこのおいしそうな料理だ。
よく見ると目玉焼きは塩コショウ的なものが振ってある。俺は醤油でも大丈夫だが塩コショウが一番好きだ。これは好みがわかれるからな……きっと俺の記憶から一番食べてた味と在った方を使ったんだろうな。
「いただきます」
まずはコメに似たこれを一口。うん最初は味がないかと思ったら噛めば噛むほど甘みが出てくる。完全にコメだなこれ。細かいこと気にしないでおこう。それに温かいのがまたおいしさを引き立てている。現代の人たちはあまりかまずに飲み込んでしま事が多いのでコシヒカリなどすぐに甘みの出てくるコメが人気になってくる。だが年配の人はよく噛んで食べるため噛めば噛むほど甘みが出てくるコメを好む。
需要と供給……だからこそすべてをコシヒカリにするわけにはいかないしまず育てられない。人の好みもあるし。
今度は味噌汁だ。ずずずと一口啜ってみた。これも味がだいぶん再現されている。具材もこの味噌汁にあっている。……ご飯を一口そのまま味噌汁を啜って口の中で味噌汁ご飯を作る。うまーい!やっぱりあう!
さてひとまずコメと味噌汁はおいておいて本当はサラダから食べたほうがいいんだろうけどコメの誘惑に負けてしまったからしょうがない。なるほどなるほどこれにはマヨネーズに似た何かをかけてある。ドレッシングがあるか知らないがドレッシングじゃなくてよかった。俺ドレッシングダメなんだよね。オエッってなる。
ふむふむ味はあれだなマヨネーズには似ても似つかない味だ。でもこれはこれでおいしい。でも正直サラダってあんまり好きじゃないから最初に全部食べちゃえ。
ふぅさて次はベーコンと目玉焼きだ。薄くスライスされたベーコンが目玉焼きの下に敷かれているってかどうかしている。これはベーコンの上に卵を落として一緒に焼いたな。いいセンスだ。黄身はどうかな。お、半熟。固焼きもいいけど半熟もいいよね。ベーコンにも白身にもこの黄身が絡んでおいしそうだ。
やっぱりおいしい。この味ですよ。世界は変わろうとも、卵の生みの親が変わろうとも卵はこの味ですよ!ベーコンも脂っこいかと思ったらさっぱりしていて胃にもやさしいのにおいしい。この点はこっちの方がいいな。ものによって来ると思うけど向こうの世界で食べてたベーコンは基本脂っこかったんだよな。焼く時に油いっぱい使ってんのかな?
懐かしくもおいしいご飯に感動して一心不乱にご飯を食べる。ご飯にこんなにがっつく日が来るとは思ってもみなかった。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした。いかがでしたか」
「うん、おいしかった。これからも食べたいね」
いや本当に。三食これってのはちょっときついけどまた食べたくなるおいしさだった。そーいやアンは食べてなかったけどお腹減ってないのかな。
「アンはお腹減ってないのか?」
「ええ悪魔は空腹を感じませんし食べなくても生きていけます。けれどやることがないので食べることはあります。つまるところただの暇つぶしですね」
暇つぶしか。じゃああれだな暇すぎて料理を研究してすごいおいしい創作料理とか作ってそう。またそれは別の機会にだな。
「そっか、でもなご飯ってのはみんなで食った方がうまいんだよ。だから今度から一緒に食べよう」
「しかし……」
「確かにお前の料理はうまい。何度でも食べたくなる。でもじっと見られたままだと食べにくいし一人だけ食べてるとなんかもうしわかない気持ちになるし。とにかく一緒に食卓を囲んで食べたほうがおいしいんだから今度から一緒に食べること!」
申し訳ない気持ちになるのは俺が小心者だからだろう。でも一緒に食べたほうがおいしいのはみんなそうなんじゃないかな一部を除いて。
「わかりました。これからは私もご一緒させていただきます」
やっぱり誰かと食べるご飯はおいしい。だからこそアンが次から一緒に食べてくれると言ってくれたから嬉しい。
「さて、飯も食ったし魔法道具の材料でもそろえに行きますかね」
いい加減に魔法道具さんの事もやっていかないとふてくされてしまうかもね。まずはどっちからそろえようかな。確かテンパランスには竜の鱗とエルフの髪がいるんだったよな。そんでフォーシファイの方が反射鏡、ヒノエンマの髪だったよな。なんで二つとも髪がいるんだろうか。
そんでもってフォーシファイの素材はそこらの市場で買えるんだったよな。なら……。
「市場に行きますか」
腹ごしらえもしたところで素材を集めに行きますか!




