12話「魔法道具」
早く投稿するといったなあれは嘘だごめんなさい反省してます。
馬鹿な男たちの方も読んでいただけたらそう時間が空いていないと思いますはい。
いいわけですねごめんなさい。
「それではご主人様どちらからお教えいたしましょうか?」
「その前にお前はどこまで知っている?」
「どこまでというのは?」
正直な話こいつがどこまで知っていてどこから知らないのかがわからない。例えば俺のステータスunknownの事とかだ。
どんな数値にも一時的に変更可能とこいつは言っていたがその一時的とはどのくらいなのか。
魔法のレベルはすでにMAXなわけなのだがそのレベルを下げることができるのか。アンが言っていたのはステータスの数値の固定化。つまり俺の意志とは無関係に固定のステータスを保ってくれるものだ。
では魔法のレベルは?
「……そうですね、例えばステータスの数値なんですがご主人様が[こうしたい][ああしたい]と思った時にできうる数値に変わります。ですがそれが終われば数値はまたunknownに戻ってしまいます。逆に言ってしまえばずっと[こうしたい]と思っていればいいのですがそれはまず無理でしょう」
ああそうだ。無理だな。ずっと同じことをしたいなんてことはない。
俺がステータスをいじる時は仕事の時だ。例えば捕獲の仕事もあれば討伐の仕事もある。捕獲の仕事の時に討伐の事なんか考えてしまったら……ステータスがそれに準ずる数値になってしまったら仕事が失敗してしまう。
「それにご主人様でも怒ることはあるかと思います。その時にステータスは言うまでもなく最高値にまで上がってしまいます」
そりゃそうだろう。さっきの捕獲と討伐の比較でさえダメなのに俺がぶち切れでもして完全に滅ぼしたいなんて考えた日にはとんでもない数値になるんだろう。数値の上限がいくつか知らないけれど……。
「じゃあ魔法は?」
「実質すでに上がってしまった魔法のレベルを下げることはできません」
「じゃあ」
「ですが騙すことはできます」
「騙す?」
どういうことだ?下げる事は出来ないが騙すことはできる……意味が分からない。
「ふふ、後でゆっくり説明してあげますね」
「ああ、そうしてくれ」
今説明されても多分忘れるな。忘れはしないか。
「それではご主人様、どちらからにいたしましょう?」
「んーそうだねぇ。どうしようかなどっちも大事なんだけど……命に係わる魔法道具の方からかな」
「かしこまりました」
別に魔法道具自体が命にかかわるものじゃないけど言い方がそれしか見つからなかっただけなんだ。
て誰に向けて話してんだろうね。そんな訳でアンからステータスを固定化するために必要な魔法道具とやろの情報を聞くことにしましょう。
「まずその魔法道具の名前はテンパランスと言います。そしてそれを作る材料がなかなか難しいのでございます」
「難しい?それはどういう意味だ?殆ど目にしないものなのか?それともその素材を手に入れるには強敵を倒さなきゃいけないのか?」
ゲームで言うところのレア素材かな3%の確率で手に入るみたいな。
「その両方ですね。そして素材はアンドラゴラ1つ竜の鱗が5つエルフの髪が1本です」
「何その意味が解らない素材。それでどうやって作るんだよ」
「今のは難しい素材です。他はそこら辺に売っているものですのであえて省きました」
「あ、そう」
……アンドラゴラここでその名前を聞くことになるとは運命とでも言いましょうか。嬉しくねーな。
これは八百屋のおっちゃんもノアさんのお母さんも犠牲にあった植物。握ればその都度叫び精神を崩壊する迷惑極まりない植物だ。本来この植物はこの国では出回らないはずのもので、でもそれが八百屋にあったり過去には庭に野菜と一緒になっていたり……自分がなった訳ではないけれどあまりいい気持ちはしないな。
アンドラゴラはまだ八百屋にあるだろう。触れるのも嫌だろうし。そこは安心して他の二つですよ。
竜の鱗ですかそうですか。天鱗じゃないといけないみたいな事は無いよね?むしろ鱗に種類なんて無いよね?なんて悠長に考えているけれどつまり竜と対峙しないといけないわけで。
なんか盛り上がってきた。だって今の俺のステータスならどんな竜だって簡単だよねワンパンだよね。でもステータスに頼りすぎるのもいけないな。
てかそのステータスのせいで俺の身に色々と起きるからそれを規制しようって話なんですよね今。
でもその竜の鱗を手に入れるまではステータスを縛るのは自分なわけで。エルフの髪に至ってはもうもらえる気がしない。
うーん素材集めは戦力的に問題ないけどいろいろ違う意味で苦労しそうですねぇ。
「はぁ何かめんどくさいな」
「ええまぁそれは仕方ないですね」
仕方ないと諦めろって事ですねわかりましたおやすみなさい。
「ご主人様おねむですか?それならベッドの上になっておやすみください。 そのまま私が体を使って癒して差し上げますので。」
「おねむて……この年になってその表現をされるとは思っていなかったな。 それに体使って癒してもらった俺にメリットは?」
「私にとってご主人様もまだまだ子供のような年ですので。 私との子供ができます」
「HAHAHAその子供との間に子供をもうけようとしてるのはどこのどいつですかね?」
本当に何言ってんだよ。あれだろ、人間的に言えばBBAが子供を襲おうとしてるって事だろ?
「誰がBBAですって?」
「気のせいだから落ち着きな」
まったく急に人の心を読まないでほしい心臓に悪い。
「いくらご主人様と言えど許容できる範囲がございますので」
「ああ、そのほうが嬉しいね」
「?なぜです」
何故と聞くか。そりゃあ何でもかんでも許されたら堕落してしまうからだ。
確かに俺は楽しい人生を送りたいと思っている。前世があれだったから尚更今回は楽しく生きたい。でもそれは堕落したいわけじゃない。堕落していた前世は全然楽しくなかったからわかる。
まぁ別に許されたから堕落してたんじゃないけどね……許されなさ過ぎても堕落した例がここにいますよっと。
「その内わかるさ」
「はあ」
アンはどこか納得いかないような顔をしている。それでいい。疑問を持つことは決して悪いことではない。俺とアンは一応は主従関係にはあるけれどちゃんとしたものではない。おままごとのようなものだ。おままごとで主従関係があるのは何か嫌だな……。
話がそれた。つまり主人の俺に対してすべてイエスと答えるつまらない存在になって欲しくない。俺の言ったことが間違っていたならば違うとはっきり言ってくれる、それが俺の望むもの。
「さて、話がだいぶんそれたな。別にまだ眠くないしそんな時間でもないし……。説明の続きはよ」
「そうですか。えーと、どこまで話しましたっけ」
「お前そういうところ人間っぽいな」
話がそれると今まで話していたことがわからなくなる。よくあることだ。話している最中はものすごく盛り上がって何時間でも話していられそうだけれどいざ話を中断してしまうとどこまで話したのか忘れてしまう。そんなのがとても人間らしくて少し嬉しく思っていますマル。
「そーだなぁ素材の事を話してたから……どの素材から集めに行くか決めるか」
「そうですね。アンドラゴラ、竜の鱗、エルフの髪……この3つの素材は必ず必要となります。そしてアンドラゴラはすでに用意してあります」
「用意がいいのは褒めれるけどいったいいつ用意しやがった!」
危うく聞き流すところだったけど突っ込むことができて僕満足です。
そうじゃない。一体こいつはいつアンドラゴラを取ってきたんだよマジで。あれ?こいつずっと俺のそばにいなかった?
もしかするとあれか?俺と対峙する前に手に入れていたとか。
「ああ、実は八百屋に転がっていましたので持ってまいりました。ご主人様ならきっと魔法道具をお作りになると思いましたので」
こいつなかなかやるな。俺が作ると決めてもないのにすでに素材を集めてやがる。しかもあれも思い当たった八百屋のアンドラゴラだし。あとでおやっさん達に事情を説明しなきゃいけないな。
「ちなみに八百屋の奥様方にはすでに了承を得ています」
「お前がなんか優秀すぎて俺の出番がないです本当にありがとうございます」
本当に何なんだよ。なんですでに了承得てんだよ早えよ。拾ってきたんじゃなかったのかよ、貰ってんじゃねーか。
え?何この子そのうち竜の鱗とエルフの髪も一緒に持ってきそうなんですけど……。
てかそもそもこの素材でどうやってステータスを固定する力を発揮するのかわからんのだが聞いてもいいのだろうか。
「なぁふと思ったんだが」
「はい?」
「この素材でどうやってその効果を出してんだ?」
「……ご主人様、この世界には聞かない方がいいこともあるんですよ」
知らないっぽいねこれ。知らないというかもうそういうものだって感じのやつだね。今更過ぎて誰も何も疑問に思っていないってやつだ。まぁ別に俺もそこまで必死に知りたいわけでもないしいいけどね。
「そうか。あとこれもふと思ったんだが」
「何でしょう?あまり踏み込んだことは聞かない方がよろしいですよ」
「うん大丈夫そんなんじゃない。テンパランスの効果についてだ」
ステータスを固定化する。今まで普通に言ってきたがそれの効果に何のメリットがある?俺みたいにunknown持ちならわからんでもないがそれ以外の普通の人にとって無縁のものなんじゃ。
「無縁なんかではありませんよご主人様。むしろ喉から手が出るほど欲しいものです。特に上級者になってくればそれこそ持ち主を殺してでも欲しいものです」
「なぜ?」
「ご主人様、ステータスの固定化とはその名の通り固定です。何があろうと魔法道具を外したり破壊したりしなければ決して変動することはありせん。
例えば出血状態です。出血状態になるということは体から血液が無くなっていくことを表しています。この状態でフルパワーを出せと言われても無理でしょう。いわゆる貧血になっていくのですから。血が無くなればその分集中力や体の力などもどんどん下がっていきます。それはステータスも一緒なのです。
ステータスとはその人が持つ最大値からその日のコンディションで変わってしまうものなのです。風邪をひいても心が忙しなくてもステータスは下がってしまいます。
一つだけならばまだいいかもしれませんが出血状態のようなものはすべてのステータスが下がってしまします。しかも出血が止まっても血が補充されるまでは下がったままなのですから大変危険です。
ですがそんなときでもテンパランスがあれば」
「ステータスは下がらない」
「はい、ずっと最大値を保ったままです」
……やばいな。何がやばいって効果がやばすぎるだろ。ステータス固定化ってお前簡単に言ってたけど普通に考えとヤバいやんそれ。ステータスに関してまた新しい情報があったけどそれを差し引いてもヤバい効果なのはわかった。
でもとなると上がる方はどうなんだ?つまりそれは上がらないのだろう?上げてからつければいいのか?そいつの最大値が今は上がった方なのだから。
「ちなみに上げる方も無効です。ですが武器の保有する攻撃力とステータスにかかわらない特殊効果、例えばダブルアタックつまり一回の攻撃で2回分のダメージを与えられる等の効果は+αされます」
無効だった。やっぱりダメみたいだ。そんなおいしい話ではないな……けど武器自体の攻撃力と一部を除く特殊効果はちゃんと生きていけるのか。
?待てよ。今普通に感動してたけど俺の場合unknownが最大値であるわけでテンパランスでステータスを固定したらunknownで固定されるわけで。
「意味ないやん!」
なんだよ!意味ねーじゃねーか!なんか長々とやったけど結局意味ねーじゃん。俺unknownのままじゃん。unknownがいけないからある程度で固定しようねーだったのに今のじゃ完全にunknownに固定じゃん!
「いえ、unknownは正確に言えばステータスではないので……というよりも先ほどunknownは数値ではないのでとお話したではありませんか」
「え?したけど結局俺の最大値ってunknownなんだろ?」
「ですからunknownは数字では無いですので最大値になりようがないのです。最大値とは数字で表されているものunknownは最大値を自在に変えれる状態というだけですので無意味ではありません」
……つまり意味ないなんてことはなかったと。良かった。こんなに話をしといてマンドラゴラまで用意しといて結局意味ないんじゃそれこそ意味ねーよ。
もう意味って言葉がゲシュタルト崩壊し始めたよこんちきしょー。
「悪いちょっと早とちりしてしまった」
「フフフ、可愛いですね」
「ええ、可愛いか?」
そこら辺の感覚は俺にはわからん。てか可愛いなんて子供のころ以来だ。まぁ俺は男の娘じゃないので可愛いと言われたらすごく複雑なのだけれど。
「はぁまいいや。効果はわかったが素材をどう入手するかだな。アンドラゴラはあるけど」
「実はドラゴンとエルフは共存しているのです。ですのでどちらかでも信用を得られれば」
「君はどうしてそんなに何でも知っているんだい?しかも結構重要な内容」
某猫の怪異に憑かれた人みたいじゃないですか。何でも知ってるなって言ったら知ってることだけって返してくれるだろうか。むしろ私は何でも知ってるよと言われそう。キャラを守れよ!
……いかんなどうしても話をそらしてしまう傾向があるようだこれは俺の悪い癖だ。だから話が進まないと読者から叱られてしまうだろう。読者ってなんだ。
「はぁじゃあドラゴンかエルフかどっちかと仲良くなればいいってことでそっちは後回しだな」
「そうですか……では魔法レベルの方にしましょうか」
「ああ、レベルを騙すんだったな」
「はい、先も言った通り上がってしまったレベルは下げることができませんが騙すことはできます。魔法の依存はそのレベルにありこちらも魔法道具によりレベルを変更、騙すことができます」
魔法道具万能説。なんかご都合主義すぎる気がしますねぇ。俺としては大変うれしいのですがこうも状況にあったものが魔法道具だけで片付くってすごいなぁって思いました(小並感)。
「こちらの方は比較的に簡単な材料で作成することができます」
「ほほう」
「反射鏡1個、ヒノエンマの髪5本です」
「髪大好きだな!」
そもそもまたもやその素材でどう作ろうってんだよ。何?鏡と髪をどう使うの?鏡に髪を巻き付ければいいの?それで完成なの?
「ちなみに魔法道具は我々では作れません」
「え」
「錬金術師が必要となります」
錬金術師……あの素材から何かを作ったりいろんなことをしたりする夢職業の事ですか!やばいな錬金術師。今まで言われた素材から魔法道具作るとかもう神の領域でしょ。
「錬金術師か……フォルゲン隊長に聞けば何とかなるかな」
「それなんですが」
「ん?どうかしたか」
「ええ、私の召使の中に趣味で錬金術をやっている者がおりまして。そのものがピッタリではないかと」
ほほう、忘れかけてたけど、この子もともと女王だったね。偉いやつだったんだ。で、そのお偉いアンの召使の中に趣味で錬金術をやってるやつがいると。そしてそいつがピッタリなんじゃないかと、ふむふむ。
「アンお前ら実は暇だったな」
「ええ、大変暇でした。如何せんいつも同じことばかりで……楽しみがあるとすれば先ほど述べた錬金術の娘の成果ぐらいでして」
「そっか、んで?そいつをどうしろと?召喚しろなんて言わないよな」
「そこは大丈夫です!私が命ずれば配下の者はどこでも私のそばまで転移することができますので!」
ほんっとご都合主義って大好き。とんとん拍子で進んでいくからねやりすぎると飽きられる可能性もあるけれど……。
「まぁなんだそいつの事はいろいろ準備できてからでもいいだろう。今増えられても俺がついていけない」
実際今もついていけてないんだけどね!しょうがないよね!みんなも中二がひどすぎる本とか読んでて着いていけないでしょ!?その感覚をリアルで味わってるんだよ!
にしても錬金術か、俺にもやれるのかなそれ。ああでも俺が錬金術使えるようになるとアンの召使を召喚する必要がなくなるな。アンがせっかく提案してくれたのだからそれを踏みにじるようなことはしたくないしね。
それにしても反射鏡にヒノエンマの髪ねぇしかもエルフの髪より多いし。それでも難易度が低いってことはそれなりの理由があるんですかね。例えばエンマなんて大層な名前がついているけれど実は一度外に出るとわんさかいるタイプだったり。
まてよ?ヒノエンマってどっかで聞いたことあるなと思ってたけどもしかして妖怪か?漢字で書くと飛縁魔、縁障女とも言ったはずだ。百物語にも出てきていたはず。
この世界なんか所々で向こうの……元の世界とつながっているところがあるな。違いは大いにあるけど。
「で?さっきより髪の毛の本数が多いけど簡単なのか?」
「ええ、二つともそこらの市場で買えます」
本当に簡単だなおい。
今回も微妙なところで終わってしまった感がありますがいいんです




