1/10
1 「もうあきらめてもいいだろうか」
ラノベ的なタイトルのものが書きたくて書き始めました。
テンプレ的なものを多く盛り込んでいきたいと考えています。
坂月悠真は暗い洞窟の中で一人倒れていた。真上には、黒い天井が見える。悠真は、その黒い天井を見上げてつぶやいた。
「もうあきらめてもいいだろうか」
それは、ほかの誰でもない自分自身に向けた言葉だった。だからこそ、そのつぶやきはとても小さなもので、響くことすらしなかった。
意識はあったが、強烈な眠気が襲ってきていた。
もし、ここで眠れば、そんな考えが頭をよぎる。
そのときは、確実に悠真は死ぬことになるだろう。それを悠真は理解していた。
だからこそ、今眠るのだ。
もう、がんばることに疲れてしまったから。
もう、夢すら、叶えられないとおもったから。
こんな、世界の悪意という化け物が跋扈する洞窟の中で。
悠真は死ぬために、眠ることに決めた。