第七話 ダンジョン挑戦 その2
ダンジョンの中に入ったはいいが薄暗い。
さらに奥は何も見えない程暗い。
周りは山の洞窟みたいな感じだけど道幅は広かった。
するとロイが腰にかけてあった革袋からランプを取り出してつけた。
「よし、進もうか」
ちなみにランプは魔石で動くらしい。
魔石がエネルギーとなって光を発生させる仕組みらしい。
魔石……初めて知った。
これも内緒にしておこう。
なんとなく話の中で理解できたし。
でも、あんまり村で見かけないしこれも高くないのか?
ロイの言葉に従って進もうとしたが俺はある事を思い出した。
「ロイちょっと待て」
ロイを呼び止め俺は魔法を発動させる。
すると俺たちの周りに小さな光の玉が浮き上がり周囲を照らした。
光魔法を応用したものだ。
これは俺たちが動くと自動でついてくる。
「おぉ! ダンジョンに入る為にハルもちゃんと考えてたんだな」
「当たり前だろ!」
俺は堂々と胸を張って答えた。
しかし、実はこの魔法、夜中にトイレに行きたくて起きた時に暗い中、手探りでトイレに向かう途中、柱に足の小指をぶつけ悶絶してる時に何とかならないかと考えた結果生まれた魔法である。
一応名前もある『導きの光』である。
名前はともかく開発した経緯については墓場まで持っていく覚悟だ。
そうして俺たちはダンジョンを進む。
すると道が二手に分かれている箇所に出た。
どっちに進むべきか俺が迷っているとロイはおもむろに革袋から紙を取り出す。
紙を覗くとダンジョンの地図だった。
「なんでそんな物持ってるんだ!?」
「このダンジョンは3階までの地図は売っている。だから買ってきただけだ。ちなみに今現在一番最も深くまで行った者は15階までだな」
そうなの?
地図があるって反則じゃないのか?
でもダンジョンで子供が迷子になっても助けてくれる人はいないか。
とりあえず進もう。
でも、装備だったり地図だったりロイの家は結構お金持ちなのか?
そんな事を考えながら俺たちはダンジョンを進んだ。
1階は特に魔物に出会う事もなくアイテムや売れそうな素材があるワケでもなくやや肩透かしな感じで、何事もなく次の階層への階段にたどり着いた。
ここまで地図のおかげもあり、そんなに時間も経っていない。
ダンジョンってこんなものかと思いながら階段を降りると何か気配が違った。
さっきまでの空気より明らかに重々しい。
「ロイ……」
「あぁ」
俺たちは気を引き締め直してダンジョン2階を進み始めた。