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第四十ニ話 表彰式に出ます

 今日は闘技大会表彰式。

 俺はいつもの感じで会場に向かう。

 というか会場は城なので、移動はない。

 国王様から直々に表彰されるみたいだけど、まぁ国王様と言ってもロイのお父さんなので緊張しない。

 表彰式の後、城のバルコニーからみんなにお披露目があるらしい。

 こっちの方がよっぽど緊張する。


 「よっ! 昨日はゆっくり休めたか?」


 どこからともなく現れて声をかけて来たのはルイーズさんだった。


 「おかげさまで。いろいろ変な気も使ったのでよく寝れましたよ」


 俺はシャーリーとの事を、ちょっと皮肉を込めて言った。


 「お二方、準備をお願いします」


 案内役の兵士が現れて、俺たち二人を呼んでいる。


 「それは悪かったって! じゃぁ行くか!」


 やっぱりマイペースな人だ。

 でも実力は超一流だしな。

 そんな事を思っていると王座の間の入り口に着いた。

 俺たちの前に重厚な扉が立ち塞がる。


 「くれぐれも粗相のないようにお願いします」


 案内役の兵士が俺たちに言って下がって行く。


 「分かってるって!」


 ……この人大丈夫だろうか?

 すると目の前の扉が開いた。

 左右には騎士達が並び正面にロイのお父さん、国王がいる。

 俺たちは王座の間の中央あたりまで進み立ち止まる。


 「闘技大会優勝者、ルイーズ。貴殿は闘技大会優勝者に恥じのない戦いを見せてくれた。よって褒美を授ける、何が良い?」


 ロイのお父さんは国王モードで、ルイーズさんにそう告げた。


 「褒美はいりません。その代わりしばらくの間滞在の許可と城の出入りの許可を頂きたく思います」

 「よかろう。気のすむまで滞在するが良い」

 「有り難きお言葉」


 ルイーズさんは何かやらかすような気がしたけど無難にこなした。

 滞在の許可って事はしばらく俺たちに特訓してくれるって事かな?

 まぁ、城の出入りはルイーズさんだから許可されたんだろうけど。


 「大会準優勝者、ハル。貴殿も決勝に相応しい試合を見せてくれた。よって褒美を授ける、何が良い」


 何が良い……別に何か欲しかった訳じゃなくて戦いたかっただけだからな……そうだ!


 「あいている時でいいので闘技場を使用させて頂けたらと思います」

 「よかろう。存分に使うが良い」

 「有り難きお言葉」


 いっつも思うけどロイのお父さんってオンとオフが出来てるってかここまで別人みたいになるのはすごいな。

 まぁ普段のままじゃ面目まるつぶれだけど。

 でも、闘技場が使えるようになったし、より実践に近い訓練が出来るな。

 万が一があっても死なないし。


 「それでは二人共、国民のみんなにその勇姿を見せるが良い」


 そう言われ、俺とルイーズさんは城のバルコニーに出た。

 すると、人々が広場を埋め尽くし、なお、人が溢れている光景が目に入る。

 俺はあまりの光景に呆気に取られる。


 「なぁ、ハル。この人達みんなおまえがドラゴンを倒したおかげでこうやって生きている。おまえという正義の力がこの場にあったからみんな助かった。でも、おまえに力がなかったらこの場にみんなはいない。力無き正義は無力。逆に正義なき力は人々を救う事はない。だから、力を持っている俺たちは何が正義かを考え、正義を貫く為、鍛え続けなければいけない」


 ルイーズさんの言葉は俺の胸に突き刺さる。

 力は使い方を間違えば人々を恐怖に落とし入れる。

 そして、大切な人を守る時、力がなければそれは無力だ。

 だから、鍛え、そして正しい事は何かを考え続けなければいけない。

 ルイーズさんはチャラそう思ったけど実はー……。


 「おっ! あの子可愛いな!」


  ……やっぱりチャラい。

 ルイーズさんバルコニーから見える人々の中から可愛い子を物色している。

 良く分からない人だ。

 とにかくまぁこれからまた訓練を頑張らないとな。


 「ハル、あの子とこっちの子どっちがタイプだ?」


 ……こんな調子で大丈夫だろうか。


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