第三百九十四話 対ダビド その3
「くっ……調子乗るなぁぁあああ!!!」
ダビドは余裕がなくなったのか、口調も変わり、先ほどと同じように漆黒の矢を放ってくる。
その量は先ほどよりも多い。
しかし……。
「だから、無駄だと言っていますわ!」
ダビドから放たれる矢をことごとく、ソニンがウインドカッターで撃ち落としていく。
ハルがいうには、小さい時から魔法を限界まで使う方が魔力量が増えるらしいし、ソニンは俺よりも小さい時からダビドに魔法を教えられ、ハル達と出会ってからも特訓を続けた。
あまり目立っていなかったけど、ソニンの伸びしろは大きい。
今ではダビドを圧倒する程だ。
「おまえは自分で動かず、人を使い過ぎた!」
俺はソニンが魔法を撃ち落としてくれている間にダビドに肉薄し、魔力操作した剣を振るう。
「ぎゃぁぁぁあああ!」
ダビドは頭に血が上っているのと、ソニンに負けないように魔法に集中していた為、俺の攻撃を無防備に左肩にくらい、左腕が身体から離れ、悲鳴をあげる。
そして、身体から離れた左腕は黒い霧となって消える。
ダビドは左肩を押さえ、俺から距離を取ってこちらを見据えた。
「……最後の手段です」




