第二話 修行頑張ってます
8歳になった。
あれから魔法と自己流で剣術の練習をしている。
正直剣術はうまくなっているのかどうか実感がない。
ひたすら剣を振り想像の相手と戦うがこんなんでいいんだろうか?
周りから見たら変な人に見えるに違いない。
魔法に関してはちょっとした進歩が見られた。
最初は他の大人のマネをして詠唱していたが、めんどくさくて詠唱を省略しても魔法が発動した。
『これはもしかして!』と思ってイメージだけで魔法を発動させてみたら出来た。
決して楽をしようと思った訳じゃない。
効率良くしようと思っただけだ。
……うん。
言い訳じゃない。
でも、無詠唱魔法の発見した経緯を聞かれた時のカッコイイ理由も考えとかないと……。
そしてもう一つ発見があった。
魔法はイメージでいろいろな形態で使用できる。
ようは想像力が大事だ。
今はオリジナル魔法の創作に励んでいる。
あと、魔法は込めた魔力が大きいほど威力が高くなるけど、これももっとこう効率良くならないかといろいろ考えている。
自分の魔力の底は見えないけどその分いざという時にドカドカ魔法を使って魔力切れになったら怖い。
『限りある資源は大切に』がモットーだ。
これは今後も試行錯誤する必要がある。
とは言えここまでくるとさらに自分が周りの人と違う気がする。
さらに規格外になってきた。
ここまで来たら世界征服でもするか?
……いや、冗談。
俺は可愛い嫁と可愛い子供達に囲まれて生活できたらそれでいい。
その為にも修行を頑張らないと。
俺は8歳になった時からじぃちゃんとばぁちゃんに頼み事をした。
「狩りして来てもいい?」
今までの修行は村からちょっと離れた山の中でしてたけど狩りになると違う。
修行してた場所あたりはほとんど獲物が出ない。
なので、狩りになれば山の奥に入って動物を狩る。
そして山の奥は動物だけじゃなくまれに魔物も出る。
当然『危ない』とか『まだ子供だから駄目』言われると思ってた。
「まぁ本当? 助かるわ」
「ハルなら大丈夫じゃろ」
と簡単に許可が降りた。
少し複雑な心境になったけど、じぃちゃんとばぁちゃんに恩返しが出来ると思ってプラス思考でいく事にした。
って事で今日も朝に魔法の訓練をして今は山に狩りに来ている。
「う〜ん。今日はなかなか見つからないな」
呟きながら長く生え伸びた草を払いながら捜索していると前方に鹿を見つけた。
さっそく無詠唱で魔法を発動させようとするとどこからか詠唱が聞こえる。
「炎よ、我が力となり標的を焼き尽くせ」
「火球!」
詠唱が聞こえた方向から火の球が出現し、獲物の鹿へ向かい真っ直ぐ飛んでいく。
……ドカッ
何者かが放った魔法が命中し鹿が燃えた。